2004 年数学 II ・ B 問題

Sunday, 18th January, 2004.
13:50 -- 14:50 (1hr)
平均 46.24


第一問, 第二問は必答。
第三問から第六問までのうちから二問選択。
計四問を解答。


第一問 (必答 30 点)

[1] 不等式

log2(x - 1) + log1/2(3 - x) ≦ 0

を満たす x の値の範囲は [ ア ] < x ≦ [ イ ] である。 x がこの範囲にあるとき
y = 4x - 6・2x + 10
の最大値と最小値を求めよう。

X = 2x と置くと, X の採る値の範囲は [ ウ ] < X ≦ [ エ ] であり,
y = (X - [ オ ])[ カ ] + [ キ ] ([ カ ] は指数) である。

従って, y は x = [ ク ] の時最大値 [ ケ ] をとり,
x = log2[ コ ] の時最小値 [ サ ] を採る。

[2] a を 0°< a < 180°を満たす角度とする。 0°≦ θ ≦ 180°の範囲で函数
f(θ) = sin(θ - a) - sin θ を考える。

(1) 方程式 f(θ) = 0 の解 θ は a を用いて
θ = [ シス]°+ a/2 と表される。
更にこの解 θ が sin(θ - a) = 1/2 を満たすならば
a = [ セソタ ]°である。

(2) a を (1) で求めた角度とするとき, 函数 f(θ) は
θ = [ チツテ ]°の時最大値 (√[ ト ])/[ ナ ]
θ = [ ニヌ ]°の時最小値 -√[ ネ ] を採る。


第二問 (必答 30 点)

(1) 座標平面上の放物線 y = x2 を C とする。 a は a ≠ 1 を満たす実数とし, C 上に点 P(a + 1, (a + 1)2) と点 Q(2a, 4a2) を採る。 二点 P, Q を亨直線を l とすると, l の方程式は
y = ([ ア ]a + [ イ ])x - [ ウ ]a2 - [ エ ] である。
次に, b は a ≠ 1, b ≠ a を満たす実数として, 二点
R(b + 1, (b + 1)2), S(2b, 4b2)
を通る直線を m とする。 直線 l, m の交点 T は
T(([ オ ]/[ カ ])(a + b + 1), [ キ ]ab + ([ オ ]/[ カ ])([ ク ]/[ ケ ])(a + b + 1)) である。
よって, b を限りなく a に近付けるとき, 点 T は限りなく点
U(([ ク ]/[ ケ ])a + [ コ ]/[ ケ ], [ サ ]a2 + ([ ク ]/[ ケ ])a + [ コ ]/[ ケ ]) に近付く。

(2) (1) で求めた点 U は, a の値に拠らない放物線
D: y = ([ シ ]x2 - [ ス ]x + [ セ ])/[ ソ ] 上にある。
更に, 点 U に於ける放物線 D の傾きは
[ タ ]a + [ チ ] である。 放物線 D の接線で原点 O を通るものは
y = x と y = [ ツテ ]x の二つである。

(3) 二つの放物線 C, D の共有点の座標は ([ ト ], [ ナ ]) である。 放物線 C, D 及び y 軸で囲まれた部分の面積は [ ニ ]/[ ヌ ] である。


第三問 (選択 20 点)

本問では vectors はすべて太字斜体を用いる。

点 A(0, 0, 0) を通り, ベクトル u = (1, 1, 0) に平行な直線を l とする。 又, 点 B(0, 5, -2) を通り, ベクトル v = (1, 0, 1) に平行な直線を m とする。 l 上の点 P から m に下ろした垂線の足を P' とする。 又 m 上の点 Q から l に下ろした垂線の足を Q' とする。 PP' = QQ' 且つ PP'QQ' となる P と Q を求めよう。

※ 「点 P から m に下ろした垂線の足」 とは, 点 P から引いた m の垂線と m との交点のことである。

(1) 実数 t, t', s, s' により
AP = tu, BP' = t'v, BQ = sv, AQ' = s'u
と表される。 直線 PP' と直線 m が直交するから
t' = [ ア ] + ([ イ ]/[ ウ ])t である。 ベクトル PP' の成分を t を用いて表すと
PP' = ([ エ ] - ([ オ ]/[ カ ])t, [ キ ] - t, [ クケ ] + ([ コ ]/[ サ ])t) である。
同様に直線 QQ' と直線 l が直交するから
s' = 5/2 + (1/2)s である。 ベクトル QQ' の成分を s を用いて表すと
QQ' = ([ シ ]/[ ス] - ([ セ ]/[ ソ ])s, [ タチ ]/[ ツ ] + ([ テ ]/[ ト ])s, [ ナ ] - s) である。

(2) さて, PP'2 + QP'2 = PQ2 = QQ'2 + PQ'2 であるから, PP' = QQ' であるための条件は PQ' = QP' である。 PQ' = (s'- t)u, QP' = (t' - s)v であるから, PQ' = QP' となるのは
s = [ ニ ] - t … (a)
又は
s = [ ヌネ ] + t … (b)
の時である。

(3) (a) が成り立つとき, PP'QQ' が垂直になるのは t = [ ノ ] 又は t = [ ハ ] の時である。 ([ ノ ] と [ ハ ] は解答の順序は問わない。)
(b) が成り立つときは PP'QQ' が垂直になるような実数 t の値はない。


第四問 (選択 20 点)

複素数 z = x + yi (x, y は実数) は y ≠ 0 を満たし, 且つ 1, z, z2, z3 は相異なるとする。 又 z に共役な複素数を`z = x - yi とする。

(1) 複素数平面において, 1, z, z2, z3 の表す点をそれぞれ A0, A1, A2, A3 とする。 線分 A0A1 と線分 A2A3 が両端以外で交わる条件を求めよう。 線分 A0A1 と線分 A2A3 が両端以外の点 B で交わるとする。 点 B を表す複素数を w とする。 点 B が線分 A0A1 を a : (1 - a) に内分していれば
w = az + 1 - a
と表される。 ここで 0 < a < 1 である。 点 B が線分 A2A3 を b : (1 - b) に内分していれば
w = bz3 + (1 - b)z2
と表される。 ここで 0 < b < 1 である。 故に
bz3 + (1 - b)z2 = az + 1 - a
即ち
(z - [ ア ])([ イ ]z2 + z + 1 - [ ウ ]) = 0
である。 z は実数ではないから
z +`z = -1/[ エ ], z`z = (1 - [ オ ])/[ カ ]
(z`z は z と`z の積) である。 これから a と b を, x と y を用いて表すと
a = [ キ ] + (x[ ク ] + y[ ケ ])/([ コ ]x), b = -1/([ サ ]x) である。

従って, 0 < a < 1, 0 < b < 1 より, 線分 A0A1 と線分 A2A3 が両端以外で交わる条件は
x < [ シス ]/[ セ ] 且つ (x + [ ソ ])2 + y2 < [ タ ] である。

(2) z4 の表す点を A4 とする。 z が (1) の条件を満たすとき, 即ち, 線分 A0A1 と線分 A2A3 が両端以外で交わる時, 線分 A3A4 と線分 A1A2 は両端以外で [ チ ]。

[ チ ] に当てはまるものを次の 0 から 2 のうちから一つ選べ。
0 必ず交わる 1 交わることはない 2 交わることも, 交わらないこともある


第五問 (選択 20 点)

二つの骰子 (さいころ) A と B があり, 各面に 1, 2, 3, 4, 5, 6 という目が書かれている。 これらの骰子について, A の骰子の各面には 1, 3, 4, 5, 6, 8 の目のシールを () り, B の骰子の各面には 1, 2, 2, 3, 3, 4 の目のシールを貼った。
 初めに硬貨を投げ, 次に A と B の骰子を同時に投げる次の試行を行う。

この試行について次の問に答えよ。 但し, シールの生むにかかわらず, 骰子の各面の出方は同様に確からしいとする。

(1) 二つの骰子の目の和が 3 の倍数になる場合は, 硬貨を投げて表が出たとき [ アイ ] 通りあり, 裏が出たとき [ ウエ ] 通りある。 従って, この試行において二つの骰子の目の和が 3 の倍数になる確率は [ オ ]/[ カ ] である。 又, 目の和が 3 の倍数であるという条件の下で, 二つの骰子の目の差が 2 以下である条件付き確率は [ キ ]/[ ク ] である。

(2) この試行に於ける二つの骰子の目の和を表す確率変数を X とする。 硬貨を投げて表が出たとき, 二つの骰子の目の和の平均 (期待値) は [ ケ ] であり, その分散は [ コサ ]/[ シ ] である。
 硬貨を投げて裏が出たとき, 二つの骰子の目の和の平均は [ ス ] であり, その分散は [ セソ ]/[ タ ] である。
 従って, この試行に於ける X の平均 E(X) は [ チ ], 分散 V(X) は [ ツテ ]/[ ト ] である。


第六問 (選択 20 点)

自然数 x, p 及び n を入力して xp を n で割った余りを出力するプログラムを作成する。 但し, このプログラムを実行するコンピュータは 263 以上の数値を取り扱うことが出来ないとする。

ここで, INT(X) は X を超えない最大の整数を表す函数である。 又, 必要ならば log102 = 0.3010 を用いても良い。

[プログラム 1]

100 INPUT "X, P, N"; X, P, N
110 A = 1
120 FOR K = 1 TO [ ア ]
130   A = A*X
140 NEXT K
150 A = [ イ ]
160 PRINT A
170 END

(1) [プログラム 1] の 120 行から 140 行の FOR-NEXT 文で xp を求めている。 [ ア ] に当てはまるものを, 次の 0 から 5 のうちから一つ選べ。
0 P 1 2*P 2 P*P 3 P*X 4 A 5 N 6 X

又 150 行で xp を n で割った余りを求めている。 [ イ ] に当てはまるものを次の 0 から 5 のうちから一つ選べ。
0 INT(A/N) 1 INT(A/N)*N 2 A - INT(A/N)
3 A + INT(A/N) 4 A - INT(A/N)*N 5 A + INT(A/N)*N

(2) 263 は 10 進法で [ ウエ ] (けた)の数である。 x = 4 ならば p ≧ [ オカ ] の時 x = 8 ならば p = [ キク ] の時, 各々 xp ≧ 263 であるので, [プログラム 1] による計算は, このコンピュータでは取り扱うことが出来ない。 但し, [ オカ ], [ キク ] にはそれぞれ条件に適する最小の自然数を答えよ。

(3) [プログラム 1] について (2) で述べた x と p の大きさに関する正弦を改善するため, 次の性質を利用してプログラムを変更する。

「S, T を自然数とするとき, S, T を n で割った余りを s, t とする。 このとき, s < n 且つ t < n であり, 積 ST を n で割った余りと積 st を n で割った余りは等しい。」

[プログラム 2]

100 INPUT "X, P, N"; X, P, N
110 B =[ ケ ]
120 A = 1
130 FOR K = 1 TO [ ア ]
140   A = A*B
150   A = [ イ ]
160 NEXT K
170 PRINT A
180 END

[プログラム 2] の 110 行で x をn で割った余りを計算している。 [ ケ ] に当てはまるものを次の 0 から 5 のうちから一つ選べ。
0 INT(X/N) 1 INT(X/N)*N 2 X - INT(X/N)
3 X + INT(X/N) 4 X - INT(X/N)*N 5 X + INT(X/N)*N

[プログラム 2] を実行し, 変数 X, P, N にそれぞれ 8, 25, 5 を入力する。 このとき 110 行の B の値は [ コ ] である。 更に, 130 号から 160 行の FOR-NEXT 文の各ステップに於ける 140 行の A*B の値の中での最大値は [ サシ ] である。

130 行から 160 行までのループを 1 回処理するのに 10-8 秒必要であり, その他の行の処理時間は無視できるものとする。 p = 262 の時, [プログラム 2] を実行数のに必要な時間を s 秒とすると
10[ スセ ] ≦ s < 10[ スセ ]+1 である。


解答

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