2009 年 数学 I ・ A 解答と解説


第一問 (20 点)

[1] A = y2 + (5x - 1)y + 6x2 + 2x - 20
   = y2 + (5x - 1)y + 2(3x2 + x - 10)
   = y2 + (5x - 1)y + 2(3x - 5)(x + 2)
   = (y + (3x - 5))(y + 2(x + 2))
   = (3x + y - 5)(2x + y + 4).(5  点).

ここだけの別解:
A = (6x2 + 5xy + y2) + 2x - y - 20
 = (2x + y)(3x + y) + 2x - y - 20 (ここで 20 = 5・4 として, -y 又は 2x になるように考える)
 = (2x + y - 5)(3x + y - 5).

さて, y = 2(3 + √7)/(9 - 7) = 3 + √7 なので

(3x + y - 5)(2x + y + 4)
= (-3 + 3 + (√7) - 5)(-2 + 3 + (√7) + 4)
= (5 + √7)((√7) - 5)
= 7 - 25 = -18. (5 点).


驚くほど簡単。


[2] 先ず p: a2 - 2a - 8 ≧ 0.
(a + 2)(a - 4) ≧ 0.
a ≦ -2, 4 ≦ a
である。

(1) 従って 必要十分 0 (2 点)

(2)`q は -2 < a < 4.
`r は a < 5.

0 q 且つ`r は a ≦ 2, 4 ≦ a < 5.
1 q 又は r は 実数全体.
2`q 且つ`r は`q : -2 < a < 4.
3`q 又は`r は `r : a < 5.

であるから, ケ は 1, コ は 0.(各 4 点).


面倒なだけで普通。 昨年度のものより簡単になったと思う。


第二問 (25 点)

y = 2x2 - 4(a + 1)x + 10a + 1
= 2(x2 - 2(a + 1)x) + 10a + 1
= 2(x - (a + 1))2 - 2(a + 1)2 + 10a + 1
= 2(x - (a + 1))2 - 2a2 - 4a - 2 + 10a + 1
= 2(x - (a + 1))2 - 2a2 + 6a - 1.

よって頂点は (a + 1, -2a2 + 6a - 1)

(1) 接するので -2a2 + 6a - 1 = 0 と置く。
即ち 2a2 - 6a + 1 = 0.
解の公式から a = (3 ± √7)/2. (3 点).

(2) 最小値が頂点の y 座標になるのだから -1 ≦ a + 1 ≦ 3. の時なので,
-2 ≦ a ≦ 2 の時である。 (3 点)

又 a < -2 の時は, グラフを描いてみると, 頂点が直線 x = -1 よりも左側にあるので, x = -1 の時に最小値になる。 即ち

m = 2 + 4(a + 1) + 10a + 1 = 14a + 7. (4 点)

同様に 3 < a の時は, x = 3 の時に最小値で

m = 18 - 12(a + 1) + 10a + 1 = -2a + 7. (4 点)

従って

a < -2 ⇒ m < -28 + 7 = -21. だから m = 7/9 とはならない。

3 < a ⇒ -2a < -6 なので m = -2a + 7 < 1 だから m = 7/9 となり得るので
m = -2a + 7 = 7/9 と置くと, -18a + 63 = 7 より a = 56/18 = 28/9.

又 -2 ≦ a ≦ 2 の時は -2a2 + 6a - 1 = 7/9 と置くと
2a2 - 6a + 1 = -7/9
18a2 - 54a + 9 = -7
18a2 - 54a + 16 = 0
9a2 - 27a + 8 = 0
(3a - 1)(3a - 8) = 0
a = 1/3, 8/3 (= 2 + 2/3) だが -2 ≦ a ≦ 2 だったので, a = 1/3.

以上より a = 1/3, 28/9.(各 4 点)
 


(2) の後半が少し面倒かもしれないがそれほど難しくない。


第三問 (30 点) 図を描きながらやること。

(第二) 余弦定理より
7 = 1 + 4 - 2・1・2cos∠CAB
2・1・2cos∠CAB = -2
cos∠CAB = -1/2.

0°< ∠CAB < 180°なので ∠CAB = 120°(3 点).

∠BAC が ∠CAB の二等分線になるので
BD = (1/(1 + 2))BC = (√7)/3. (3 点).

円周角定理より ∠DAB = ∠DAC = ∠DBE つまり 0. (3 点)

又円に内接する四角形 ABEC に着目して
∠BEC = 180°- ∠BAC = 180° - 120°= 60°= ∠DAB なので 4 (3 点).

直ぐ上の結論から, △BCE が正三角形となるので
BE = BC = √7 (3 点)

再び (第二) 余弦定理より
DE2 = ((√7)/3)2 + (√7)2 - 2((√7)/3)(√10)(√7)cos60°
 = 7/9 + 7 - 2・(7/3)・(1/2)
 = (7 + 63 - 21)/9 = 49/9.
DE > 0 より De = 7/3 (4 点)

正弦定理より
O'B = DE/(2sin∠DBE) (7/3)/(2sin60°) = (7/3)/(2・(√3)/2)  7/(3√3) = (73)/9. (4 点)

O' から BE に降ろした垂線の足を H とすると BH = (√7)/2.
三平方の定理より
O'H = √(O'B2 - BH2) = √(49/27 - 7/4) = (1/6)√(7/3).
従って tan∠EBO' = O'H/BH = ((1/6)√(7/3))/((√7)/2) = (√3)/9. (4 点)


図を描きながらやらないと難しい。

それでも ∠BEC = ∠DAB は見つけ難い。


第四問 (25 点)

(1) 1 の目で終了するのは
3 + 1,
2 + 1 + 1,
1 + 2 + 1,
1 + 1 + 1 + 1
4 通り。 (3 点)

2 の目で終了するのは
3 + 2,
2 + 2,
1 + 1 + 2,
1 + 2 + 2,
2 + 1 + 2,
1 + 1 + 1 + 2
6 通り。 (3 点)

3 の目で終了するのは
1 + 3,
2 + 3,
3 + 3,
1 + 1 + 3,
1 + 2 + 3,
2 + 1 + 3,
1 + 1 + 1 + 3
7 通り。 (3 点)

4 の目で終了するのは
4,
1 + 4,
2 + 4,
3 + 4,
1 + 1 + 4,
1 + 2 + 4,
2 + 1 + 4,
1 + 1 + 1 + 4
の 8 通り。 (3 点)

(2) 1 回で終了するのは, 1 回目に 4, 5, 6 が出るということだから
3/6 = 1/2. (2 点)

2 回で終了するのは, 上記の 3 + 1, 3 + 2, 2 + 2, 1 + 3, 2 + 3, 3 + 3, 1 + 4, 2 + 4, 3 + 4 の他に
1 + 5, 2 + 5, 3 + 5, 1 + 6, 2 + 6, 3 + 6 があるので, 全部で 15 通り。 即ち
15/(6・6) = 5/12. (3 点)

終了するまでの回数の最大値は 4 回。 (2 点)
それは 1 + 1 + 1 + □ で, □が 1, 2, 3, 4, 5, 6 の 6 通りあるから
6/(6・6・6・6) = 1/216. (2 点)

三回で終了する確率は
1 - (1/2 + 5/12 + 1/216) = 1/2 - 5/12 - 1/216 = 1/12 - 1/216 = 17/216.

従って期待値は
1・1/2 + 2・5/12 + 3・17/216 + 4・1/216 = (108 + 180 + 51 + 4)/216 = 343/216. (4 点)


場合の数を数え間違い易いので, 上記のように解答するよりも樹形図を書いた方が早道のように思う。

この問題は, 例年と違い (1) と (2) の関連が低いのが問題である。
(1) の文脈でいえば, (2) は 「終了する時の目の数の期待値」 であろうし, (2) の文脈でいえば (1) は 「? 回で終了するのは [ ] 通り」 であろうか。
短い時間で解かねばならないので, このような出題は受験生を混乱させたかもしれない。


今年の数学 I ・ A は難しくはないが, 間違え易くケアレスミスが致命的だったのではないか。

図を描いたり, 樹形図を描いたりと, 急がば回れの教訓が生きるセンター試験であったように思う。


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