2009 年数学 II ・ B 問題

Sunday, 18th January, 2009.
13:30 -- 14:30 (1hr)
平均 50.86


注:

第一問, 第二問は必答。
第三問から第六問のうちから二問選択。
計四問を解答。


第一問 (必答 30 点)

[1] x ≧ 2, y ≧ 2, 8 ≦ xy ≦ 16 の時, z = log2(√x) + log2y の最大値を求めよう。

s = log2x, t = log2y と置くと, s, t, s + t のとりうる値の範囲はそれぞれ
s ≧ [ ア ], t ≧ [ ア ], [ イ ] ≦ s + t ≦ [ ウ ]
となる。 又
z = ([ エ ]/[ オ ])s + t
が成り立つから, z は s = [ カ ], t = [ キ ] の時最大値 [ ク ]/[ ケ ] をとる。
従って, z は x = [ コ ], y = [ サ ] の時最大値 [ ク ]/[ ケ ] をとる。

[2] 0 ≦ θ < 2π の範囲で

5sin θ - 3cos2θ = 3 ……………………(*)

を満たす θ について考えよう。

方程式 (*) を sinθ を用いて表すと

[ シ ]sin2θ + 5sinθ - [ ス ] = 0

となる。 従って, -1 ≦ sinθ ≦ 1 より

sinθ = [ セ ]/[ ソ ]

であり, 0 ≦ θ < 2π の範囲でこの等式を満たす θ のうち, 小さい方を θ1, 大きい方を θ2 とすると

cosθ1 = (√[ タ ])/[ ソ ], cosθ2 = ([ チ ]√[ タ ])/[ ソ ]

である。

θ1 について不等式 [ ツ ] が成り立つ。 [ ツ ] に当てはまるものを, 次の 05 のうちから一つ選べ。

0 0 < θ1 < π/12 1 π/12 < θ1 < π/6 2 π/6 < θ1 < π/5
3 π/5 < θ1 < π/4 4 π/4 < θ1 < π/3 5 π/3 < θ1 < π/2

但し, 必要ならば, 次の値
cos(π/5) = (1 + √5)/4, cos(π/12) = ((√6) + √2)/4
を用いても良い。

更に, 不等式 nθ1 > θ2 を満たす自然数 n のうち最小のものは [ テ ] である。


第二問 (必答 30 点)

放物線 y = 2x2 を C, 点(1, -2) を A とする。

点 Q(u, v) に関して, 点 A と対称な点を P(x, y) とすると
u = (x + [ ア ])/[ イ ] , v = (y - [ ウ ])/[ エ ]
が成り立つ。 Q が C 上を動く時の点 P の軌跡を D とすると, D は放物線
y = x2 + [ オ ]x + [ カ ]
である。

二つの放物線 C と D の交点を R と S とする。 但し, x 座標の小さい方を R とする。 点 R, S の x 座標はそれぞれ [ キク ], [ ケ ] で, 点 R, S に於ける放物線 D の接線の方程式はそれぞれ
y = [ コ ], y = [ サ ]x - [ シ ]
である。

P を放物線 D 上の点とし, P の x 座標を a と置く。 P から x 軸に引いた垂線と放物線 C との交点を H とする。 [キク ] < a < [ ケ ] の時, 三角形 PHR の面積 S(a) は
S(a) = (1/[ ス ])([ セ ]a3 + a2 + [ ソ ]a + [ タ ])
と表される。 S(a) は a = [ チ ]/[ ツ ] の時, 最大値をとる。

a = [ チ ]/[ ツ ] の時, 直線 HR と放物線 D の交点のうち, R と異なる点の x 座標は [ テ ]/[ ト ] である。 このとき [ テ ]/[ ト ] ≦ x ≦ [ チ ]/[ ツ ] の範囲で, 放物線 D と直線 PH 及び直線 HR で囲まれた図形の面積は [ ナニヌ ]/[ ネノ ] である。


第三問 (選択 20 点)

{an} を初項が 1 で公比が 1/3 の等比数列とする。 数列 {an} の 偶数番目の項を取り出して, 数列 {bn} を bn = a2n (n = 1, 2, 3, ...) で定める。 Tn = Σk=1nbk と置く。

(1) {bn} も等比数列であり, その初項は [ ア ]/[ イ ], 公比は [ ウ ]/[ エ ]
である。 従って
Tn = [ オ ]/[ カ ](1 - [ キ ]/[ ク ]n)
である。 又, 積 b1b2…bn を求めると
b1b2…bn = [ ケ ]/[ コ ]n2
となる。

(2) 次に数列 {cn} を cn = 2n・bn (n = 1, 2, 3, ...) で定め, Un = Σk=1nck と置く。
[ サ ]
cn+1 - cn = [ シ ]bn (n = 1, 2, 3, ...)
が成り立つから
Σk=1n([ サ ]cn+1 - cn) = [ シ ]Tn ……… @
である。 又, この左辺の和をまとめ直すと Un, cn+1, c1 を用いて
Σk=1n([ サ ]cn+1 - cn) = [ ス ]Un + [ セ ]cn+1 - [ ソ ]c1 ………A
と表される。 @ と A より
Un = [ タチ ]/[ ツテ ] - (([ トナ ])n + [ ニヌ ])/[ ツテ ])・(1/[ ネ ]n)
となる。


第四問 (選択 20 点)

本問では vectors はすべて太字斜体を用いる。

O を原点とする座標空間に於ける五点を A(0, 0, 1), B(1, 0, 0), C(0, 2, 0), D(-1, 0, 0), E(0, -2, 0) とする。 菱形 BCDE を底面とする四角 (すい) A-BCDE と, 平面 ABC に閉口な平面との共通部分について考える。

(1) BCBA = [ ア ] であり, 三角形 ABC の面積は [ イ ]/[ ウ ] である。

(2) u = BA, v = BE と置く。 0 < a < 1 とし, 点 B1 を線分 BE を a : (1 - a) に内分する点とすると, BB1 = [ エ ]v である。 点 A1
OA1 = OA + BB1
で定め, 線分 A1B1 と線分 AE が交わることを示そう。 A1B1 上の点 P は, 0 ≦ b ≦ 1 を満たす b を用いて
OP = OB + bu + [ エ ]v
と表される。 又, AE 上の点 Q は 0 ≦ c ≦ 1 を満たす c を用いて
OQ = OB + [ オ ]u + ([ カ ] - c)v
と表される。

P と Q は b = [ キ ] = [ クケ ] + 1 の時一致するから, 線分 A1B1 と AE は, AE を [ コ ] : (1 - [ コ ]) に内分する点で交わることが分かる。 この点を E1 とする。

点 C1
OC1 = OC + BB1
で定めると, 同様に考えることにより, 線分 A1C1 と線分 AD も, AD を [ サ ] : (1 - [ サ ]) に内分する点で交わることが分かる。 この点を D1 とすると
D1E1 = [ シ ]DE
であり, 三角形 A1B1C1 は三角形 ABC と平行であるから, 四角形 B1C1D1E1 の面積は
([ ス ]/[ セ ])([ ソ ] - [ タ ][ チ ])
である。


|B1E1| = √([ ツ ]a2 - [ テ ]a + [ ト ])
である。


第五問 (選択 20 点)

下の表は, 十名からなるある少人数クラスを I 班と II 班に分けて, 百点満点で二回ずつ実施した数学と英語のテストの得点をまとめたものである。 但し, 表中の平均値はそれぞれ, 一回目と二回目の数学と英語のクラス全体の平均値を表している。 又, A, B, C, D の値は全て整数とする。

    一回目 二回目
番号 数学 英語 数学 英語
I

1
2
3
4
5

40  43
63  55
59  B
35  64
43  36
60  54
61  67
56  60
60  71
C   80
II

1
2
3
4
5

A   48
51  46
57  71
32  65
34  50
D   50
54  57
59  40
49  42
57  69
平均値 45.0 E 58.9 59.0

以下, 小数の形で解答する場合は, 指定された (けた) 数の 一つ下の桁を四捨五入し, 解答せよ。 途中で割り切れた場合は, 指定された桁まで 0 にマークすること。

(1) 一回目の数学の得点について I 班の平均値は [ アイ ].[ ウ ] 点である。
又, クラス全体の平均値は 45.0 点であるので, II 班の一番目の生徒の数学の得点 A は [ エオ ] 点である。

(2) II 班の一回目の数学と英語の得点について, 数学と英語の分散は共に 101.2 である。 従って相関係数は [ カ ].[ キク ] である。

(3) 一回目の英語の得点について, I 班の三番目の生徒の得点 B の値が分からない時, 暮らす全体の得点の中央値 M の値として分散は [ ケ ] 通りの値がありうる。

実際は, 一回目の英語の得点のクラス全体の平均点 E が 54.0 点であった。 従って, B は [ コサ ] 点と定まり, 中央値 M は [ シス ].[ セ ] 点である。

(4) 二回目の数学の得点について, I 班の平均値は II 班の平均値より 4.6 点大きかった。 従って, I 班の五番目の生徒の得点 C 殻 II 班の一番目の生徒の得点 D を引いた値は [ ソ ] 点である。

(5) 一回目のクラス全体の数学と英語の得点の相関図 (分布図) は,  [ タ ] であり, 二回目のクラス全体の数学と英語の得点の相関図は, [ チ ] である。 又, 一回目のクラス全体の数学と英語の得点の相関係数を r1, 二回目のクラス全体の数学と英語の得点の相関係数を r2 とするとき, 値の組 (r1, r2) として正しいのは [ ツ ] である。 [ タ ], [ チ ] に当てはまるものを, それぞれ次の 03 のうちから一つずつ選べ。

又, [ ツ ] に当てはまるものを, 次の 03 のうちから一つ選べ。

0 (0.54, 0.20), 1 (-0.54, 0.20)
2 (0.20, 0.54), 3 (0.20, -0.54)

(6) 二回目のクラス全体十名の英語の得点について, 採点基準を変更したところ, 得点の高い方から二名の得点が二点ずつ下がり, 得点の低い方から二名の得点が二点ずつ上がったが, その他の六名の得点に変更は生じなかった。 このとき, 変更後の平均値は [ テ ] する。 又, 変更後の分散は [ ト ] する。
[ テ ], [ ト ] に当てはまるものを, それぞれ次の 02 のうちから一つずつ選べ。

0 変更前より減少, 1 変更前と一致, 2 変更前より増加


第六問 (選択 20 点)

p, q を異なる自然数とする。 このとき, 与えられた自然数 d について, d 以下の自然数 k のうちで
k = mp + nq (m, n は 0 以上の整数) ………… (*)
のように表すことが出来るものを小さい順に全て列挙し, 最後にその個数を表示したい。 その為に次のような 〔プログラム〕 を作った。 ここで INT(X) は x を超えない最大の整数を表す函数である。

〔プログラム〕

100 INPUT PROMPT "p=": P
110 INPUT PROMPT "q=": Q
120 INPUT PROMPT "d=": D
130 LET U=0
140 FOR K=1 to D
150    IF K-INT(K/P)*P=0 THEN [  ]
160    FOR M=0 TO INT(K/P)
170       LET R=K-M*P
180       IF [  ] THEN [  ]
190    NEXT M
200    [  ]
210    PRINT K
220    [  ]
230 NEXT K
240 PRINT "総数="; U
250 END 

(1) 〔プログラム〕 の [ ア ], [ ウ ], [ エ ] に当てはまるものを, それぞれ次の 0b のうちから一つ選べ。

0 GOTO 150 1 GOTO 170 2 GOTO 180
3
GOTO 200 4 GOTO 210 5 GOTO230
6 PRINT R 7 PRINT U 8 PRINT M
9 LET R=R+1 a LET U=U+1 b LET K=K+1

又, [ イ ] に当てはまるものを, 次の 05 のうちから一つ選べ。

0 R-INT(R/M)*M<>0 1 R-INT(R/M)*M=0
2 R-INT(R/P)*P<>0 3 R-INT(R/P)*P=0
4
R-INT(R/Q)*Q<>0 5 R-INT(R/Q)*Q=0

(2) 〔プログラム〕 を実行し, 変数 P, Q, D にそれぞれ 3, 7, 15 を入力した時, 整数の列
  3 [ オ ] 7 9 [ カキ ] 12 13 14 15
に続いて
  総数=9
が出力される。 又, 変数 P, Q, D にそれぞれ 3, 7, 100 を入力した時, 整数の列に続いて
  総数= [ クケ ]
が出力される。

〔プログラム〕 を部分的に変更して, 次のような二種類のプログラムを作る。

(3)  式 (*) のように表すことが出来ないような d 以下の自然数 k を小さい順に全て列挙し, 最後にその個数を表示したい。 その為には, 〔プログラム〕 の 150 行及び 180 行にある [ ア ] を [ コ ] に置き換えると共に, 200 行を削除すれば良い。 [ コ ] に当てはまるものを, 次の 05 のうちから一つ選べ。

0 GOTO190 1 GOTO 200 2 GOTO 210
3 GOTO 220 4 GOTO 230 5 GOTO 240

(4) 自然数 K に対して, 式 (*) を満たす組 (m, n) の個数を vk とする。 d 以下の各自然数 k について vk を出力し, 最後に総数として和 v1 + … + vd の値を表示したい。 その為には 〔プログラム〕 の 150 行を
  150 [ サ ]
のように変更し, 180 行の [ ア ] を [ シ ] に置き換えて 200 行を削除する。 更に 210 行及び 229 行を
  210 PRINT "k=" ;K; "のとき, " ;V; "個"
  220 [ ス ]
に変更すれば良い。 [ サ ], [ シ ], [ ス ] に当てはまるものを, それぞれ次の 0〜8 のうちから一つずつ選べ。

0 GOTO 210 1 GOTO 220 2 GOTO 230
3 LET V=O 4 LET V=U 5 LET U=U+V
6 LET V=V+U 7 LET U=U+1 8 LET V=V+1


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