2011 年数学 II ・ B 解答と解説


第一問 (必答 30 点)

[1] t2 = sin2θ + (2√3)sinθcosθ + 3cos2θ
= 1 - cos2θ + (2√3)sinθcosθ + 3cos2θ
= 2cos2θ + (23)sinθcosθ + 1. (2 点)
一方
y = 2cos2θ - 1 + (2√3)sinθcosθ - (2√3)cosθ - 2sinθ
= (2cos2θ + (2√3)sinθcosθ + 1) - 2(sinθ + (√3)cosθ) - 2
= t2 - 2t - 2. (2 点)

t = 2(sinθ・(1/2) + cosθ・(√3)/2)
= 2sin(θ + π/3). (2 点)

-π/2 ≦ θ ≦ 0 なので
-π/6 ≦ θ + π/3 ≦ π/3. (1 点)
よって -1 ≦ t ≦ √3. (2 点×2)

従って y = (t - 1)2 - 3 なので
t = 1 (1 点) の時, 即ち
sin(θ + π/3) = 1/2, -π/6 ≦ θ + π/3 ≦ π/3
θ + π/3 = π/6
θ = -π/6 (2 点)
の時最小値 -3 を採る。 (1 点)


基本的で難しくないと思われる。


[2] 底の変換公式から
12((1/2)log2x)2 - 7(log2x)/log24 - 10 > 0
3(log2x)2 - (7/2)log2x - 10 > 0
6(log2x)2 - 7log2x - 20 > 0
(2log2x - 5)(3log2x + 4) > 0
log2x < -4/3, 5/2 < log2x (2 点×2)
0 < x < 2-4/3, 25/2 < x
0 < x < 1/(2・3√2), 4√2 < x.
1/(2・3√2) < 1 で 25 < x2
32 < x2 なので, これを満たす最小の自然数は x = 6. (3 点)

x = 1 とすると, log3x = 0 なので, 左辺 = 1 < 14.
x = 3 とすると, log3x = 1 なので, 左辺 = 4 < 14.
x = 32 とすると, log3x = 2 なので, 左辺 = 11 < 14.
x = 33 とすると, log3x = 3 なので, 左辺 = 30 > 14.
従って, 9 < x < 27.
今度は x = 10 とすると 2 < log310 < 3 だから 12 < 左辺 < 13.
更に x = 11 とすると, 同様に 13 < 左辺 < 14.
x = 12 とすると, 14 < 左辺 < 15.
故に最大は x = 11. (4 点)


[1] は基本通り。
[2] のやり方がセンター試験らしくないが, 順番に絞り込んでいけば良いのでそれほど難しくはない。


第二問 (必答 30 点)

(1) y' = 2x なので y'x=a = 2a.
従って P に於ける C の接線は
y - a2 = 2a(x - a)
      = 2ax - 2a2
故に y = 2ax - a2 (3 点).

これが x 軸と交わる点は y = 0 と置けば良いので
2ax - a2 = 0
a ≠ 0 なので x = a/2. 従って Q(a/2, 0). (3 点)

S = ∫0a x2 dx - (1/2)・(a/2)・a2
= [(1/3)x3]0a - a3/4
= (1/3)a3 - a3/4
= a3/12. (5 点)

T = ∫a2 x2 dx - (1/2)・(a2 + (4a - a2))・(2 - a)
= [(1/3)x3]a2 - (1/2)・4a・(2 - a)
= 8/3 - a3/3 + 2a2 - 4a
= -a3/3 + 2a2 - 4a + 8/3. (5 点)

U = S + T = -a3/4 + 2a2 - 4a - 8/3.
dU/da = -(3/4)a2 + 4a - 4 = -(1/4)(3a2 - 16a + 16) = -(1/4)(3a - 4)(a - 4)

a

0   4/3   2
dU/da (-4) - 0 + (1)
U 8/3 極小
8/27
2/3

なので, a = 0 で最大値 8/3 (4 点)
a = 4/3 (5 点) で最小値 8/27 (5 点) を採る。


焦らなければ簡単。 T の面積を求める部分を勘違いしなければ大丈夫。


第三問 (選択 20 点)

x3 = (3・2 + 1)/4 = 7/4. (1 点)

y1 = x2 - x1 = 2 - 1 = 1. (1 点)

y2 = x3 - x2 = 7/4 - 2 = -1/4 = (-1/4)(x2 - x1) = (-1/4)y1 なので
yn + 1 = xn + 1 - xn = (-1/4)yn. (1 点)

従って
yn = (-1/4)n - 1 なので0. (1 点).

xn = x1 + Σk = 1n - 1yk
= 1 + (1 - (-1/4)n - 1)/(1 - (-1/4))
= 1 + (4/5)(1 - (-1/4)n - 1)
= 9/5 - (4/5)(-1/4)n - 1.
(9/5 が 2 点, 4 と n - 1 から0 でこの二つを合わせて 3 点)

r = 1/4 なので
 Sn = 1・r + 2r2 + … … … + n・rn - 1
-)rSn =   1・r2 + 2r2 + … + (n - 1)・rn - 1 + n・rn
---------------------------------------
Sn - rSn = Σk = 1nrk - 1 - nrn.
なので, 1, 1. (両方合わせて 3 点).

従って
(3/4)Sn = (1 - (1/4)n)/(1 - 1/4) - n(1/4)n
= (4/3)(1 - (1/4)n) - n(1/4)n.
即ち Sn = (16/9)(1 - (1/4)n) - (4/3)n(1/4)n
= (16/9)(1 - (1/4)n) - (n/3)・(1/4)n - 1.
(16/9 が 2 点, 分母の 4 と1 で 2 点, 分母の 3 と 4, 0 で 2 点)


xn が左右に行くので符号が - というのに気を付ければ良い。
点が刻まれているので, 結構自己採点は面倒かも。


第四問 (選択 20 点)

本問では vectors はすべて太字斜体を用いる。

OD = OA + AD
= OA + BC
= OA + OC - OB
= a - b + c. (2 点)

AL = OL - OA
= (1/3)OD - OA
= (1/3)(a - b + c) - a
= (-2/3)a - (1/3)b + (1/3)c. (2 点)

AM = OM - OA
= (1/2)OB - OA
= -a + (1/2)b.
従って AN = sAL + tAM ならば
ON - OA = s((-2/3)a - (1/3)b + (1/3)c) + t(-a + (1/2)b)
故に ON = (1 - (2/3)s - t)a + (-s/3 + t/2)b + (s/3)c.
(a の係数が 2 点, b の係数も 2 点, c の係数が 1 点)

よって, a, b, c は一次独立だから
1 - (2/3)s - t = 0
-s/3 + t/2 = 0
となるが, 下の方から s/3 = t/2. これを上の式に代入して t = 1/2, 従って s = 3/4 を得る。
よって ON = (s/3)c = (1/4)c. (3 点)

(第二) 余弦定理より,
ab = |a||b|cos∠AOB
= (|a|2 + |b|2 - AB2)/2
= (2 - 4r2)/2 = 1 - 2r2. (2 点)

三平方の定理の逆より bc = 0. (1 点)

AC2 = 4(1 + r2) なので
ac = 2r・(√3)cos∠AOC
= (1 + 3 - 4(1 + r2))/2
= 2 - 2(1 + r2) = -2r2. (2 点)

AMMN
= AM・(AN - AM)
= (-a + (1/2)b)・(ON - OA - AM)
= (-a + (1/2)b)・((1/4)c - a + a - (1/2)b
= (1/8)(2a - b)・(2b - c)
= (1/8)(4ab - 2ac - 2|b|2 + bc)
= (1/8)・(4(1 - 2r2) - 2・(-2r2) - 2 + 0)
= (1/8)・(4 - 8r2 + 4r2 - 2)
= (1/8)(2 - 4r2) = (1/4)(1 - 2r2).
ここで AMMNAMMN = 0 より
(1/4)(1 - 2r2) = 0 と置くと r = 1/√2.
従って AB = 2r = √2. (3 点)


問題の図に長さを記入しておく程度で十分。
去年に引き続き平易。


第五問 (選択 20 点)

(1) A = (33 + 44 + 30 + 38 + 29 + 26 + 43 + 23 + 28 + 34 + 33 + 26 + 36 + 30 + 27)/15
= 480/15 = 32.0. (2 点)

10A1 + 5A2 = 15A
2A1 + A2 = 3A
故に (2/3)A1 + (1/3)A2 = A. (2 点)

(2) #2 が最大なので, 偏差の最大値は 44 - 37 = 7.0. (1 点)

B = (02 + 72 + 32 + 22 + 72 + 42 + 12 + 42 + 42 + 02)/10 = 160/10 = 16.00. (1 点)

C = √B = 4.0. (2 点)

(3) F < E < 43 < D だから z < y < 0 < x.
x + y + z = 0 (1 点)
x - z = 7 (1 点)
x2 + y2 + z2 = 6.5・4 = 26. (1 点)

一番目と二番目を足して 2x + y = 7. 従って y = 7 - 2x. 二番目から z = x - 7.
これらを三番目の式に代入すると
x2 + 4x2 - 28x + 49 + x2 - 14x + 49 = 26.
6x2 - 42x + 72 = 0.
x2 - 7x + 12 = 0
(x - 3)(x - 4) = 0.
x = 3 とすると y = 1, z = -4 だが y < 0 のはずだったので不適。
x =4 とすると y = -1, z = -3 で適。
従って D = x + 43 = 47, (1 点)
E = y + 43 = 42, (1 点)
F = z + 43 = 40. (1 点)

(4) 3 の分布図にみられる (44, 24) となるべき人物は存在しない。
1 の分布図にみられる (43, 33) となるべき人物も存在しない。
0 と 2 を見比べると (33, 41) が 0 にいて 2 にいない。 その代わりに (33, 33) が 0 にはいなくて 2 にはいる。
調べてみると (33, 33) は存在するが (33, 41) は存在しないので, 2. (2 点)
0. (2 点)

(5) 各々小数第二位迄計算してみると
#1 r = 12.12,
#2 r = 0,
#3 r = 13.33,
#4 r = -7.89,
#5 r = 3.44,
#7 r = -4.65,
#10 r = 11.76,
#11 r = 0,
#13 r = 13.89,
#14 r = 23.33.
従って G は 3, H は 4. (両方出来て 2 点)
因みに I は 1.


最初と (5) の計算が面倒。
(5) は今年も変な問題。


第六問 (選択 20 点)

(1) 6→3→10→5→16→8→4→2→1
なので F(6) = 8. (2 点)

11→17→52→26→13→40→20→10→5→16→8→4→2→1
だから F(11) = 14. (2 点)
(10 から以下が同じであることに注目)

(2) エ: 終了条件なので 210 行, つまり 5. (2 点)
オ: 140 行が, I が偶数である場合なので 6. (2 点)
カ: カウントアップになるので 4. (2 点)
キ: 190 行に 160 行からも飛んできている。 従って 1. (2 点)

180 行は奇数になる所 (最後の 1 は除く) なので
24→12→6→3→10→5→16→8→4→2→1
より二か所だから, 2 回。 (2 点)

(3) ケ: 210 行では F(N) ≦ 10 となるべきなのだから 4. (2 点)
コ: 次の N に進むので 3 回。 (2 点)

実際に計算してみる。
N = 1 では F(1) = 0.
N = 2 では F(2) = 1.
N = 3 では 6 の場合を見ると F(3) = F(6) - 1 = 7.
N = 4 では 6 の場合に既に現れていて F(4) = 2.
N = 5 も 6 の場合に表れていて, F(5) = 5.
N = 6 は既に計算していて F(6) = 8.
N = 7 では 7→22→11 で, F(11) は計算しているから, F(7) = F(11) + 2 = 16 > 10.
N = 8 も既に 6 の場合に表れていて F(8) = 3.
N = 9 では 9→28→14→7 だから F(9) = F(7) + 3 = 19 > 10.
N = 10 は既に 6 の場合に表れていて F(10) = 6.
以上より N = 7, 9 以外は出力されるから, 実行回数は 8 回。 (2 点)


今回も極めて自然。 しかもそれほど難しくない。
これは有名なコラッツ予想に関する問題。


去年より易しいと思われるのに平均点が下がっている。 どうして?


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