2013 年 数学 I ・ A 解答と解説


第一問 (20 点)

[1] AB = 1/(((1 + √6) + √3)((1 + √6) - √3))
= 1/((1 + √6)2 - 3) (2 点)
= 1/(7 + 2(√6) - 3) = 1/(4 + 2√6)
= 1/(2(2 + √6)) = ((√6 - 2)/(2(6 - 4)))
= ((√6) - 2)/4. (3 点)

1/A + 1/B  = 1 + (√3) + (√6) + 1 - (√3) + √6
= 2 + 2√6.  (2 点)

1/A + 1/B = (A + B)/(AB) なので
A + B = AB(1/A + 1/B) = ((√6 - 2)/4)・2(1 + √6) = (6 - 2 - √6)/2
= (4 - √6)/2. (3 点)


教科書 level 驚くべき簡単さ。 これが出来ないようではもうお終い。


[2] 以下では否定の記号として`p の代わりに ¬p と書くことにする。

(1) ¬(p or q) ⇒ ¬r 即ち (¬p & ¬q) ⇒ ¬r だから 1. (3 点)

(2) p or q ⇒ r とは
「三つの内角がすべて異なっているか直角三角形ではない三角形 ⇒ 45°の内角は一つもない」
の反例は, 三つの内角がすべて異なっていて 45°の内角が少なくとも一つあるものと, 直角三角形ではないが 45°の内角があるものなので 14. (各 2 点)

(3) (2) より 「p or q ⇒ r」 は偽である。
一方 「r ⇒ p or q」 とは 「45°の内角が一つもない ⇒ 三つの内角がすべて異なる か 直角ではない三角形」
これの対偶は 「直角二等辺三角形 ⇒ 45°の内角がある」 だから真。
従って, 2. (3 点)


(3) が少しややこしくて難しいか。
(1) は基本問題。


第二問 (25 点)

P(-8 + 2t, 8 - 2t), Q(t, 10t) である。
P = O だから -8 + 2t = 8 - 2t = 0. 即ち t = 4. (3 点)

(1) P'(-8 + 2t, 0), Q'(t, 0).
△OPP' も △OQQ' も共に直角三角形なので
S = (8 - 2t)2/2 + t・10t/2
= 2(t - 4)2 + 5t2 = 7t2 - 16t + 32. (3 点)
= 7(t2 - (16/7)t) + 32
= 7(t - 8/7)2 - 64/7 + 32
= 7(t - 8/7)2 - 32・2/7 + 32・7/7
= 7(t - 8/7)2 + 32・5/7
= 7(t - 8/7)2 + 160/7.
より S は t = 8/7 で最小値 160/7 を採る。 (各 3 点)

区間 I: a ≦ t ≦ a + 1 とする。

(i) S が t = 8/7 で最小となるということは a ≦ 8/7 ≦ a + 1 であるから
1/7 ≦ a ≦ 8/7. (3 点)

(ii) S が t = a (区間 I の左端) で最大ということは, t = 8/7 が区間 I の中央より右ということだから
a + 1/2 ≦ 8/7 即ち a ≦ 8/7 - 1/2 = (16 - 7)/14 = 9/14. (3 点)

(2) O を通る二次函数が y = 2x2 を平行移動したものだとすれば, それは
y = -2x2 + bx
という形をしている。 二点 P, Q を通るので
8 - 2t = 2(-8 + 2t)2 + b(-8 + 2t)
   10t = 2t2 + bt.

下の方の式から 2t2 - 10t + bt = 0.
t > 0 だから 2t = 10 - b 即ち t = (10 - b)/2 で
0 < t < 4 より 0 < 10 - b < 8. つまり -10 < -b < -2 即ち 2 < b < 10.
2t = 10 - b を上の方の式 (P を通る条件の式) に代入して
8 - (10 - b) = 2(-8 + 10 - b)2 + b(-8 + 10 - b)
-2 + b = 2(2 - b)2 + b(2 - b).
b > 2 なので
1 = 2(2 - b) - b
   = 2b - 4 - b
   = b - 4
従って b = 5. (適)
故に t = (10 - b)/2 = 5/2 (3 点) の時で, この時

y = 2x2 + 5x = 2(x2 + (5/2)x) = 2((x + 5/4)2 - 25/16) = 2(x + 5/4)2 - 25/8
だから x 軸方向に -5/4, y 軸方向に -25/8 平行移動する。 (各 2 点, 計 4 点)


定番だが (1) (ii) とか (2) の置き方とかに慣れてないと大変かもしれない。
(2) は効率良い計算を普段から心がけておくことが必要であろう。


第三問 (30 点) 図を描きながらやること。

△APO で三平方の定理より
AP =√(32 + 12) = √10. (3 点)

AD = AO = 3 で,
AP と OD の交点を X とすると
△AOP ∽ △OXP なので
OX : AO = OP : AP
OX = AO・OP/AP
OD = 2AO・OP/AP
     = 2・3・1/√10
     = 2・3(√10)/10
     = 3(√10)/5. (3 点).

更に (第二) 余弦定理より
cos∠OAD = (2OA2 - OD2)/(2OA2)
= 1 - OD2/(2OA2) = 1 - 36/(10・2・9)
= 1 - 1/5 = 4/5. (2 点).

Thales の定理より ∠ACB = ∠R だから
AC = AB cos∠OAD = 6・4/5 = 24/5. (2 点)

sin A = √(1 - cos2A) = 3/5 なので,
△ABC = (1/2)・6・(24/5)・(3/5) = 216/25. (3 点)

BC = AB sin A = 6・3/5 = 18/5.
S = (a + b + c)r/2 より
r = 2S/(a + b + c) = 2・216/25/(6 + 24/5 + 18/9) = (216/5)/(15 + 12 + 9) = 72/(5・(5 + 4 + 9)) = 72/(5・12)
= 6/5. (3 点)

(1) RQ = AC - 2r = 24/5 - 2・6/5 = 12/5. (3 点)
で RQ = 2r だから, この二つの円は外接。 即ち 2. (4 点)

(2) AQ = √((6/5)2 + (18/5)2)
          = (6/5)√(1 + 32)
          = 6(√10)/5. (2 点)

円 P, Q が共に線分 AB, AC に接していることから, 三点 A, P, Q は共線だから
PQ = AQ - AP
     = 6(√10)/5 - √10
     = (√10)/5. (3 点)

12/5 - 1 = 7/5 > (√10)/5 つまり
(円 P の半径) - (円 Q の半径) > 中心間の距離
だから円 P は円Q の内部に含まれるので 2. (3 点)


図を描きながらやらないと難しい。
円の半径と中心間距離の関係が出たのは初めてなので, 今後は要注意かも。


第四問 (25 点)

(1) 44 = 28 = 210 - 2 = 1024/4 = 256 (3 点)

(2) 4P4 = 4・3・2・1 = 24. (3 点)

(3) (i) 4C2 = 4・3/(2・1) = 6. (2 点)

(ii) 4C2 = 6. (2 点)

(iii) 6・6 = 36. (2 点)

(4) (i) 9 点は 4/256 = 1/64. (2 点)
3 点は (3) より 36/256 = 9/64. (2 点)

(ii) 2 点は, (三回になるものの個数)・(一回になるものの個数)・(一回になる位の個数) で決まるので
    4・3・4/256 = 3/16. (3 点)
1 点は (二回になるものの個数)・(二回になる位の選び方)・(残り二つの決め方) で決まるので
   4・4C23P2/256 = 4・6・3・2/256 = 9/16. (4 点)

(iii) 9・1/64 + 3・9/64 + 2・3/16 + 9/16  (9 + 27)/64 + (6 + 9)/16
= 36/64 + 15/16 = (9 + 15)/16 = 24/16 = 3/2 [点]. (2 点)


昨年に引き続き簡単だった。 ケアレスミスに気を付けて計算することが重要である。


今年の数学 I ・ A は簡単だった去年よりも更に簡単になった。
難しいとすれば図形の第三問だけ。 図形問題に慣れておくことが必要か。
ケアレスミスが致命的だったのではないかと思われる。


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