初めに


近年の日本の初等中等教育 --- というのは小学校から高校までのこと --- の数学教育のレベルダウンにははっきり言って非常に残念なものがある。それは, 単なる私の懐古趣味ではない。かつて世界でトップレベルを誇っていた日本の, 工業立国としての地位は恐らくこのままでは 10 年と持たないであろう。

そこで, はなはだ不満を抱きながら日々の授業を高校でやっていたわけだが, あまりにも不満がつのるので, ついに, 自分で勝手に高校程度の数学のサイトを作ることにしたわけである。--- どうせ, 私に 「本を書いてみませんか ?」 などというやからはいないに決まっているから (笑)。

このサイトの読者対象はとりあえず, 中学卒業程度の数学の知識をもっていると仮定した。勿論, これを読んでいるあなたが, その知識がないからといって門前払いを受けると考えなくて良い。 ただ単にその辺に目標を設定したというに過ぎないので, 分からないことがあったらとにかくどんどん質問していただきたいのである。

末綱恕一という --- その道では --- 有名な数学者が, 「微分積分学は二度学習しなければ分からない」 と言っているそうであるが, 私の感じでは --- ただ単に私に才能がないだけかもしれないが --- 二度学習したくらいで分かるものではない。 やっぱりこれは何度も何度も繰り返し勉強するものであるように思われる。 現に, 伝統的な高校の微分積分だって, 二年生のときと, 三年生のときと, 分けて学習しているではないか。大学でも, 一年生から四年生までずっと別々の解析学 --- それは微分積分学の別名だが --- の講義が置かれている。 微分積分はとっつきやすいが, 深遠を極めるのは難しい ! だから途中で分からなくなっても気を落とさずに頑張ろう。 分からなくなったら, 「分からなくなった所から」 ではなく, 分かっていたはずの所から, もう一度やればいいのだ。 私もずっとそうしてきた。 今でもそうだ。道は長いけれども頑張ろう。 時には, 分からないことに目をつぶって, 先に進むことも必要かもしれない。 フランスのアダマール先生はそういう意見である。

では, いっしょに勉強しましょう。