1998 年の大学入試の類題
[1] 三重大学
以下では複素数の偏角 θ は 0°≦ θ < 360°の範囲で考えるものとする。
z1 = 5 + 6i, z2 = 3 + 2i と置く。 この時,
(1) 曲線 |z - α| = r が z1, z2 及び i を通るように複素数 α と実数 r を定めよ。
(2) arg((z1 - z)/(z2 - z)) = 90° を満たす z の範囲を図示せよ。
(3) |z| = 1 の条件のもとで arg((z1 - z)/(z2 - z)) を最大とする z を求めよ。
略解:
(1) α = 6i, r = 5.
(2) z1, z2 を直径とする円の内, z2 から z1 に時計回りに回る方向の半円で両端を含まない。
(3) (1) で求めた円と単位円が i で外接する。 z = i の時, arg((z1 - z)/(z2 - z)) は最大である。
[2] 岡山大学理系
複素平面上で
z0 = 2(cos θ + i sin θ) (0°< θ < 90°)
z1 = ((1 - (√3)i)/4)z0, z2 = -1/z0
を表す点をそれぞれ P0, P1, P2 とする。
(1) z1 を極形式で表せ。
(2) z2 を極形式で表せ。
(3) 原点 O, P0, P1, P2 の 4 点が同一円周上にあるときの z0
の値を求めよ。
略解:
(1) z1 = cos(θ - 60°) + i sin(θ - 60°).
(2) z2 = (1/2)(cos(180°- θ) + i sin(180°- θ)).
(3) OP0 = 2, OP1 = 1, ∠P0OP1 = 60°から ∠OP1P0 = 90°が言えて, この円は |z - z0/2| = 1 であることが分かる。 ここに z = z2 を代入して θ が鋭角であることを用いて
z0 = (√6)/2 + (√10)i/2.