2006 年 数学 I ・ A 解答と解説


第一問 (25 点)

[1] 解の公式から x = (3 ± √(9 + 4))/2 = (3 ± √13)/2.

従って α = (3 + √13)/2 (3 点), β = (3 - √13)/2.

ここで 9 < 13 < 16 より 3 < √13 < 4.
6 < 3 + √13 < 7 (辺々 2 で割って)
3 < α  < 7/2 < 4 だから m = 3. (2 点)

同様にして -4 < -√13 < -3.
-1 < 3 - √13 < 0.
-1 < -1/2 < β < 1 だから n = -1. (2 点)

α + 1/α
= (3 + √13)/2 + 2/(3 + √13)
= (3 + √13)/2 + 2(√13 - 3)/(13 - 9)
= (3 + √13)/2 + (√13 - 3)/2
= √13. (3 点)

α2 + 1/α2
= (α + 1/α)2 - 2
= 13 - 2 = 11.

α3 + 1/α3
= (α + 1/α)(α2 - 1 + 1/α2)
= (√13)×10 = 1013. (3 点)


教科書 level で易しい。


[2]

(1)`p : ¬「a は有理数 ∧ b は有理数」
⇔ ¬「a は有理数」 ∨ ¬「b は有理数」
⇔ 「a は無理数」 ∨ 「b は無理数」

だから 3 (a, b の少なくとも一方は有理数). (4 点)

(2) q ∧ r : a + b, ab, a/b は全て有理数。
p: a, b は共に有理数。

p ⇒ q ∧ r  は明らかに成立。
q ∧ r ⇒ p の反例は a = √2, b = -√2.
だから 1 (必要条件であるが十分条件ではない). (4 点)

(3) p ⇒ q は真。 従って 0 から 3 のどれか。
p ⇒ q の逆は q ⇒ p で, (2) により反例があるから偽。 つまり 2 か 3.
対偶は元の命題と常に真偽が等しいから, 真。 つまり 2. (4 点)


(2) はよく出ている例。
(3) は面倒なだけで, 一つ一つの命題の真偽を check すれば解ける。


第二問 (25 点)

6x2 + 11x - 10 ≦ 0 だから (3x - 2)(2x + 5) ≦ 0. 即ち -5/2 ≦ x ≦ 2/3. (4 点)

G: y = 6(x - a)2 + 11(x - a) - 10 + b.

(0, 0) を通るから 6a2 - 11a - 10 + b = 0 即ち
b = -6a2 + 11a + 10. (4 点)

上記 G の式に代入して
y = 6(x2 - 2ax) + 11x = 6x2 - (12a - 11)x. (4 点)

この式で
x = -2 ⇒ y = 6×4 + 2(12a - 11) = 24 + 24a - 22 = 24a + 2.
x = 3 ⇒ y = 54 - 3(12a - 11) = 54 + 36a + 33 = -36a + 87.

これらが等しいから 24a + 2 = -36a + 87.
60a = 85.
a = 85/60 = 17/12. (5 点)

このとき x = -2, 3 の時の y の値は y = 24×17/12 + 2 = 34 + 2 = 36.

又 y = 6x2 - (17 - 11)x
= 6x2 - 6x = 6(x2 - x)
= 6((x - 1/2)2 - 1/4)
= 6(x - 1/2)2 - 3/2.

従って -2 ≦ x ≦ 3 での
最小値 -3/2 (x = 1/2) (4 点), 最大値 36 (x = -2, 3) (4 点).


第三問 (25 点)

三平方の定理より
AB = √(AF2 - AE2) = √(64 - 10) = √54 = 3√6.
AD = √(AH2 - AE2) = √(100 - 10) = √90 = 3√10.
FH = √(BF2 - BH2) = √(AB2 - AD2) = 3√(6 + 10) = 3√16 = 12. (3 点)

余弦定理より
122 = 82 + 102 - 2×8×10 cos ∠FAH
22×36 = 22×16 + 22×25 - 2×2×4×2×5 cos ∠FAH
36 = 16 + 25 - 40 cos ∠FAH
40 cos ∠FAH = 16 + 25 - 36 = 5.
∴cos ∠FAH = 5/40 = 1/8. (4 点)

0°< ∠FAH < 180°だから
sin ∠FAH = √(1 - cos2 ∠FAH) = (√(64 - 1))/8 = (√63)/8 = 3(√7)/8.
∴△AFH = (1/2)AF・AHsin ∠FAH = (1/2)×8×10×3(√7)/8 = 157. (4 点)

R は二つの頂角の二等分線の交点だから内心 2 である (3 点)。

AP : PH = AF : FH = 8 : 12 = 2 : 3 より
AP = (2/5)×10 = 4. (3 点)

Menelaus の定理 により
(HA/AP)・(PR/RF)・(FQ/QH) = 1.
(5/2)・(PR/RF)・(4/5) = 1.
∴PR/RF = 1/2.

従って PF : PR = 3 : 1. (3 点)

四面体 EAPR
= (1/3)・(四面体 EAFP)
= (1/3)・(2/5)(四面体 EAHA)
= (1/3)・(2/5)・((1/3)・((1/2)・3(√6)・(3√10)・√10))
= (1/5)・10√6 = 26. (5 点)


あわてん坊の私は, ここで選択問題がなくなっていることに気付いた。
新課程だから A は教科書に載っていることをすべてやるのだということを, 今更のように思い出した。

問題としては難しくはないが, 立体に慣れていないと難しく感じたかもしれない。


第四問 (25 点)

(1) 34 = 81 [通り]. (4 点)

これを全体から引けば良いから
44 - 34 = 256 - 81 = 175 [通り]. (4 点)

(2) a, b, c については 1, 2, 3, 4 の一つだけは参加しないから 4 通り。
その各々について d は何でも良いから 4 通り。
従って, 全部で 4 × 4 = 16 [通り]. (4 点)

(3)
(i) 得点が 1 ということは d - a + 1 = 1 より a = d でなければならないから, a = b = c = d なので 4 通り。 つまり
4/44 = 1/43 = 1/64. (4 点)

得点が 4 ということは d - a + 1 = 4, 即ち d = a + 3, つまり a = 1, d = 4 しかあり得ない。 この時 b ≦ c であれば良いから
4C2 + 4 = 2×3/(2×1) + 4 = 6 + 4 = 10 [通り].
従って 10/44 = 5/(43×2) = 5/128. (4 点)

(ii) 2 点の時は d = a + 1 で (a, d) = (1, 2), (2, 3), (3, 4), (3, 4) の 3 通り。
a ≦ b ≦ c ≦ d を考えると
a = b = c < d,
a = b < c = d,
a < b = c = d の 3 通り。
都合 3 × 3 = 9 [通り].

3 点の時は d = a + 2 で (a, d) = (1, 3), (2, 4) の 2 通り。
同様にして
a = b = c < d,
a = b < c < d,
a = b < c = d,
a < b < c = d,
a < b = c < d,
a < b = c = d の 6 通り。
都合 2 × 6 = 12 [通り].

従って, 期待値は
1/64 + 2×9/256 + 3×12/256 + 4×5/128
= (2 + 9 + 18 + 20)/128 = 49/128. (5 点)


これも (ii) の 3 点の時が難しいだけで後は大したことはない。
新課程になって, 少し易しくなったようである。


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