2008 年 数学 I ・ A 解答と解説


第一問 (20 点)

[1] 先ず, 図を描いてみると直ぐ分るが, 台形 PBCR と台形 RDAP は合同で, 従って長方形 ABCD を二等分している。 従って
台形 PBCR =(1/2)8・12 = 48 (3 点).

S = △PQR = 台形 PBCR - △PBQ - △QCR
 = 48 - x(8 - x)/2 -x(12 - x)/2
 = 48 - x(8 - x + 12 - x)/2
 = 48 - x(20 - 2x)/2
 = 48 - x(10 - x) = x2 - 10x + 48 (3 点).

S = x2 - 10x + 48 < 24
x2 - 10x + 24 < 0
(x - 4)(x - 6) < 0
故に 4 < x < 6 (0 < x < 8 だから適) (4 点).


驚くほど簡単。


[2] ここでは n が p で割り切れることを p|n と書く (正式な数学記号)。
命題 p の否定は

p⇒r とは 2|(m + n)⇒(2|m & 4|n) だが, これは偽である。 反例は例えば m = 3, n = 5.
一方 r⇒p とは (2|m & 4|n)⇒2|(m + n) であるが, これは明らかに真。 従って 1 (必要条件だが十分条件ではない) (2 点).

この`p と`r の関係は丁度 上記の対偶を考えればいいのだから, 十分条件であるが必要条件ではない。 即ち 2 (3 点).

(p & q)⇒r とは (2|(m + n) & 4|n)⇒(2|m & 4|n) で, これは真である。
r⇒(p & q) とは (2|m & 4|n)⇒(2|(m + n) & 4|n) で, これも真であるから, 必要十分条件である。 即ち 0 (3 点).

(p or q)⇒r とは即ち (2|(m + n) or 4|n)⇒(2|m & 4|n) でこれは偽である。 反例は例えば n = 4, m = 5.
r⇒(p or q) は, そもそも, 上記で r⇒(p & q) が真が分っていて, 明らかに (p & q)⇒(p or q) は真だから (cut, 或いは三段論法によって) r⇒(p or q) も真。 だから必要条件であるが十分条件ではない。 即ち 1 (2 点).


面倒なだけで普通。 昨年度のものよりは難しいか。


第二問 (25 点)

(1) 式が (-2, 6) を通るので代入して

6  = 4a + 2b - a + b
 = 3a + 3b.
2 = a + b より
b = -a + 2 (2 点).

よって (a ≠ 0 だから)
y = ax2 - (-a + 2)x - a - a + 2
 = ax2 + (a - 2)x - 2a + 2
 = a(x2 + ((a - 2)/a)x) - 2a + 2
 = a((x + (a - 2)/(2a))2 - (a2 - 4a + 4)/(4a2)) - 2a + 2
 = a(x + (a - 2)/(2a))2 - (a2 - 4a + 4)/(4a) - 2a + 2
 = a(x + (a - 2)/(2a))2 - (a2 - 4a + 4 + 8a2 - 8a)/(4a)
 = a(x + (a - 2)/(2a))2 - (9a2 - 12a + 4)/(4a)
 = a(x + (a - 2)/(2a))2 - (3a - 2)2/(4a)
なので頂点は ((-a + 2)/(2a), -(3a - 2)2/(4a)). (3 点)

仮定により -(3a - 2)2/(4a) = -2 と置く。 即ち
-(3a - 2)2 = -8a
(3a - 2)2 = 8a
9a2 - 12a + 4 = 8a
9a2 - 20a + 4 = 0
(9a - 2)(a - 2) = 0.
故に a = 2, 2/9. (3 点)

以下 a = 2/9. このとき頂点の x 座標は
(-(2/9) + 2)/(2・2/9) = (-2 + 18)/4 = 16/4 = 4 (2 点).
(1) 式から
y = (2/9)(x - 4)2 - 2 = 0
と置くと
(2/9)(x - 4)2 = 2
(x - 4)2 = 9
x - 4 = ±3
x = 4±3
即ち x = 1, 7. (3 点, 逆も可)

頂点の x 座標が区間 0 ≦ x ≦ 9 に入っていて, 二次の係数 2/9 > 0, しかも頂点のx 座標 4 が区間の端点 0 と 9 だと 0 の方に近いことより
x = 4 (2 点) のとき最小値 -2 (2 点) を採り
x = 9 (2 点) のとき最大値 32/9 (3 点) を採る。


これも非常に簡単。


第三問 (30 点) 図を描きながらやること。

(第二) 余弦定理より
CA2 = 49 + 32 - 2・7・4(√2)cos45°
 = 49 + 32 - 2・7・4(√2)・(1/√2)
 = 49 + 32 - 56
 = 25.
CA > 0 より CA = 5 (3 点).

正弦定理より外接円の半径を R とすると
2R = AC/sin∠ABC = 5/sin45°= 5√2.
故に R = (5/2)√2 (3 点).

円周角定理より
∠ADC = ∠ABC = 45°(2 点).
(第二) 余弦定理より
25 = 10 + x2 - 2(√10)x・1/√2
 = 10 + x2 - 2(√5)x
故に x2 - 2(√5)x - 15 = 0. (3 点)
x2 - 2(√5)x - 3(√5)2 = 0
(x + √5)(x - 3√5) = 0.
x > 0 より AD = x = 35 (2 点).

接弦定理より ∠CAE = ∠ADE 即ち 1 (3 点

従って ∠E 共通で △ACE∽△DAE 即ち 2 (2 点).

よって AE:EC = 3√5:5
AE = (3/5)(√5)EC (3 点).

又, AE:DE = CE:AE
即ち EA2 = ED・EC つまり 5 (3 点).

ED = EC + √10 だから
(9/5)EC2 = (EC + √10)EC
(9/5)EC2 = EC2 + (√10)EC
(4/5)EC2 = (√10)EC
EC > 0 より EC = (5/4)√10.
AE = (3/5)(√5)・(5/4)√10 = (15/4)√2 (3 点).

△ACE = (1/2)AC・AEsin∠CAE
 = (1/2)・5・(15/4)√2・1/√2 = 75/8 (3 点).


図を描きながらやれば難しくない。


第四問 (25 点)

(1) AAA は 23 = 8 通り (3 点).
AB となるのは一回目が空, 二回目が A, 三回目が B となるときだけなのでやはり 23 = 8 通り (3 点).

(2) 以下では☆で A または B の何れか一文字を表す記号とする。 又 # を削除記号とする。
A となるのは A☆#, ☆#A, 空空A のどれかだから
2/27 + 2/27 + 1/27 = 5/27. (3 点)

空文字列になる確率は
空空空, 空☆#, ☆#空のどれかなので, 1/27 + 2/27 + 2/27 = 5/27. (4 点)

(3) 文字の字数が 3 ということは ☆☆☆ だから (2/3)3 = 8/27. (4 点)
文字数が 2 ということは 空☆☆だから (1/3)・(2/3)2 = 4/27. (4 点)

一文字になるのは (2) の前半と同様に考えればいいから
1・10/27 + 2・4/27 + 3・8/27 = (10 + 8 + 24)/27 = 42/27 = 14/9. (4 点)


5, 6 の目の時が, 空列になったり, 削除記号になったりするので一寸ややこしいが, 落ち着いてやればいい。

(2) さえ間違えなければ難しくない。 (2) がそういう意味では難しい。


今年の数学 I ・ A は一寸簡単過ぎたかもしれない。
案が出ているように, これが高校卒業判定テストならこれで十分だと思うが, 大学入試問題としてはあまりにも易しい。


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