2009 年数学 II ・ B 解答と解説


第一問 (必答 30 点)

[1] 底 2 > 1 より

s = log2x ≧ log22 = 1 (1 点),
t = log2y ≧ log22 = 1 で
s + t = log2x + log2y = log2(xy)
だから
log28 ≦ log2(xy) ≦ log216
即ち
3 ≦ s + t ≦ 4. (各 2 点)

z = log2√x + log2y = (1/2)log2x + log2y = (1/2)s + t. (2 点)
k = (1/2)s + t と置くと, t = (-1/2)s + k なので, 上記の領域を st 平面に描き, そこをこの直線が通過する時の k の最大値を求めれば良い。
この領域は等脚台形で, 頂点が (1, 2), (2, 1), (1, 3), (3, 1) なので, 調べてみると, z は s = 1, t = 3 の時最大で (各 2 点) 最大値は
1/2 + 3 = 7/2 (2 点)
この時 x = 2s = 2, y = 2t = 8. (各 1 点)


基本的で難しくないと思われる。


[2] 二倍角の公式 cos 2θ = 1 - 2sin2θ より
5sinθ - 3(1 - 2sin2θ) = 3
5sinθ - 3 + 6sin2θ = 3
6sin2θ + 5sinθ - 6 = 0 (2 点)
(2sinθ + 3)(3sinθ - 2) = 0.
sinθ = -3/2, 2/3.
-1 ≦ sinθ ≦ 1 より sinθ =2/3. (3 点)

cosθ = ±√(1 - sin2θ) = ±(√(9 - 4))/3 = ±(√5)/3.
ここで 0 ≦ θ < 2 π で, sinθ > 0 だから実は 0 < sinθ < π で, この範囲で, cosθ は狭義単調減少であるから 0 < θ1 < θ2 < π で,
cosθ1 = (√5)/3  (2 点), cosθ2 = -(√5)/3 (1 点).

さて, 選択肢に出てくる角度は π/12 < π/6 < π/5 < π/4 < π/3 < π/2 であり, cosθ はここで狭義単調減少に注目する。

cosθ1 = (√5)/3 ≒ 2.236/3 ≒ 0.7453.

cos(π/12) = (√6 + √2)/4 ≒ (2.449 + 1.414)/4 = 1.9315.
cos(π/6) = (√3)/2 ≒ 1.732/2 = 0.866.
cos(π/5) = (1 + √5)/4 ≒ (1 + 2.236)/4 = 0.809.
cos(π/4) = (√2)/2 ≒ 1.414/2 = 0.707.
cos(π/3) = 1/2 = 0.5
cos(π/2) = 0.

従って, cos(π/5) > cosθ1 > cos(π/4).
つまり π/5 < θ1 < π/4. 即ち 3. (4 点)

さて cosθ の対称性から θ2 = π - θ1 である。

-π/5 > -θ1 > π/4
(3/4)π < θ2 < (4/5)π だから

(3/5)π < 3θ1 < (3/4)π < θ2 で, (3/4)π < θ2 < (4/5)π < 4θ1 < π となる。
だから nθ1 > θ2 を満たす自然数 n の内最小のものは 4. (3 点)


最後の所だけは一寸難しいかもしれないが, hint が与えられているので, じっくり考えれば分かるだろう。


第二問 (必答 30 点)

(1) Q が AP の中点なので
u = (x + 1)/2, v = (y - 2)/2. (x 座標, y 座標各 2 点).

これらを v = 2u2 に代入して

(y - 2)/2 = 2((x + 1)/2)2
      = (x + 1)2/2.

つまり y - 2 = x2 + 2x + 1 だから
D: y = x2 + 2x + 3. (3 点)

C, D を連立させて
2x2 = x2 + 2x + 3.
x2 - 2x - 3 = 0.
(x + 1)(x - 3) = 0.
即ち x = -1, 3. (各 3 点)

D で y' = 2x + 2.
y'x=-1= 0 なので R では y = 2 (2 点).
y'x=3= 8 なので S では y = 8(x - 3) + 18 = 8x - 6. (2 点)

さて, P(a, a2 + 2a + 3), R(-1, 2), H(a, 2a2) である。
従って PH を底辺としてみれば
S(a) = (1/2)(a + 1)(-a2 + 2a + 3)
= (1/2)(-a3 + a2 + 5a + 3). (4 点)

S'(a) = (1/2)(-3a2 + 2a + 5)
= -(1/2)(3a2 - 2a - 5)
= (-1/2)(3a + 5)(a+1).
より (増減表を書いて) a = 5/3 で最大値を迎える。 (3 点)

このとき, H(5/3, 50/9) で, 直線 HR は (公式により)
y = ((50/9 - 2)/(5/3 + 1))(x + 1) + 2
= (4/3)(x + 1) + 2
= (4/3)x + 10/3.

これを D の式に代入して
x2 + 2x + 3 = (4/3)x + 10/3
3x2 + 6x + 9 = 4x + 10.
3x2 + 2x - 1 = 0
(3x - 1)(x + 1) = 0.
x = 1/3, -1 なので R ではない方は x = 1/3. (3 点)

よって求める面積は
1/35/3(x2 + 2x + 3 - ((4/3)x + 10/3))dx
= (1/3)∫1/35/3(3x2 + 2x - 1)dx
= (1/3)[x3 + x2 - x]1/35/3
= (1/3)((125 -1)/27 + (25 - 1)/9 - (5 - 1)/3)
= (1/3) (124/27 + 24/9) - 4/3)
= (4/3)(31/27 + 6/9 - 1/3)
= (4/3)((31 + 18 - 9)/27
= (4・40)/(3・27)
= 160/81. (5 点)


焦らなければ簡単だが, 僕は急いで計算した為にかなり計算間違いをしてしまった。
落ち着いて計算しよう。


第三問 (選択 20 点)

(1) an = 1/3n-1.
bn = a2n = 1/32n-1.
だから, 初項は 1/3, 公比は 1/9 (各 2 点).

故に
Tn = (1/3)(1 - 1/9n)/(1 - 1/9)  (1/3)・(9/8)・(1 - 1/9n)
  = (3/8)(1 - 1/9n). (3 点)

b1b2…bn = (1/3)(1/33)…(1/32n-1)
= 1/3(1 + 3 + … (2n - 1)) = 1/3n2. (3 点)

(2) cn = 2n・bn.
cn+1 = 2(n+1)・bn+1 = (2/9)(n + 1)bn.
9cn+1 - cn = 2(n + 1)bn - 2n・bn.
       = 2bn. (3 点)

従って
Σk=1n(9ck+1 + ck) = 9(Un - c1 + cn+1) - Un
           = 8Un + 9cn+1 - 9c1. (3 点)
従って 8Un + 9cn+1 - 9c1 = 2Tn だから, これらから
Un = (1/8)(2Tn - 9cn+1 + 9c1)
= (1/8)(2・(3/8)(1 - 1/9n) - 9・(2/9)(n + 1)(1/32n-1) + 9・2・1/3)
= (1/8)((3/4)(1 - 1/9n) - 2(n + 1)・3/9n + 6)
= (1/8)(3/4 - (3/4)(1/9n) -6(n + 1)・(1/9n) + 6)
= (1/8)(27/4 - ((24(n + 1) + 3)/4)(1/9n))
= (27/32) - ((24n + 27)/32)・(1/9n) (第一項と第二項で各々 2 点)


簡単だが, 記述の仕方が一寸変な問題。


第四問 (選択 20 点)

本問では vectors はすべて太字斜体を用いる。

(1) BC = (0, 2, 0) - (1, 0, 1) = (-1, 2, 0),
BA = (0, 0, 1) - (1, 0, 0) = (-1, 0, 1)
だから BCBA = 1 (2 点).

従って
△ABC = (1/2)√(|BC|2|BA|2 - (BCBA)2)
= (1/2)√(5・2 - 1)
= (√9)/2 = 3/2. (3 点).

(2) [上記の図を見ながら解いた方がいい。 因みにクリックすると拡大します]
BB1
= av. (2 点)
OA1 = OA + BB1 = OA + av.
OP = OB + BB1 + bBA
 = OB + bu + av.
OQ = OB + cu + (1 - c)v. (2 点)
上記より
P = Q ⇔ b = c & a = 1 - c.
故に b = c = -a + 1. (2 点)

P は AP を (2/3):(1/3) = 2:1 = 1:(1/2) に内分 (1 点)。

このとき,
OP = OB + (1 - a)u + av
だから AE を a : (1 - a) に内分する点で交わる。 (1 点)

同様にして, AD を a : (1 - a) に内分する点で交わる。 (3 点)

従って, 比率が同じなので (相似になって)
D1E1 = aDE. (サ, シは同時に出来なければいけないようである).

△A1B1C1≡△ABC ∽ △A1E1D1 であるから, 相似比を考えると
△A1B1C1 - △A1E1D1 = (3/2) - (3/2)a2 = (3/2)(1 - a2). (3 点).

v = BE だったから
B1D1 = BD1 - BB1
    = OD1 - OB - av
    = OD + (1 - a)DA - OB - av
    = (-1, 0, 0) + (1 - a)(1, 0, 1) - (1, 0, 0) - a(-1, -2, 0)
    = (-1, 2a, 1- a).

従って
|BD| = √(12 + 4a2 + (1 -a)2) = √(5a2 - 2a + 2). (2 点)


図を描かないでやると何をやっているかさっぱり分からないだろうが, 問題に描いてある図に, 上記のように書き込んでしまうと恐ろしく簡単。


第五問 (選択 20 点)

(1) 平均値は (40 + 63 + 59 + 35 + 43)/5 = 240/5 = 48.0. (2 点)

A = 45.0・10 - 240 - (51 + 57 + 32 + 34)
= 450 - 240 - 174
= 450 - 414
= 36. (2 点)

(2) II の一回目の数学の平均点は
(36 + 51 + 57 + 32 + 34)/5 = 210/5 = 42.0.
英語の平均点は
(48 + 46 + 71 + 65 + 50)/5 = 280/5 = 56.0.

従って, 相関係数の定義によって
(1/5)((36 - 42)(48 - 56) + (51 - 42)(46 - 56) + (57 - 42)(71 - 56) + (32 - 42)(65 - 56) + (34 - 42)(50 - 56))/101.2 = 0.278656... ≒ 0.28. (2 点)

(3) 一回目の英語の得点について, 分かっている人の得点を上から順に書くと
71, 65, 64, 55, 50, 48, 46, 43, 36 となる。
この時点での中央値は 50 である。
従って, B ≧ 55 の時, 48 ≦ B < 55 の時, B < 48 の時の三つの場合に別れ, 更に, 真ん中の場合は 49, 50, 51, 52, 53, 54 の六通りがあり得るから, 全部で 8 通り。 (2 点)

さて, 実際は E = 54 であったということなので, 平均値から考えて
B = 54・10 - 478 = 62. (1 点)

中央値は, (55 + 50)/2 = 105/2 = 52.5. (1 点)

(4) (60 +61 + 56 + 60 + c)/5 = (D + 54 + 59 + 49 + 57)/5 + 4.6
237 + C = D + 219 + 23
故に C - D = 219 + 23 - 237 = 5. (2 点)

(5) 一回目の暮らす全体の数学と英語の得点の相関図は (40, 43) がいる分布が 0 しかないので 0. (2 点)

同様に, 二回目のクラス全体の数学と英語の得点の相関図は (60, 54) と (60, 71) がいる分布を見て 1 (2 点)

0 と 1 の相関図を見て
0 より 1 の方が相関が高い, 即ち相関係数が大きい,
又, 0 には負の相関は認められないので 2 (0.20, 0.54) である。 (2 点)

(6) この操作で総得点は変わらないから, 平均点も変わらない。 従って 1. (1 点)

しかし, 全体的に平均点に寄って来たので, ばらつきは減っている。 つまり分散は減るので 0. (1 点)


相変わらず, 何を狙っているのか分らない出題。
(4) は電卓が欲しくなる。 面倒過ぎる。 他の選択問題とのバランスが悪い。
(5) は変な問題。


第六問 (選択 20 点)

(1) 150 行目: K が p 野係数であるから OK → K を出力する (210 行目) だから 4. (2 点)
170 行目: K = M*P + R である。 R = N*Q となるかどうかを以下で調べる。
      ということだから 150 行目を参照して同様のことをやらせる。 即ち 5. (2 点)
200 行目: 150 行目, 180 行目で成功するとここには達しない。
      つまり失敗した時次の K に行くので, 230 行目に飛ぶ。 即ち 5. (2 点)
220 行目: K の個数を数えるので U を count up する。 即ち a. (2 点)

(2) 実際にやってみると オ は 3*2 = 6 (1 点)
カキ は 3 + 7 = 10. (1 点)

総数は 3, 6, 7, 9, 10, 12, 13, ..., 100 なので, 100 - 6 = 94 [個] (2 点)

(3) 成功したら飛ばすので 230 行目に行く。 つまり 4. (2 点)

(4) 先ずは 130 行目と同様, 変数 V の初期化をするので 3. (2 点)

180 行目では, 変数 V の count up だから 8. (2 点)

220 行目では U を count up (U = V1 + V2 + … + Vd だから) 5. (2 点)


情報 C の問題だったら文句はないが, これは数学の問題なので, 果たしてこれが適当なのかどうか疑問。
唯, programming の試験としては極めて普通の問題。


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