2011 年数学 II ・ B 問題

Sunday, 16th January, 2011.
13:30 -- 14:30 (1hr)
平均 52.46


注:

第一問, 第二問は必答。
第三問から第六問のうちから二問選択。
計四問を解答。


第一問 (必答 30 点)

[1] -π/2 ≦ θ ≦ 0 の時, 函数

y = cos2θ + (√3)sin2θ - (2√3)cosθ - 2sinθ

の最小値を求めよう。
t = sinθ + (√3)cosθ と置くと,

t2 = [ ア ]cos2θ + [ イ ](√[ ウ ])sinθcosθ + [ エ ]

であるから

y = t2 - [ オ ]t - [ カ ]

となる。 又

t = [ キ ]sin(θ + π/[ ク ])

である。

θ + π/[ ク ] の採り得る値の範囲は

-π/[ ケ ] ≦ θ + π/[ ク ] ≦ π/[ ク ]

であるから, t の採り得る値の範囲は

[ コサ ] ≦ t ≦ [ シ ]

である。 従って, y は t = [ ス ], 即ち θ = -π/[ セ ] の時, 最小値 [ ソタ ] を採る。

[2] 自然数 x で, 条件

12(log2√x)2 - 7log4x - 10 > 7 ……………………(1)
x + log3x <14 ………………………………………(2)

を満たすものを求めよう。

先ず, x を正の実数として, 条件 (1) を考える。 (1) は X = log2√x と置くと

6X2 - [ チ ]X - [ ツテ ] > 0

となる。 この二次不等式を解くと

X < -[ ト ]/[ ナ ], [ ニ ]/[ ヌ ] < X

となる。 従って, 条件 (1) を満たす最小の自然数 x は [ ネ ] であり, [ ネ ] 以上の全ての自然数 x は (1) を満たす。

次に, 条件 (2) について考えると, (2) を満たす最大の自然数 x は [ ノハ ] であり, [ ノハ ] 以下の全ての自然数 x は (2) を満たす。
従って, 求める x は [ ネ ] 以上 [ ノハ ] 以下の自然数である。


第二問 (必答 30 点)

座標平面上で, 放物線 y = x2 を C とする。

曲線 C 上の点 P の x 座標を a とする。 点 P に於ける接線 l の方程式は

y = [ アイ ]x - a[ ウ ]

である。 a ≠ 0 の時直線 l が x 軸と交わる点を Q とすると, Q の座標は

([ エ ]/[ オ ], [ カ ])

である。

a > 0 の時, 曲線 C と直線 l 及び x 軸で囲まれた図形の面積を S とすると

S = a[ キ ]/[ クケ ]

である。

a < 0 の時, 曲線 C と直線 l 及び直線 x = 2 で囲まれた図形の面積を T とすると

T = -a3/[ コ ] + [ サ ]a2 - [ シ ]a + [ ス ]/[ セ ]

である。

a = 0 の時は S = 0, a = 2 の時は T = 0 であるとして, 0 ≦ a ≦ 2 に対して U = S + T と置く。 a がこの範囲を動く時, U は a = [ ソ ] で最大値 [ タ ]/[ チ ] を採り, a = [ ツ ]/[ テ ] で最小値 [ ト ]/[ ナニ ] を採る。


第三問 (選択 20 点)

数直線上で点 P に実数 a が対応している時, a を点 P の座標といい, 座標が a である点 P を P(a) で表す
数直線上に点 P1(1), P2(2) を採る。 線分 P1P2 を 3 : 1 に内分する点を P3 とする。 一般に, 自然数 n に対して, 線分 PnPn + 1 を 3 : 1 に内分する点を Pn + 2 とする。 点 Pn の座標を xn とする。

x1 = 2, x2 = 2 であり, x3 = [ ア ]/[ イ ] である。 数列 {xn} の一般項を求める為に, この数列の階差数列を考えよう。 自然数 n に対して yn = xn + 1 - xn とする。

y1 = [ ウ ], yn + 1 = ([ エオ ]/[ カ ])yn (n = 1, 2, 3, ...)

である。 従って yn = ([ エオ ]/[ カ ])[ キ ] (n = 1, 2, 3, ...) であり

xn = [ ク ]/[ ケ ] - ([ コ ]/[ ケ ])([ エオ ]/[ カ ])[ サ ] (n = 1, 2, 3, ...)

となる。 但し [ キ ], [ サ ] については, 当てはまるものを, 次の 0 から 3 のうちから一つずつ選べ。 同じ物を繰り返し選んでも良い。

0 n - 1  1 n  2 n + 1  3 n + 2

次に, 自然数 n に対して Sn = Σk = 1n k|yk| を求めよう。 r = |[ エオ ]/[ カ ]| と置くと

Sn - rSn = Σk = 1[ シ ] rk - 1 - nr[ ス ] (n = 1, 2, 3, ...)

であり, 従って

Sn = ([ セソ ])/[ タ ])(1 - (1/[ チ ])[ ツ ]) - (n/[ テ ])(1/[ ト ])[ ナ ]

となる。

但し, [ シ ], [ ス ], [ ツ ], [ ナ ] については, 当てはまるものを, 次の 0 から 3 の内から一つずつ選べ。 同じものを繰り返し選んでも良い

0 n - 1  1 n  2 n + 1  3 n + 2


第四問 (選択 20 点)

本問では vectors はすべて太字斜体を用いる。

四角 (すい) OABCD に於いて, 三角形 OBC と三角形 OAD は合同で, OB = 1, BC = 2, OC = √3 であり, 底面の四角形 ABCD は長方形である。 AB = 2r と置き, OA = a, OB = b, OC = c と置く。

ODa, b, c を用いて表すと OD = [ ア ] - [ イ ] + c である。 辺 OD を 1 : 2 に内分する点を L とすると

AL = -([ ウ ]/[ エ ])a - ([ オ ]/[ エ ])b + ([ カ ]/[ エ ])c

となる。

更に辺 OB の中点を M, 三点 A, L, M の定める平面を α とし, 平面 α と辺 OC との交点を N とする。 点 N は平面 α 上にあることから, AN は実数 s, t を用いて AN = sAL + tAM と表されるので

ON = ([ キ ] - ([ ク ]/[ ケ ])s - t)a + (-s/[ コ ] + t/[ サ ])b + (s/[ シ ])c

となる。 一方, 点 N は OC 上にもある。 これらから, ON = ([ ス ]/[ セ ])c となる。

又, ab = [ ソ ] - [ タ ]r2, bc = [ チ ], ac = [ ツテ ] である。 よって AMAN を計算すると, AB = √[ ト ] の時, 直線 AM と直線 MN は垂直になることが分かる。


第五問 (選択 20 点)

次の表は, 三回行われた 50 点満点のゲームの得点をまとめたものである。 一回戦のゲームに 15 人の選手が参加し, その内得点が上位の 10 人が二回戦のゲームに参加した。 更に, 二回戦のゲームで得点が上位の四人が三回戦のゲームに参加した。 表中の 「-」 は, そのゲームに参加しなかったことを表している。 又, 表中の 「範囲」 は, 得点の最大の値から最小の値を引いた差である。 尚, ゲームの得点は整数値を採るものとする。

番号

一回戦
(点)

二回戦
(点)

三回戦
(点)

1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15

33
44
30
38
29
26
43
23
28
34
33
26
36
30
27

37
44
34
35
30
-
41
-
-
38
33
-
41
37
-

-
D
-
-
-
-
43
-
-
E
-
-
F
-
-

平均値

A37.043.0

範囲

21147

分散

35.60B6.50

標準偏差

6.0C2.5

以下, 小数の形で解答する場合は, 指定された (けた) 数の 一つ下の桁を四捨五入し, 解答せよ。 途中で割り切れた場合は, 指定された桁まで 0 にマークすること。

(1) 一回戦のゲームに参加した 15 人の得点の平均値 A は [ アイ ].[ ウ ] 点である。 その内, 得点が上位の住人の得点の平均点を A1, 得点が回の五人の得点の平均値を A2 とすると, A1, A2, A の間には関係式

([ エ ]/[ オ ])A1 + ([ カ ]/[ キ ])A2 = A

が成り立つ。 但し, ([ エ ]/[ オ ]) + ([ カ ]/[ キ ]) = 1 とする。

(2) 二回戦のゲームに参加した十人の二回戦のゲームの得点について, 平均値 37.0 点からの偏差の最大値は, [ ク ].[ ケ ] 点である。
又, 分散 B の値は [ コサ ].[ シス ], 標準偏差 C の値は [ セ ].[ ソ ] 点である。

(3) 三回戦のゲームの得点について, 大小関係 F < E < 43 < D が成り立っている。
D, E, F の値から平均値 43.0 点を引いた整数値を, それぞれ x, y, z と置くと, 三回戦のゲームの得点の平均値が 43.0 点, 範囲が 7 点, 分散が 6.50 であることから, 次の式が成り立つ。
x + y + z = [ タ ],
x - z = [ チ ],
x2 + y2 + z2 = [ ツテ ].
上の連立方程式と, 条件 z < y < 0 < x により, x, y, z の値が求まり, D, E, F の値がそれぞれ [ トナ ] 点, [ ニヌ ] 点, [ ネノ ] 点 であることが分かる。

(4) 二回戦のゲームに参加した 10 人について, 一回戦のゲームの得点を変量 p, 二回戦のゲームの得点を変量 q で表す。 この時, 変量 p と変量 q の相関図 (散布図) として適切なものは [ ハ ] であり, 変量 p と変量 q の間には [ ヒ ][ ハ ] に当てはまるものを, 次の 0 から 3 の内から一つ選べ。

[ ヒ ] に最も適切なものを, 次の 0 から 2 の内から一つ選べ。

0 正の相関関係がある
1 相関関係は殆どない
2 負の相関関係がある

(5) 二回戦のゲームに参加した十人について, (4) での変量 p, q を使って, 得点の変化率を表す新しい変量 r を, r = (q - p)/p×100 (%) で定め, 次の度数分布表を作成した。

階級(%)
以上 未満

人数
(人)

-10〜0
  0〜10
 10〜20
 20〜30

2
G
H
I

表中の G の値は, [ フ ], H の値は [ ヘ ] である。


第六問 (選択 20 点)

n を 2 以上の自然数とし, 以下の操作を考える。

(i) n が偶数ならば, n を 2 で割る。
(ii) n が奇数ならば, n を 3 倍して 1 を加える。

与えられた 2 以上の自然数にこの操作を行い, 得られた自然数が 1 でなければ, 得られた自然数にこの操作を繰り返す。 2 以上 105 以下の 自然数から始めると, この操作を何回か繰り返すことで必ず 1 が得られることが確かめられている。 例えば 10 から始めると
   10→5→16→8→4→2→1
である。 但し a→b は一回の操作で自然数 a から自然数 b が得られたことを意味する。

N を 2 以上 105 以下の自然数とするとき, F(N) を N から始めて 1 が得られるまでの上記の操作の回数と定義する。 又, F(1) = 0 と置く。 例えば, 上の例から F(10) = 6 である。

(1) F(6)= [ ア ], F(11) = [ イウ ] である。

(2) 105 以下の自然数 N について, F(N) を求める為, 次のような 〔プログラム〕 を作った。 但し, INT(X) は X を超えない最大の整数を表す函数である。

〔プログラム〕

100 INPUT N
110 LET I = N
120 LET C = 0
130 IF I = 1 THEN GOTO [ エ ]
140 IF INT(I/2)*2 = I THEN
150    [ オ ]
160    GOTO 190
170 END IF
180 LET I = 3*I + 1
190 [ カ ]
200 [ キ ]
210 PRINT "F("; N; ") = "; C
220 END

[ エ ] に当てはまるものを, 次の 0 から 5 の中から一つ選べ。

0 130  1 140  2 150  3 190  4 200  5 210

[ オ ], [ カ ], [ キ ] に当てはまるものを, 次の 0 から 8 の内からそれぞれ一つずつ選べ。

0 LET C = 1
1 GOTO 130
2 GOTO 140
3 GOTO210
4 LET C = C + 1
5 LET I = I + 1
6 LET I = I/2
7 NEXT N
8 LET I = 2*I + 1

〔プログラム〕 を実行して, N に 24 を入力すると, 180 行は [ ク ] 回実行される。

(3) M を 105 以下の自然数とする。 (2) で作成した 〔プログラム〕 を変更して, M 以下の自然数 N の内, F(N) ≦ 10 となる全ての N について, F(N) の値を出力するプログラムを作成する。 その為に先ず,  〔プログラム〕 の 100 行を次の二つの行で置き換える。

100 INPUT M
101 FOR N = 1 TO M

更に, 210 行を次の二つの行で置き換える。

210 IF [ ケ ] THEN PRINT "F("; N; ") = "; C
211 [ コ ]

[ ケ ] に当てはまるものを, 次の 0 から 5 の内から一つ選べ。

0 INT(I/2) = I
1 C > 10
2 M >= C
3 N = I
4 C <= 10
5 I = N

[ コ ] に当てはまるものを, 次の 0 から 5 のうちから一つ選べ。

0 LET M = M + 1
1 GOTO 120
2 NEXT M
3 NEXT N
4 LET C = C + 1
5 NEXT I

変更後のプログラムを実行して, M に 10 を入力すると, 210 行の PRINT 文は [ サ ] 回実行される。


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