第一問 (必答 30 点)
[1] $x$ で纏めて, \begin{align} f(x) &= (1 + 2a) - (1 + 2a)x + (2 - a)x \\ &= (2 - a - 1 - 2a)x + (1 + 2a) \\ &= (-3a + 1)x + 2a + 1 \end{align} つまり ア は 3, イ は 1. (2 点)
(1) $f(x)$ は $\displaystyle{a \not= {1 \over 3}}$ の時一次函数で, $\displaystyle{a = {1
\over 3}}$ の時定数函数 $\displaystyle{{2 \over 3} + 1 = {5 \over 3}}$ である。
$-3a + 1
\geqq 0$ つまり $-3a \geqq -1$, 即ち $\displaystyle{a \leqq {1 \over 3}}$ の時,
$f(x)$ は, 区間 $0 \leqq x \leqq 1$ に於いて, (広義) 単調増加なので, 最小値は $x = 0$ の時に起こり,
$f(0) = 2a + 1$.
つまり
ウ は 2, エ は 1. (2 点)
一方, $-3a + 1 < 0$ つまり $\displaystyle{a > {1 \over 3}}$ の時は, $f(x)$ が同じ区間で
(狭義) 単調減少なので, 最小値は $x = 1$ の時である。 よって最小値は $f(1) = (-3a+1)+2a+1 = -a + 2$.
つまり オ は
-, カ は 2. (2 点)
(2) (1) により $a \leqq \displaystyle{1 \over 3}$
⇒
$f(x) \geqq 2a + 1 \geqq \displaystyle{2(a+2) \over 3}$
$6a + 3 \geqq2a + 4$
$4a\geqq1$
$a\geqq\displaystyle{1\over4}$
$\therefore\displaystyle{{1\over4}\leqq a\leqq{1\over3}}$
又 $\displaystyle{a > {1\over3}}$
⇒
$f(x) \geqq -a + 2 \geqq \displaystyle{2(a+2) \over 3}$
$-3a + 6 \geqq 2a + 4$
$-5a \geqq -2$
$a \leqq\displaystyle{2 \over 5}$.
$\therefore\displaystyle{{1\over3} < a \leqq{2\over5}}$.
以上より $\displaystyle{{1\over4} \leqq a\leqq{2\over5}}$.
つまり キ が 1, ク が 4 (この二つで 2 点), ケ が 2, コ が 5 (この二つで 2 点).
直線なので, 焦らなければ難しくはない。
$\rm{\TeX}$ を打つ方が難しかった。
[2]
(1) (i) $A\supset \{0\}$ 故 サ は 3.
(ii) $\sqrt{28\,} =
2\sqrt{7\,}\in B$ より シ は 0. (この二つで 2 点)
(iii) $A = \{0\}\cup A$ より ス は 5. (一般に $C\subset
D\Rightarrow C\cup D = D$)
(iv) $\varnothing = A\cap B$ より セ は 4. (この二つで 2 点)
(2) q: $x +\sqrt{28\,} = x + 2\sqrt{7\,} \in A$ (有理数) ということは, $\exists a\in A
(x = a -2\sqrt{7}\in B)$.
r: $\sqrt{28\,}x = 2\sqrt{7\,}x\in A$ ということは $x = 0\in A$ 又は $\exists b\in A (2b
= 2\sqrt{7\,}x)$ 即ち, $x = 0\in A$ 又は $x = \displaystyle{{b\over\sqrt{7\,}} =
{b\over7}\cdot\sqrt{7\,}}\in B$.
よって q ⇒ p は正しいが, p ⇒ q は正しくない。 つまり p は q である為の必要条件であるが, 十分条件ではない。
以上より ソ は 1. (3 点)
$x = 0$ の場合があるので, r ⇒ p も p ⇒ r も正しくない。 つまり p は r である為の必要条件でも十分条件でもない。
以上より タ は 3 (3 点)
本当は, 空集合は $\rm{\TeX}$ では $\emptyset$ であって $\varnothing$ ではないのだが, 問題に合わせた。
(2) r で $x = 0$ を忘れがちであるので, 気を付ける。
[3] $\displaystyle{x^2 + \left( 20-a^2
\right)x - 20a^2}$
$\displaystyle{= (x + 20)\left(x -a^2\right)\leqq0}$.
従って $-20\leqq x \leqq a^2$.
チツテ が -20 (3 点).
$x^2 + 4qx = x(x + 4a) \geqq0$.
$a \geqq 1$ なので $x\leqq -4a$, $0 \leqq x$.
トナ が -4, ニ が 0. (両方で 3 点)
$a\geqq1$ より, $a^2\geqq1$ であるから, この連立不等式を満たす負の実数が存在する為には $-20\leqq-4a$
であることが必要且つ十分。 つまり $a\leqq5$.
ヌ は 5 (4 点).
これは基本的で難しくない。
第二問 (必答 30 点)
[1] 正弦定理より, 求める円の半径を $R$ とすると,
$R =
\displaystyle{\frac{AB}{2\sin\angle ACB} = \frac{7\sqrt{3\,}}{2\sin60^\circ}
=\frac{7\sqrt{3\,}}{\sqrt{3\,}} = 7}$.
つまり ア は 7 (3 点).
(1) $2PA=3PB = 6t\,(> 0)$ と置く。
この時, $PA=3t$, $PB = 2t$ で, 円周角定理より $\angle APB =\angle ACB =60^\circ$.
(第二) 余弦定理より
$(7\sqrt{3\,})^2 = (3t)^2 + (2t)^2 - 2(3t\cdot2t)\cos60^\circ$
$147= 9t^2 +
4t^2 - 2\cdot6t^2\times\displaystyle\frac{1}{2}$
$147
= 7t^2$
$\therefore t^2 = 21$. $t > 0$
より $t = \sqrt{21\,}$.
$\therefore PA = 3t = 3\sqrt{21\,}$
つまり イ, ウエ は 3, 21. (3 点)
(2) 面積が最大になるのは (AB を下にしてみれば分かる通り) $PA = PB$ の時であるが, この時, 頂角が $60^\circ$
であることから, $△\!\!PBA$ は正三角形である。
従ってこの時 $PA = AB = 7\sqrt{3\,}$.
オ, カ は 7,
3. (3 点)
(3) $\sin\angle PBA \leqq 1$ なので, 最大になるのは $\sin\angle PBA = 1$ 即ち $\angle PBA = 90^\circ$ の時である。この時 \[ PA = \frac{7\sqrt{3\,}}{\sin60^\circ} = \frac{7\sqrt{3\,}}{\frac{\sqrt{3\,}}{2}} = 14. \] つまり キク は 14. (3 点)
そして $△\!\!PAB = \displaystyle{\frac{1}{2}\cdot7\sqrt{3\,}\cdot7
=\frac{49\sqrt{3\,}}{2}}$.
よって ケコ, サ, シ は 49, 3, 2. (3 点)
[2] 0 は正しい。
1 は正しくない。
2 も正しくない
(寧ろ増加している)。
3 は正しい。
4 は正しくない。
以上から ス と セ は 0, 3. (3 点)
[3] (1) 東京は c, N 市は b, M 市は a だから ソ は 5. (3 点)
(2) 0 M 市は負の相関がある。
1 は正しい。 2 は正しくない。
3 は正しい (回帰直線に凝集している)。 4 は正しくない。
従って タ, チ は 1, 3 (3 点)
(3) $Y = \displaystyle{9\over5}X + 32$ で, $V(X) = E\left(X^2\right)-E(X)^2$
なので
$\displaystyle{{Y\over X} = \left({9\over5}\right)^2 ={81\over25}}$ であるから ツ は
9. (2 点)
又, covariance の定義から $\displaystyle{{W\over
Z}={9\over5}}$ なので テ は 8. (2 点)
相関係数は一次変換で不変なので
$\displaystyle{{V\over U}=1}$ となって ト は 7. (2 点)
[1] (1) で 147 が一寸でかいが, $(7\sqrt3)^2 = 7^2\cdot3$ なので実際に 147 と計算する必要はない。 (後で 7
で割るから)
又上記のように置くと, $PA = 3t$ だったことを忘れがちなので, 忘れないようにしないといけない。
[2], [3] は計算も少なくて楽。
第三問 (選択 20 点)
(1) 余事象を考えて, $\displaystyle{1 - {5\over12}\cdot{4\over11}=1-{5\over33}
={28\over33}}$
つまり アイ と ウエ は 28, 33. (3 点)
(2) $\displaystyle{{4\over12}\cdot{5\over11}={5\over33}}$.
つまり オ, カキ が
5, 33. (3 点)
続いて条件付き確率は (定義通りやると)\[{\ \displaystyle{5\over33}\ \over\
\displaystyle{4\over12}\ } ={5\over33}\cdot{12\over4}={5\over11}\]だから ク, ケコ は
5, 11. (3 点)
(3) A が青で B が白は $\displaystyle{{3\over12}\cdot{5\over11}={5\over44}}$.
だから サ, シス は 5, 44 (3 点).
A も B も白というのは $\displaystyle{{5\over12}\cdot{4\over11}={5\over33}}$ だから
B が白という確率は
\begin{align}
{5\over33}+{5\over44}+{5\over33} &= {5\over11}\left({1\over3}+{1\over4}+{1\over3}\right) \\
&= {5\over11}\cdot{{8+3}\over12}
= {5\over11}\cdot{11\over12}
= {5\over12}.
\end{align}
即ち セ, ソタ は 5, 12. (4 点)
よって求める条件付き確率は $\displaystyle{{\ \displaystyle{5\over33}\ \over\displaystyle{5\over12}}
= {12\over5}\cdot{5\over33}={4\over11}}$.
つまり チ, ツテ は 4, 11. (4 点)
条件付き確率は, 別に定義通りやらないでも求められる。
(3) の B が白を取り出す確率も同様。
第四問 (選択 20 点)
(1) Euclid 互除法を用いると
197 = 92・2 + 13,
92 = 13・7 + 1 であるから逆算して
1 = 92
- 13・7
= 92 - (197 - 92・2)・7
= 92 - 7・197 - 92・14
= 15・92 - 7・197.
よって
$x = 15 - 197n$,
$y = -7 + 92n$.
$n\in\mathbb{Z}$ ($\mathbb{Z}$
は整数の集合を表す。)
15 -197 = -182 なので, $n = 0$ の時最も $x$ の絶対値が小さい。
従って $x = 15$ (3 点), $y =
-7$ (3 点).
後半は
$x = 150 - 197n$,
$y = -70 + 92n$.
$n\in\mathbb{Z}$ で 150 -197 =
-47 となるから, $n = 1$ で
$x = -47$ (2 点), $y = -70 + 92 = 22$ (2 点).
(2) 11011(2) を 1, 10, 11 と (下から二桁ずつ) 分けて四進法に直すと, 123(4). (4 点)
0. $0.3_{(6)} = \displaystyle{{3\over6}={1\over2} = 0.5}$ なので, これは OK.
1. $0.4_{(6)} = \displaystyle{{4\over6}={2\over3} = 0.\dot6}$ だからこれは無限小数。
2. $0.33_{(6)} = \displaystyle{{3\over6} + {3\over6^2} =
{1\over2}+{3\over6\times6} = 0.5 + {1\over12}}$ なので, これは無限小数。
3. $0.43_{(6)} = \displaystyle{{4\over6} + {3\over6^2} =
{2\over3}+{3\over6\times6} = {2\over3}+{1\over12} = {8+1\over12} ={9\over12} =
{3\over4}=0.75}$ だからこれは OK.
4. $0.033_{(6)} = \displaystyle{{3\over6^2} +
{3\over6^3} = {3\over6\times6}+{3\over6\times6\times6} =
{1\over2}\cdot{1\over6}\cdot\left(1 +{1\over6}\right) = {1\over12}\cdot{7\over6}
= {7\over72}}$ なので, これは無限小数。
5. $0.043_{(6)} = \displaystyle{{4\over6^2} +
{3\over6^3} = {4\over6\times6}+{3\over6\times6\times6} =
{1\over9}+{1\over9\times8} = {1\over9}\cdot\left(1 +{1\over8}\right) =
{1\over9}\cdot{9\over8} = {1\over8}}$ で, これは OK.
というわけなので ス, セ, ソ は 0 と
3 と 5. (6 点)
Euclid 互除法は習熟しておく必要がある。
n 進法は定義通りなので難しくないだろう。 有限小数になるのは, 既約分数にしたときに,
分母の素因数が 2, 5 以外は出てきてはいけないというのは覚えておく必要があるだろう。
第五問 (選択 20 点)
$\angle DAC = \angle DCA$ $(\because DA=DC)$
$=\angle DBA = \angle ABD$
($\because$ 円周角) で ア は 0 (2 点).
$=\angle DBC$ (円周角).
$\angle DBC =\angle DBA$ なので $\displaystyle{{AC\over AE} ={BC\over AB} = {1\over2}}$. (3 点)
Menelaus の定理により \[{GC\over DG}\cdot{EA\over CE}\cdot{FD\over AF} = 1\] だから $\displaystyle{{GC\over DG}\cdot{2\over1}\cdot{3\over2} = 1}$ つまり $\displaystyle{{GC\over DG} = {1\over3}}$. (3 点)
(1) 同様に Ceva の定理より \[{BG\over BA}\cdot{AF\over FD}\cdot{DC\over CG} = 1\] だから $\displaystyle{{BG\over4}\cdot{2\over3}\cdot{2\over1} = 1}$ つまり $BG = 3$. (3 点)
方冪の定理より $GB\cdot GA = GC\cdot GD$. 従って $3\cdot7
=\displaystyle{{DC\over2}\cdot{2\over3}CD}$
$\therefore CD^2 =2^2\cdot7$
$DC > 0$ より $DC=2\sqrt{7\,}$ (3 点)
(2) $AB > BC$ より外接円の直径が最小になる場合は $AB$ が直径になる場合なので, $AB = 4$. (2 点)
Thales の定理により $\angle ACB = 90^\circ$ となるので, $\sin\angle BAC = \displaystyle{{2\over4}={1\over2}}$ なのだから, $0^\circ < \angle BAC < 90^\circ$ より $\angle BAC = 30^\circ$. (2 点)
(図は正確でない)
$DC = DA$ で, $\angle CBA =90^\circ - \angle CAB = 60^\circ$ なのだから, $\angle
DBA = 30^\circ$ で, 弧 $BC$ に対する円周角から $\angle CDB = \angle CAB = 30^\circ$. 従って,
$\angle DBA = \angle BDC$ だから, $DC$||$\,AB$. 従って, 幾つかの相似三角形から
$AH:AB=CG:DC$
$AH:4 = 1:2$
$\therefore AH = 2$. (2 点)
図形の問題はいつもそうだが, 図を描きながらやらないと難しい。
最後の問題などは, 相似を証明しなくても,
比を使う所から相似らしいと思ってやれば正解が出せたと思う。
今年の数学 I ・ A はそそっかしい間違いをしなければそれなりの点が取れたことと思う。
図形の問題が他の問題よりも難しく感じた。
皆さんはどうだったろうか。
センター試験の目次に戻る。