2016 年数学 II ・ B 問題

Sunday, 17th January, 2016.
13:40 -- 14:40 (1hr)
平均 50.18 (中間集計)
47.92 (本集計)


注:

第一問, 第二問は必答。
第三問から第五問のうちから二問選択。
計四問を解答。


第一問 (必答 30 点)

[1] (1) $8^{5\over6}=[\ ア\ ]\sqrt{[\ イ\ ]}$, $\log_{27}\ds{1\over9}=\ds{[\ ウエ\ ]\over[\ オ\ ]}$ である。

(2) $y=2^x$ の graph と $y=\left(\ds{1\over2}\right)^2$ の graph は [ カ ] である。
$y=2^x$ の graph と $y=\log_2x$ の graph は [ キ ] である。
$y=\log_2x$ の graph と $y=\log_{1\over2}x$ の graph は [ ク ] である。
$y=\log_2x$ の graph と $y=\log_2\ds{1\over x}$ の graph は [ ケ ] である。

[ カ ] から [ ケ ] に当てはまるものを, 次の 0 から 3 の内から一つずつ選べ。 但し, 同じものを繰り返し選んでも良い。

0 同一のもの
1 $x$ 軸に関して対称
2 $y$ 軸に関して対称
3 直線 $y=x$ に関して対称

(3) $x > 0$ の範囲に於ける函数 $y=\left(\log_2\ds{x\over4}\right)^2-4\log_4x+3$ の最小値を求めよう。

$t=\log_2x$ と置く。 この時, $y=t^2- [\ コ\ ]t+[\ サ\ ]$ である。
又, $x$ が $x > 0$ の範囲を動く時, $t$ の取り得る値の範囲は [ シ ] である。 [ シ ] に当てはまるものを, 次の 0 から 3 の内から一つ選べ。

0 $t > 0$
1 $t > 1$
2
$t > 0$ 且つ $t\neq1$
3
実数全体

従って, $y$ は $t=[\ ス\ ]$ の時, 即ち $x=[\ セ\ ]$ の時, 最小値 [ ソタ ] を採る。

[2] $k$ を正の定数として \[ \cos^2x-\sin^2x+k\left({1\over\cos^2x}-{1\over\sin^2x}\right)=0\ \cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\ @ \] を満たす $x$ について考える。

(1) $0 < x < \ds{\pi\over2}$ の範囲で @ を満たす $x$ の個数について考えよう。

@ の両辺に $\sin^2x\cos^2x$ を掛け, 二倍角の公式を用いて変形すると \[ \left({\sin^22x\over[\ チ\ ]}-k\right)\cos2x=0\ \cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\ A\] を得る。 従って, $k$ の値に関係なく, $x=\ds{\pi\over[\ ツ\ ]}$ の時は常に, @ が成り立つ。 又, $0 < x < \ds{\pi\over2}$ の範囲で $0 < \sin^22x\leqq1$ であるから, $k > \ds{[\ テ\ ]\over[\ ト\ ]}$ の時, @ を満たす $x$ は $\ds{\pi\over[\ ツ\ ]}$ のみである。 一方, $0 < k < \ds{[\ テ\ ]\over[\ ト\ ]}$ の時, @ を満たす $x$ の個数は [ ナ ] 個であり, $k=\ds{[\ テ\ ]\over[\ ト\ ]}$ の時は [ ニ ] 個である。

(2) $k=\ds{4\over25}$ とし, $\ds{{\pi\over4} < x < {\pi\over2}}$ の範囲で @ を満たす $x$ について考えよう。

A により $\sin2x=\ds{[\ ヌ\ ]\over[\ ネ\ ]}$ であるから $\cos2x=\ds{[\ ノハ\ ] \over [\ ヒ\ ]}$ である。 従って
$\cos x=\ds{\sqrt{[\ フ\ ]}\over[\ ヘ\ ]}$ である。


第二問 (必答 30 点)

座標平面上で, 放物線 $y = \ds{1\over2}x^2+\ds{1\over2}$ を $C_1$ とし, 放物線 $y=\ds{1\over4}x^2$ を $C_2$ とする。

(1) 実数 $a$ に対して, 二直線 $x = a$, $x = a+1$ と $C_1$, $C_2$ で囲まれた図形 $D$ の面積 $S$ は \begin{eqnarray*} S &=& \int_a^{a+1}\left({1\over[\ ア\ ]}x^2 + {1\over[\ イ\ ]}\right)dx \\ &=& {a^2\over[\ ウ\ ]}+{a\over[\ エ\ ]}+{[\ オ\ ]\over[\ カキ\ ]} \end{eqnarray*} である。 $S$ は $a=\ds{[\ クケ\ ]\over[\ コ\ ]}$ で最小値 $\ds{[\ サシ\ ]\over[\ スセ\ ]}$ を取る。

(2) 四点 $(a,\ 0)$, $(a+1,\ 0)$, $(a+1,\ 1)$, $(a,\ 1)$ を頂点とする正方形を $R$ で表す。 $a$ が $a\geqq0$ の範囲を動く時, 正方形 $R$ と (1) の図形 $D$ の共通部分の面積を $T$ と置く。 $T$ が最大となる $a$ の値を求めよう。

直線 $y=1$ は, $C_1$ と $(\pm[\ ソ\ ],\ 1)$ で, $C_2$ と $(\pm[\ タ\ ],\ 1)$ で交わる。 従って, 正方形 $R$ と図形 $D$ の共通部分が空集合にならないのは $0\leqq a\leqq[\ チ\ ]$ の時である。

$[\ ソ\ ]\leqq a\leqq[\ チ\ ]$ の時, 正方形 $R$ は放物線 $C_1$ と $x$ 軸の間にあり, この範囲で $a$ が増加する時, $T$ は [ ツ ][ ツ ] に当てはまるものを, 次の 0 から 2 の内から一つ選べ。

0 増加する 1 減少する 2 変化しない

従って $T$ が最大になる $a$ の値は, $0\leqq a\leqq[\ ソ\ ]$ の範囲にある。

$0\leqq a\leqq[\ ソ\ ]$ の時, (1) の図形 $D$ の内, 正方形 $R$ の外側にある部分の面積 $U$ は \[ U={a^3\over[\ テ\ ]}+{a^2\over[\ ト\ ]} \] である。 よって $0\leqq a\leqq[\ ソ\ ]$ に於いて \[ T=-{a^3\over[\ ナ\ ]}-{a^2\over[\ ニ\ ]}+{a\over[\ ヌ\ ]}+{[\ オ\ ]\over[\ カキ\ ]}\ \cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots\ @ \] である。 @ の増減を調べることにより, $T$ は \[ a= {[\ ネノ\ ]+\sqrt{[\ ハ\ ]}\over[\ ヒ\ ]} \] で最大値を採る事が分かる。


第三問から第五問は, 何れか二問を選択し, 解答しなさい。


第三問 (選択 20 点)

真分数を分母の小さい順に, 分母が同じ場合には分子の小さい順に並べて出来る数列数 \[ {1\over2},\ {1\over3},\ {2\over3},\ {1\over4},\ {2\over4},\ {3\over4},\ {1\over5},\ \ldots \] を $\{a_n\}$ とする。 真分数とは, 分子と分母が共に自然数で, 分子が分母より小さい分数の事であり, 上の数列では, 約分出来る形の分数も含めて並べている。 以下の問題に分数形で解答する場合は, 解答上の注意にあるように, それ以上約分出来ない形で答えよ。

(1) $a_{15} =\ds{[\ ア\ ]\over[\ イ\ ]}$ である。 又, 分母に初めて 8 が現れる項は, $a_{[\ ウエ\ ]}$ である。

(2) $k$ を 2 以上の自然数とする。 数列 $\{a_n\}$ に於いて, $\ds{1\over k}$ が初めて現れる項を第 $M_k$ 項とし, $\ds{k-1\over k}$ が初めて現れる項を第 $N_k$ 項とすると \begin{eqnarray*} M_k &=& {[\ オ\ ]\over[\ カ\ ]}k^2-{[\ キ\ ]\over[\ ク\ ]}k + [\ ケ\ ] \\ N_k &=& {[\ コ\ ]\over[\ サ\ ]}k^2-{[\ シ\ ]\over[\ ス\ ]}k \end{eqnarray*} である。 よって $a_{104} = \ds{[\ セソ\ ]\over[\ タチ\ ]}$ である。

(3) $k$ を 2 以上の自然数とする。 数列 $\{a_n\}$ の第 $M_k$ 項から第 $N_k$ 項までの和は, $\ds{{[\ ツ\ ]\over[\ テ\ ]}k - {[\ ト\ ]\over[\ ナ\ ]}}$ である。 従って, 数列 $\{a_n\}$ の初項から第 $N_k$ 項までの和は \[ {[\ ニ\ ]\over[\ ヌ\ ]}k^2 - {[\ ネ\ ]\over[\ ノ\ ]}k \] である。 よって \[ \sum_{n=1}^{103} a_n = {[\ ハヒフ\ ]\over[\ ヘホ\ ]} \] である。

であり, 従って


第四問 (選択 20 点)

四面体 $OABC$ に於いて, $\abs{\vector{OA}} = 3$, $\abs{\vector{OB}}=\abs{\vector{OC}}=2$, $\angle AOB =\angle BOC =\angle COA = 60^\circ$ であるとする。 又, 辺 $OA$ 上に点 $P$ を採り, 辺 $BC$ 上に点 $Q$ を採る。 以下 $\vector{OA}=\vec a$, $\vector{OB} = \vec b$, $\vector{OC}=\vec c$ と置く。

(1) $0\leqq s\leqq1$, $0\leqq t\leqq1$ であるような実数 $s$, $t$ を用いて $\vector{OP}=s\vec a$, $\vector{OQ}=(1-t)\vec b + t\vec c$ と表す。 $\vec a\cdot\vec b = \vec a\cdot\vec c = [\ ア\ ]$, $\vec b\cdot\vec c = [\ イ\ ]$ である事から \[ \abs{\vector{PQ}}^2 = ([\ ウ\ ]s-[\ エ\ ])^2 + ([\ オ\ ]t-[\ カ\ ])^2 +[\ キ\ ] \] となる。 従って $\abs{\vector{PQ}}$ が最小となるのは $s=\ds{[\ ク\ ]\over[\ ケ\ ]}$, $t = \ds{[\ コ\ ]\over[\ サ\ ]}$ の時であり, この時 $\abs{\vector{PQ}} =\sqrt{[\ シ\ ]}$ となる。

(2) 三角形 $OAC$ の重心を $G$ とする。 $\abs{\vector{PQ}} =\sqrt{[\ シ\ ]}$ の時, 三角形 $GPQ$ の面積を求めよう。

$\vector{OA}\cdot\vector{PQ}=[\ ス\ ]$ から, $\angle APQ= [\ セソ\ ]^\circ$ である。 従って, 三角形 $APQ$ の面積は $\sqrt{ [\ タ\ ]}$ である。 又, \[ \vector{OG} = {[\ チ\ ]\over[\ ツ\ ]}\vector{OA}+{[\ テ\ ]\over[\ ト\ ]}\vector{OQ} \] であり, 点 $G$ は線分 $AQ$ を $[\ ナ\ ]:1$ に内分する点である。

以上の事から, 三角形 $GPQ$ の面積は $\ds{\sqrt{[\ ニ\ ]}\over[\ ヌ\ ]}$ である。


第五問 (選択 20 点)

$n$ を自然数とする。 原点 $O$ から出発して数直線上を $n$ 回移動する点 $A$ を考える。 点 $A$ は一回毎に, 確率 $p$ で正の向きに 3 だけ移動し, 確率 $1-p$ で負の向きに 1 だけ移動する。 ここで, $0 < p < 1$ である。 $n$ 回移動した後の点 $A$ の座標を $X$ とし, $n$ 回の移動の内正の向きの移動の回数を $Y$ とする。
以下の問題を解答するに当たっては, 必要に応じて 29 ページの正規分布表を用いても良い。 (原文はこうなっているが, ここでは表は省略。 必要な場合は PDF の問題の方を見て下さい)

(1) $p=\ds{1\over3}$, $n=2$ の時, 確率変数 $X$ の採り得る値は, 小さい順に -[ ア ], [ イ ], [ ウ ] であり, これらの値を採る確率は, それぞれ $\ds{[\ エ\ ]\over[\ オ\ ]}$, $\ds{[\ カ\ ]\over[\ オ\ ]}$, $\ds{[\ キ\ ]\over[\ オ\ ]}$ である。

(2) $n$ 回移動したとき, $X$ と $Y$ の間に $X = [\ ク\ ]n + [\ ケ\ ]Y$ の関係が成り立つ。

確率変数 $Y$ の平均 (期待値) は [ コ ], 分散は [ サ ] なので, $X$ の平均は [ シ ], 分散は [ ス ] である。 [ コ ] から [ ス ] に当てはまるものを, 次の 0 から b の内から一つずつ選べ。 但し, 同じものを繰り返し選んでも良い。

0 $np$ 1 $np(1-p)$ 2 $\ds{p(1-p)\over n}$
3 $2np$ 4 $2np(1-p)$ 5 $p(1-p)$
6 $4np$ 7 $4np(1-p)$ 8 $16np(1-p)$
9 $4np-n$ a $4np(1-p)-n$ b $16np(1-p)-n$

(3) $p=\ds{1\over4}$ の時, 1200 回移動した後の点 $A$ の座標 $X$ が 120 以上になる確率の近似値を求めよう。

(2) により, $Y$ の平均は  [ セソタ ], 標準偏差は [ チツ ] であり, 求める確率は次のようになる。

$P(X\geqq120)=P\left(\ds{Y- [\ セソタ\ ]\over[\ チツ\ ]}\geqq[\ テ\ ].[\ トナ\ ]\right)$

今, 標準正規分布に従う確率変数を $Z$ とすると, $n = 1200$ は十分に大きいので, 求める確率の近似値は, 正規分布表から次のように求められる。

$P\left(Z\geqq[\ テ\ ].[\ トナ\ ]\right) = 0.[ ニヌネ ]$

(4) $p$ の値が分からないとする。 2400 回移動した後の点 $A$ の座標が $X=1440$ の時, $p$ に対する信頼度 95 % の信頼区間を求めよう。

$n$ 回移動したときに $Y$ が採る値を $y$ 都市, $r=\ds{y\over n}$ と置くと, $n$ が十分に大きいならば, 確率変数 $R=\ds{Y\over n}$ は近似的に平均 $p$, 分散 $\ds{p(1-p)\over n}$ の駅分布に従う。
$n=2400$ は十分に大きいので, このことを利用し, 分散を $\ds{r(1-r)\over n}$ で置き換えることにより, 求める信頼区間は

$0.[\ ノハヒ\ ]\leqq p\leqq0.[\ フエホ\ ]$

となる。


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