2022 大学入学共通テスト 数学 II・B 第四問

(1) 二直線
$y=x$

$y=2x-4$
の交点は $(4,,\ 4)$ である。

$(5,\ 4)$ を通り, 傾き $-2$ の直線は
$y = -2(x-5)+4$
で, これが $x$ 軸と交わる点の $x$ 座標は
$2(x-5)=4$
$x-5=2$ より $x=7$.
従って $a_2 = 8$.
この時 $b_2 = \left(a_2 -5\right) + 4 = 7$.

$\left(a_n,\ b_n\right)$ を通る傾き $1$ の直線 $y = x-a_n+b_n$
と, $\left(a_n,\ 0\right)$ を通る傾き $2$ の直線 $y = 2\left(x-a_n\right)$
の交点の $x$ 座標は
$2\left(x-a_n\right) = x-a_n+b_n$
$2x-2a_n=x-a_n+b_n$
より $x=a_n+b_n$.
この時の $y$ 座標が $2b_n$ となっている。

$\left(a_n+b_n+1,\ 2b_n\right)$ を通り, 傾き $-2$ の直線と $x$ 軸との交点は
$0 = -2\ds{\left(x- \left(a_n+b_n+1\right) \right)}=2b_n$
$2\ds{\left(x- \left(a_n+b_n+1\right) \right)} = 2b_n$.
$x- \left(a_n+b_n+1\right) =b_n$.
$x = a_n+2b_n+1$.
従って
$a_{n+1} = a_n+2b_n+2$.

この時
$b_{n+1} = a_{n+1} - \left(a_n+b_n+1\right) + 2b_n$
   $= a_n+2b_n+2 - a_n-b_n-1+ 2b_n$
   $=  3b_n + 1$.

従って $b_{n+1} +\ds{1\over2} = 3b_n + \ds{3\over2}$
$b_{n+1} +\ds{1\over2} = 3\left(b_n + \ds{1\over2}\right)$
よって
$b_n=3^{n-1}\left(b_1 + \ds{1\over2}\right)-\ds{1\over2}$
$=3^{n-1}\times\ds{5\over2}-\ds{1\over2}$
$=\ds{5\over2}\times3^{n-1}-\ds{1\over2}$.

$a_{n+1} = a_n+2\left(\ds{5\over2}\times3^{n-1}-\ds{1\over2}\right) +2$
$=a_n+5\times3^{n-1}-1+2$
$=a_n+5\times3^{n-1}+1$.

故に
$a_n=2+\ds{\sum_{k=1}^{n-1}\left(5\times3^{k-1}+1\right)}$
$=2+5\times\ds{3^{n-1}-1\over3-1}+n-1$
$=\ds{5\over2}\times3^{n-1}-\ds{5\over2}+n+1$
$=\ds{5\over2}\times3^{n-1}+n-\ds{3\over2}$.

(2) $b_n > 300$ とすると
$\ds{5\over2}\times3^{n-1}-\ds{1\over2} > 300$
$5\times3^{n-1}-1 > 600$
$5\times3^{n-1} > 600 +1$
$3^{n-1} > 120 + \ds{1\over5}$.

$n$ を $1$ から順に調べていくと

$n$   左辺  
1   1  
2   9  
3   27  
4   81  
5   243  

となるので $4$ 回追いついている。

だから
$a_4+b_4=\ds{5\over2}\times3^3+4-\ds{3\over2} + \ds{5\over2}\times3^3-\ds{1\over2}$
$=5\times3^3+4-\ds{4\over2}$
$= 5\times27+2=137$.


問題文が矢鱈長くて設定がややこしい。 この問題が 数学 II・B の問題としては一番物議を醸していた。
僕の意見としてはこんなに設定を複雑にする必要はないのではないかということである。

僕は試していないが, 噂に拠ると ケ, コ の解答は $n$ に $1$ から順に代入していって, 合っているものを選んだ方が速いという話であった。