2022 大学入学共通テスト 数学 I・A 第二問 [2]

(1) 15 番目が中央値になる。
2009 年では 44~45 の階級値が中央値, 2018 年でも同じ。
下から七番目が第一四分位で, 2009 年では 15~30 の階級, 2018 年でも同じ。
上から七番目が第三四分位で, 2009 年では 60~75 の階,級 2018 年では 45~60 の階級なので 2018 の方が小さい。
2009 年の範囲は $180-15 = 165$ と $165-30=135$ の間で, 2018 年の範囲は $135-0=135$ と $120-15 =105$ の間なので 2018 年の方が小さい。
四分位範囲は 2009 年の方は $75-15 =60$ と $60-30=30$ の間だが, 一方 2018 年の方は $60-15=45$ と $45-30=15$ の間であることしか分からないので, どちらが大きいか判定できない。

(2) 横 400~500 に少なくとも一つはあるので ① ではない。
③ は横の中央値が 150 より大きくなっているので違う。
⓪ は縦軸 30~45 の所の人数が違う。
② が合っている。

$\bar x = 100 + \ds{\ 100(25 + 28 + 9 + 8)\ \over47}$
$= 100 + \ds{\ 100\times70\ \over47}$
$=100 + 140.4\ldots$
$\fallingdotseq 240$.

(3) $\ds{735.5\over39.3\times29.9}=\ds{735.5\over1175.07} \fallingdotseq 0.625920159 \fallingdotseq 0.63$.

 (4) $T$ の平均 $72.9$ から言うと ② か ③ だろうと思われる。
$S$ の平均 $81.8$ から言っても同様。
相関係数 $0.63$ から言うと, 相関が強目だから ③.


相変わらず数学 I の 「データの分析」 の問題は何を狙っているのかよく分からない。

階級の幅が 15 で奇数なので, 不必要に難しくなっている。 教科書は大体偶数に設定してある。
(2) ② は違いがわずかで分かりにくい。 この問題は不親切でひどい。 しかも共通問題で全員が答えなければならないというのに。 この問題は捨てるべき問題である。

相関係数の問題もひどい。 一応この値は電卓を使ったものだが, $\ds{735\over39\times30}=\ds{245\over39\times10} \fallingdotseq 0.63$ で OK.

(4) はもっとひどい。 こういう問題が共通テストで出るということは, 教科書にもっと相関係数の違いに拠る散布図の違いとか, 相関係数が 0.01 違う毎に (0.02 とかでも良いが) このくらい違うのだという比較でも出ていないととても太刀打ちできない。 この問題も捨てるべき問題である。

そうやって考えていくと, どうやら共通テストにおける統計の問題というのはいかに難しさを判定していかに素早く解かないことを決断するということをテストしているらしい (皮肉である)。