[定義]
無限級数 Σn=1 ∞ an に於て, 各項 an が負でないものを正項級数 positive series という。
[定理] 正項級数はその項の順序を勝手に変えて得られる新しい数列と共に収束, 又は発散し, 収束する場合は, この二つの数列の級数の和は等しい。
[証明]
Σn=1 ∞ an を正項級数, その順序を勝手に変えて得られる数列を Σn=1 ∞ bn とし, Sn = Σk=1 n ak, S'n = Σk=1 m bk としよう。
先ず第一に, Σn=1 ∞ an が収束してその和を S と置けば, S'n の全ての項は, Sn の n を十分先まで採ればそれに含まれる。 従って Sm ≧ S'n となる自然数 m が存在し, S ≧ Sm ≧ S'n であるから, {S'n} は上に有界な単調増加列であるので収束する。 従って S' = limn→∞ S'n ≦ S となるが, S'n と Sn の立場を入れ替えても同じ議論が成立して, 従って S' ≧ S でもあるから S = S'.
次に Σn=1 ∞ an が発散するとすれば, 上記と同様に, m >> n (m が n より十分大きい) 時 Sn ≦ S'm とすることが出来て Sn → ∞ (as n → ∞) より S'n も発散する □