2003 年数学 II ・ B 問題


第一問 (必答 30 点)

[1]  (1) 一般に A, B を定数とするとき, x ≧ 0 を満たす全ての x に対して, x の一次不等式 Ax + B > 0 が成り立つ条件は A ≧ [ ア ] 且つ B > [ イ ] である。

(2) x ≧ 0 を満たす全ての x に対して, 不等式
(x + 1)sin2α + (2x - 1)sin α cos α - x cos2α > 0 … @
が成り立つような α の範囲を求めよう。 但し, 0°≦ x ≦ 180°とする。
 x ≧ 0 を満たす全ての x に対して, @ が成り立つ条件は

sin [ ウ ] α ≧ cos [ エ ] α 且つ sin[ オ ] α > sin α cos α

が成り立つことである。 これより, 求める α の値の範囲は
[ カキ ]°< α ≦ [ クケコ ]°/[ サ ] である。

[2] 正の数 x に対して
a = log3 x - 7/2, b = log3 x - 5/2, c = log9 x - 5/2, d = log9 x - 3/2
と置く。

(1) d = 0 となるような x の値は x = [ シス ] である。

(2) abcd > 0 となるような x の値の範囲を求めよう。 a, b, c, d の全てが負の場合には
0 < x < [ セ ]√[ ソ ] となる。 a, b, c, d の内二つが正で残りが負の場合には
[ タチ ] < x < [ ツテ ]√[ ト ] となる。 更に a, b, c, d の全てが正の場合には
[ ナニヌ ] < x となる。

(3) [ タチ ] < x < [ ツテ ]√[ ト ] の範囲において, a, b, c, d の間には大小関係
[ ネ ] < [ ノ ] < [ ハ ] < [ ヒ ] が成り立つ。


第二問 (必答 30 点)

函数 f(x) は

x ≦ 3 の時 f(x) = x,
x > 3 の時 f(x) = -3x + 12

で与えられている。 この時, x ≧ 0 に対して, 函数 g(x) を
g(x) = ∫0x f(t) dt と定める。

(1) 0 ≦ x ≦ 3 の時 g(x) = ([ ア ]/[ イ ])x[ ウ ] であり,
x ≧ 3 の時, g(x) = (-3/2)x2 + [ エオ ]x - [ カキ ] である。

(2) 曲線 y = g(x) を C とする。 C 上の点 P(a, g(a)) (但し, 0 < a < 3) に於ける C の接線 l の傾きは [ ク ] であるから, l の方程式は
y = [ ク ]x - ([ ケ ]/[ コ ])a2 である。

(3) l と x 軸の交点を Q とすると Q の座標は (([ サ ]/[ シ ])a, 0) であり, l と C の P 以外の交点を R とすると R の座標は
([ ス ] - a, [ セ ]a - ([ ソ ]/[ タ ])a2) である。

(4) R から x 軸に垂線を引き, x 軸と交わる点を H とするとき, 三角形 QRH の面積 S は
S = ([ チ ]/[ ツ ])a3 - [ テ ]a2 + [ トナ ]a である。 S は a = [ ニ ]/[ ヌ ] の時最大値をとる。


第三問 (選択 20 点)

本問では vectors はすべて太字斜体を用いる。

一辺の長さが 1 の図のような立方体 ABCD-A'B'C'D' に於て, AB, CC', D'A' を a : (1 - a) に内分する点をそれぞれ P, Q, R 年, AB = x, AD = y, AA' = z と置く, 但し 0 < a < 1 とする。

(1) PQ, PRx, y, z を用いて表すと,
PQ = ([ ア ] - [ イ ])x + y + [ ウ ]z,
PR = [ エオ ]x + (1 - a)y + z となる。 従って
|PQ| : |PR| = 1: [ カ ],
|PQ|2 = [ キ ](a2 - a + [ ク ]),
PQ
PR = a2 - a + [ ケ ] であるから, PQPR の成す角は [ コサ ]°である。

(2) 三角形 PQR の重心を G とすると
DG = (([ シ ] + [ ス ])/[ セ ])(x - y + z) である ( シ ] と [ ス ] は解答の順序を問わない。)

今, 辺 C'D' 上に SQ = SR となるように点 S をとる。 この時
C'S = [ ソ ]C'D' となり SD = ([ タ ] - [ チ ])x - z である。

(3) SGDG が垂直であるとき, a の値は[ ツ ]/[ テ ] であり, ∠QSR = [ トナニ ]°となる。


第四問 (選択 20 点)

複素平面上で

z0 = (√3 + i)(cos θ + i sin θ),
z1 = 4((1 - sin θ) + i cos θ)/((1 - sin θ) - i cos θ)
z2 = -2/z1

の表す点をそれぞれ P0, P1, P2 とする。 但し, 0° < θ < 90°とする。 又, arg z は複素数 z の偏角を表すものとし, 偏角は -180°以上 180°未満とする。

(1) |z0| = [ ア ], arg z0 = [ イウ ]°+ θ である。

(2) z1 の分子と分母に (1 - sin θ) + i cos θ をかけて計算すると
z1 = [ エ ](-sin θ + i cos θ) となる。 よって |z1| = [ オ ], arg z1 = [ カキ ]°+ θ である。

(3) |z1/z0| = [ ク ], arg(z1/z0) = [ ケコ ]°であるから, P0P1 = [ サ ]√[ シ ] である。

(4) 原点 O, P0, P1, P2 の 4 点が同一円周上にある場合を考える。 この時 ∠OP2P1 を考えると
arg ((z1 - z2)/(-z2)) = -[ スセ ]°であるから,
[ ソ ]cos 2θ - [ タ ] = 0 が成り立つ。 よって sin θ = (√[ チ ])/[ ツ ] となる。


第五問 (選択 20 点)

1 から 8 までの整数の何れか一つが書かれたカードが, 各数に対して 1 枚ずつ合計 8 枚ある。 D さんがカードを引いて, 賞金を得るゲームをする。 その規則は次の通りである。

100 円のゲーム代を払って, カードを 1 枚引き, 書いてある数が X の時, pX + q 円を受け取る。 ここで, p, q は正の整数とする。

(1) 確率変数 X の平均 (期待値) は [ ア ]/[ イ ] であり, 分散は [ ウエ ]/[ オ ] である。

(2) D さんがカードを一枚引いて受け取る金額からゲーム代を差し引いた金額を Y 円とする。 確率変数 Y の平均を N とするとき, N を p と q を用いて表すと
N =([ カ ]/[ キ ])p + q - [ クケコ ] である。

(3) N = 0 を満たす p, q の値の組の総数は [ サシ ] である。 その中で, p の最小値は [ ス ], 最大値は [ セソ ] である。

(4) Y の分散は ([ タチ ]/[ ツ ])p2 である。 従って, N = 0 の時 Y の分散の最小値 C は p = [ テ ] の時起こり, C = [ トナ ] である。


第六問 (選択 20 点)

座標平面上に三つの点 P(2, 0), Q(9, 7), R(8, 9) がある。 点 S(x, y) の座標と a を入力し, P, Q, R のうちで, S に最も近い点とその点までの距離の 2 乗を出力するプログラムを以下のように作った。 但し, x, y, a は整数を入力するものとする。

プログラム 1

100 INPUT "x, y ="; X, Y
110 INPUT "a ="; A
120 P = (X - 2)*(X - 2) + Y*Y
130 Q = (X - 9)*(X - 9) + (Y - 7)*(Y - 7)
140 R = (X - 8)*(X - 8) + (Y - A)*(Y - A)
150 D = P
160 E = Q
170 F = R
180 IF D < E THEN [ ア ]
190 IF E < F THEN [ イ ]
200 PRINT "距離の 2 乗は": [ ウ ]
210 PRINT "その点は"
220 IF [ ウ ] = P THEN PRINT "点 P"
230 IF [ ウ ] = Q THEN PRINT "点 Q"
240 IF [ ウ ] = R THEN PRINT "点 R"
250 END

(1) [ ア ], [ イ ] はそれぞれ 「D と E の値を入れ替える」 と 「E と F の値を入れ替える」 ということを意味する。 それぞれに当てはまるものを, 次の 05 の内から一つずつ選べ。

0 G = D: D = E: E = G
1 D = E: G = D: E = G
2 G = D: E = G: D = E
3 G = E: E = F: F = G
4 E = F: G = E: F = G
5 G = E: F = G: E = F

(2) [ ウ ] に入る文字を, 次の 06 の内から一つ選べ。

0 P, 1 Q, 2 R, 3 D, 4 E, 5 F, 6 G

(3) プログラム 1 を実行して x, y =? に対し 5, 4 を入力した。 そのあと a を入力して, 3 点 P, Q, R 全てが出力されるためには a として [ エ ] 又は [ オ ] を入力しなければならない。

(4) プログラム 1 と同じ出力を得るために 150〜190 行を次の 4 行で置き換えた。

150 M = P
160 IF Q < M THEN [ カ ]
170 IF R < M THEN [ キ ]
180 [ ウ ] = M

プログラム中の [ カ ], [ キ ] に当てはまるものを, 次の 03 の内から一つずつ選べ。

0 Q = M, 1 M = Q, 2 M = R, 3 R = M

(5) プログラム 1 を変更して, 距離の 2 乗の最大値とその点を出力するプログラムにするには [ ク ] だけで良い。 [ ク ] に当てはまるものを, 次の 03 の内から一つずつ選べ。

0 180 行目と 190 行目を入れ替える
1 [ ウ ] の文字のみを変更する
2 180, 190 行の IF 文の中の不等式をそれぞれ D > E, E > F に変更する
3 180, 190 行の IF 文の中の不等式をそれぞれ D > E, E > F に変更し, 更に 180 行目と 190 行目を入れ替える

(6) プログラム 1 を変更して, 最小値と最大値の両方を出力するようにするために, 先ず 180 行と 190 行の前後にそれぞれ 1 行追加し,

175 FOR K = 1 TO [ ケ ]
180 IF D < E THEN [ ア ]
190 IF E < F THEN [ イ ]
195 NEXT K

とする。 これで最小値は [ コ ] に, 最大値は [ サ ] に代入されることになる。 あとは点を出力する 200 行目以降の部分を修正するだけでよい。

[ ケ ] には, 180 行目と 190 行目を繰り返す回数のうちで, 題意に適する最小のものを答えよ。 又, [ コ ], [ サ ] に当てはまるものを, (2) の選択肢 06 の内から一つずつ選べ。


解答

センター試験の目次に戻る。