2006 年数学 II ・ B 問題

Sunday, 29th January, 2006.
13:30 -- 14:30(1hr)
平均 57.66


注:

1 「新教育課程履修者」 は, 必答問題の第一問・第二問と, 選択問題の第三問〜第六問のいずれか二問を選択し, 計四問を解答しなさい。 第七問と第八問は解答してはいけません。 又, 指定された問題数を超えて解答してはいけません。

2 「旧教育課程履修者」 は, 必答問題の第一問・第二問と, 選択問題の第三問〜第八問のいずれか二問を選択し, 計四問を解答しなさい。 指定された問題数を超えて解答してはいけません。


第一問 (必答 30 点)

[1] 0°≦ θ < 180°の範囲で函数 f(θ) = 3cos2θ + 4sinθ を考える。

sinθ = t と置けば

cos2θ = [ ア ] - [ イ ]t[ ウ ]

であるから, y = f(θ) と置くと

y = -[ エ ]t[ ウ ] + [ オ ]t + [ カ ]

である。 従って y の最大値は [ キク ]/3 であり, 最小値は [ ケ ] である。

又, α が 0°< α < 90°を満たす角度で f(α) = 3 の時

sin(α + 30°) = ([ コ ](√[ サ ]) + √[ シ ])/[ ス ]

である。

[2] 不等式

2log3x - 4logx27 ≦ 5 …… (*)

が成り立つような x の値の範囲を求めよう。

(1) 不等式 (*) に於いて, x は対数の底であるから

x > [ セ ] 且つ x ≠ [ ソ ]

を満たさなければならない。 又

logx27 = [ タ ]/log3x

である。

(2) 不等式 (*) は

[ セ ] < x < [ ソ ] の時 [ チ ](log3x)2 - [ ツ ]log3x - [ テト ] ≧ 0

x > [ ソ ] の時 [ チ ](log3x)2 - [ ツ ]log3x - [ テト ] ≦ 0

と変形できる。 従って, 求める x の値の範囲は

[ セ ] < x ≦ (√[ ナ ])/[ ニ ], [ ソ ] < x ≦ [ ヌネ ]

である。


第二問 (必答 30 点)

a を正の実数として, C1, C2 をそれぞれ次の二次函数のグラフとする。

C1: y = x2
C2: y = x2 - 4ax + 4a(a + 1)

又, C1 と C2 の両方に接する直線を l とする。

(1) 点 (t, t2) に於ける C1 の接線の方程式は

y = [ ア ]tx - t[ イ ]

であり, この直線が C2 に接するのは t = [ ウ ] の時である。

従って, 直線 l の方程式は

y = [ エ ]x - [ オ ]

であり, l と C2 の接点の座標は

([ カキ ] + [ ク ], [ ケコ ] + [ サ ])

である。

(2) C1 と C2 の交点を P とすると, P の座標は

(a + [ シ ], (a + [ シ ])2)

である。 点 P を通って直線 l に平行な直線を m とする。 直線 m の方程式は

y = [ ス ] + a[ セ ] - [ ソ ]

である。 直線 m と y 軸との交点の y 座標が正となるような a の値の範囲は

a > [ タ ] である。

a > [ タ ] の時, C1 の x ≧ 0 の部分と直線 m 及び y 軸で囲まれた図形の面積 S 葉 a を用いて

S = ([ チ ]/[ ツ ])([ テ ] + 1)[ ト ]([ ナニ ] - 1)

と表される。


「新教育課程履修者」 は, 第三問〜第六問のいずれか二問を選択し, 解答しなさい。

「旧教育課程履修者」 は, 第三問〜第八問のいずれか二問を選択し, 解答しなさい。


第三問 (選択 20 点)

a, b, c を相異なる実数とする。 数列 {xn} は等差数列で, 最初の三項が順に a, b, c であるとし, 数列 {yn} は等比数列で, 最初の三項が順に c, a, b であるとする。

(1) b と c は a を用いて

b = ([ アイ ]/[ ウ ])a, c = [ エオ ]a

と表され, 等差数列 {xn} の公差は [ カキ ]/[ ク ] である。

(2) 等比数列 {yn} の公比は [ アイ ]/[ ウ ] であるから, {yn} の初項から第八項迄の和は, a を用いて

([ ケコサ ]/[ シス ])a

と表される。

(3) 数列 {zn} は最初の三項が順に b, c, a であり, その階差数列 {wn} が等差数列であるとする。 この時, {wn} の公差は ([ セ ]/[ ソ ])aであり, {wn} の一般項は, a を用いて

wn = (([ タ ]n - [ チツ ])/[ テ ])a

である。 従って, 数列 {zn} の一般項は, a を用いて

zn = (a/[ ト ])([ ナ ]n2 - [ ニヌ ]n - [ ネノ ])

と表される。


第四問 (選択 20 点)

本問では vectors はすべて太字斜体を用いる。

平面上の三つのベクトル a, b, c

|a| = |b| = |c| = |a  +  b| = 1

を満たし, ca に垂直で, bc > 0 であるとする。

(1) ab の内積は

ab = [ アイ ]/[ ウ ]

である。 又

|2a + b| = √[ エ ]

であり, 2a + bb の成す角は [ オカ ]°である。

(2) ベクトル cab で表すと

c = ((√[ キ ])/[ ク ])(a + [ ケ ]b)

である。

(3) x, y を実数とする。 ベクトル p = xa + yc

0 ≦ pa ≦ 1, 0 ≦ pb ≦ 1

を満たす為の必要十分条件は

[ コ ] ≦ x ≦ [ サ ], x ≦ (√[ シ ])y ≦ [ ス ]

である。 x と y が上の範囲を動く時, pc は最大値 √[ セ ] をとり, この最大値をとる時の pab で表すと

p = [ ソ ]a + [ タ ]b

である。


第五問 (選択 20 点)

[1] 次の資料は二科目の小テストに関する五人の生徒の得点を記録したものである。 二科目の小テストの得点をそれぞれ変量 x, y とする。

生徒番号 1 2 3 4 5
x 3 4 5 4 4
y 7 9 10 8 6

以下, 計算結果の小数表示では, 指定された (けた) 数 の一つ下の桁を四捨五入し, 解答せよ。 途中で割り切れた場合は, 指定された桁まで 0 にマークすること。

(1) 変量 x の分散を小数で求めると [ ア ].[ イ ] となる。

(2) 変量 y を使って新しい変量 t を

t = y - [ ウ ]

で定めると, 変量 t の平均は 0 になる。

(3) 変量 y を使って新しい変量 u を

u = ((√[ エ ])/[ オ ])y

で定めると, 変量 u の分散は x の分散と同じになる。

(4) 変量 x と変量 y の相関係数を r, 変量 x と変量 y の相関係数を r' とし, それぞれの 2 乗を r2 と (r')2 で表すと

r2 = [ カ ].[ キク ]
(r')2 = [ ケ ].[ コサ ]

となる。

[2] 変量 p と変量 q を観測した資料に対して, 相関図 (散布図) を作った所, 次のようになった。 但し, 相関図 (散布図) の中の点は, 度数 1 を表す。

(1) 二つの変量 p と q の相関係数に最も近い値は [ シ ] である。 [ シ ] に当てはまるものを次の 0 から 6 のうちから一つ選べ。

0 -1.5   1 -0.9   2 -0.6   3 0.0   4 0.6   5 0.9   6 1.5

(2) 同じ資料に対して度数を纏めた相関表を作った所, 次のようになった。 例えば, 相関表中の 7 の 7 という数字は, 変量 p の値が 60 以上 80 未満で変量 q の値が 20 以上 40 未満の度数が 7 であることを表している。

この時, 変量 p のヒストグラムは [ ス ] であり, 変量 q のヒストグラムは [ セ ] である。 [ ス ], [ セ ] に当てはまるものを, 次の 0 から 5 の内から一つずつ選べ。


第六問 (選択 20 点)

2 以上の自然数 n を素因数分解し, その結果を出力するプログラムを作成した。

[プログラム ]

100 IUPUT PROMPT "n = ": N
110 LET I = 2
120 IF [ ア ] THEN
130 	LET I = I + 1
140 	GOTO [ イウエ ]
150 END IF
160 LET N = N/I
170 IF N = 1 THEN
180 	PRINT I
190 	GOTO [ オカキ ]
200 END IF
210 PRINT I;"*";
220 GOTO [ イウエ ]
230 END

但し, 100 行, 110 行, 160 行は, それぞれ次の各行と同じ意味である。

100 INPUT "n = "; N
110 I = 2
160 N = N/I

又 120 行から 150 行は

120 IF [ ア ] THEN I = I + 1: goto [ イウエ ]

と同じ意味であり, 170 行から 200 行は

170 IF N = 1 THEN PRINT I: GOTO [ オカキ ]

と同じ意味である。

(1) [ ア ] は 「N は I で割り切れない」 ということを意味する条件である。 [ ア ] に当てはまるものを, 次の 0 から 5 の内から一つ選べ。 但し, INT(X) は X を超えない最大の整数を表す。

0 N - INT(I/N)*N < 0
1 N - INT(N/I)*I < 0
2 N - INT(I/N)*I < 0
3 N - INT(I/N)*N <> 0
4 N - INT(N/I)*I <> 0
5 N - INT(I/N)*I > 0

(2) プログラム中の [ イウエ ], [ オカキ ] に当てはまる行番号を入れよ。

(3) プログラムを実行し, 変数 N に 60 を入力した時, 160 行は [ ク ] 回実行され, 180 行は [ ケ ] 回実行される。 又, 変数 N に 61 を入力した時, 160 行は [ コ ] 回実行され, 180 行は [ サ ] 回実行される。

[ ク ] 〜 [ サ ] に当てはまるものを, 次の0 から 7 の内から一つずつ選べ。 但し, 同じものを選んでも良い。

0 0   1 1   2 2   3 3   4 4   5 59   6 60   7 61

(4) n を素数でない自然数とする。 このプログラムを変更し, n の約数の内素数であるものを, 重複なく順に出力するようにするには, 160 行を削除して次の 161 行〜164 行を追加し, 更に 210 行の "*" を "," と変更すればよい。

161 IF N - INT(N/I)*I = 0 THEN
162 	LET [ シ ]
163 	GOTO [ スセソ ]
164 END IF

この時, [ シ ] に当てはまるものを, 次の0 から 7 の内から一つずつ選べ。

0 N = N/I
1 N = N*I
2 N = I/N
3 N = N + I
4 I = I + N
5 I = I/N
6 I = N/I
7 I = I*N

又, [ スセソ ] に当てはまる行番号を入れよ。


第七問 (選択 20 点)

複素数 z = x + iy は y > 0 を満たすとする。 複素数平面上で z を表す点を P, 0 を表す点を O, 1 を表す点を A とする。 点 B は直線 OA に関して P と同じ側にあり, △OAB は正三角形であるとする。 点 Q は直線 OP に関して A と反対側にあり, △OPQ は正三角形であるとする。 又, 点 R は直線 AP に関して O と反対側にあり, △PAR は正三角形であるとする。  点 Q, R が表す複素数をそれぞれ, z1, z2 とする。

(1) 点 B が表す複素数 β は

β = ([ ア ] + (√[ イ ])i)/[ ウ ]

である。 点 Q は, P を O の周りに [ エオ ]°だけ回転した点であるから z1[ カ ] である。 [ カ ] に当てはまるものを次の 0 から 5 の内から一つ選べ。

0 βz   1 z/β   2 -βz   3 -z/β   4 z + β   5 z + (1/β)

点 R は, A を P の周りに [ エオ ]°だけ回転した点であるから, z2 = [ キ ] である。 [ キ ] に当てはまるものを次の 0 から 5 の内から一つ選べ。

0 z + β(1 - z)   1 β(1 - z)   2 1 + β(1 - z)
3 z + ((1 - z)/β)   4 (1 - z)/β   5 1 + ((1 - z)/β)

従って w = (z1 - β)/(z2 - β) と置くと

w = (([ クケ ] + (√[ コ ])i)/[ サ ])・((z - 1)/z)

である。

(2) BQ と BR が垂直に交わるのは w が純虚数のときであり, この時, 点 P は常に
([ シ ] - ([√[ ス ]i)/[ セ ] を表す点を中心とする半径 [ ソ ] の円周上にある。


第八問 (選択 20 点)

一個の骰子 (さいころ) を 四回続けて投げる反復試行を行う。 i = 1, 2, ..., 6 それぞれについて, i の目の出た回数を Zi とする。 但し, 四回投げて i の目が一度も出ない場合には, Zi = 0 とする。 Z1, Z2,..., Z6 の値の最大値を X とし, Z1, Z2,..., Z6 の値のうち 1 以上のものの最小値を Y とする。 例えば, 出た芽が 4, 4, 2, 6 の時は, Z1 = 0, Z2 = 1, Z3 = 0, Z4 = 2, Z5 = 0, Z6 = 1 であり, X = 2, Y = 1 である。

以下では Y = k となる確率を P(Y = k) で表す。

(1) P(Y = 4) = [ ア ]/[ イウエ ] である。

(2) P(Y = 2) = [ オ ]/[ カキ ] である。

(3) P(Y = k) > 0 となる k は [ ク ] 個あり, P(Y - 1) = [ ケコ ]/[ サシ ] である。

又 Y の平均は [ スセ ]/[ ソタ] で, 分散は [ チ ]/[ ツテ ] である。

(4) X ≧ 2 となる条件の下で, Y = 1 となる条件付確率は [ トナ ]/[ ニヌ ] である。


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