漸化式


積分の漸化式とは, 積分そのものを求めるのではなく, 何らかの形で次数を下げたりする公式のことである。

参照する都合上, ここには漸化式そのものを掲げ, 証明は別 page に載せてある。 勿論これらの公式は両辺を微分することによって, 簡単に証明できる。 しかし高木貞治先生が 「微分のことは微分でせよ」 と言ったように, 積分のことは積分を取らなくてはいけないのである。 そこで部分積分で証明してある。

m, n, p, q が整数でなくとも成立するが, 整数の時にはこの公式でいつかその指数を 0 (又は 1) 迄追い込むことが出来て, 初等函数で積分を表すことが出来るだろう。


(1) , m ≠ 0.

(2) .

(3) , n ≠ 0.

(4) , n ≠ 0.

(5) , n ≠ 0, 1.

(6) , n ≠ 0, 1.

(7) , n ≠ 0, 1.

(8) , n ≠ 0, 1.

(9) Ip, q = ∫tp(at + b)qdt とするとき

  1. (p + q + 1)Ip, q = bqIp, q-1 + tp+1(at + b)q,
  2. a(p + q + 1)Ip, q = -apIp-1, q + btp(at + b)q-1.

(10) Im, n = ∫sinmx cosnx dx と置くとき

  1. (m + n)Im, n = sinm+1x cosn-1x + (n - 1)Im, n-2,
  2. (m + n)Im, n = -sinm-1x cosn+1x + (m - 1)Im-2, n,
  3. (n + 1)Im, n = -sinm+1x cosn+1x + (m + n + 2)Im, n+2,
  4. (m + 1)Im, n = sinm+1x cosn+1x + (m + n + 2)Im+2, n.

次へ
不定積分の方法論の目次