二次方程式の判別式


x に関する二次方程式 ax2 + bx + c = 0 の解の公式の √ の中 b2 - 4ac をこの二次方程式の判別式 discriminant といい, 普通 D と書く。

a, b, c が全て実数であるとき, D = b2 - 4ac ≧ 0 であると, 解の公式によって, ± 以降がちゃんと生き残るから, 実数解があることが分かる。 逆に D = b2 - 4ac < 0 の場合は, √D が自乗したら D になる (正の) 数のことだったから, 自乗して負になるような数は実数ではないので, そのような実数解は存在しないことが分かる。

a, b, c が実数であると否とにかかわらず, 二次方程式の解と係数の関係により解を α, β とすると

D = b2 - 4ac = a2((b/a)2 - 4c/a) = a2((-(α + β))2 - 4αβ) = a22 + 2αβ + β2 - 4αβ) = a22 - 2αβ + β2) = a2(α - β)2

であるから, D = 0 であることと, この方程式が重解を持つことは同値である。

このように方程式の判別式とは, その (代数) 方程式が (少なくとも一組の) 重解を持つかどうかを (その係数だけから) 判別する式であり, 三次以上でも存在するけれども, 当面の間使わないので, ここではその事実に触れておくに留める。


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