2001 年 数学 I ・ A 解答と解説


第一問 (必答 40 点)

[1]

(1) 式 @ より

y = 4(x2 - 2x) + 5
= 4((x - 1)2 - 1) + 5
= 4(x - 1)2 + 1

ここで (括弧の中の式に注目して) x - 1 = 0 と置くと x = 1, y = 1. 従って頂点は (1, 1).

一方 A の頂点は x + a = 0 と置くと, x = -a, y = b より, (-a, b) であるから比較して

a = -1, b = 1. (各 2 点, 計 4 点)

(2) 4x2 - 8x + 5 = 17 と置ける。
4x2 - 8x - 12 = 0. (両辺 4 で割って)
x2 - 2x - 3 = 0.
(x + 1)(x - 3) = 0.

x = -1, 3. (各 2 点, 計 4 点)

ここで A に於いて x = -1, y = 17 とすると
-2(-1 + a)2 + b = 17 …… B
同様に x = 3, y = 17 とすると
-2(3 + a)2 + b = 17 …… C

B - C: -2(-1 + a)2 + 2(3 + a)2 = 0.
(3 + a)2 - (-1 + a)2 = 0. (因数分解する)
(3 + a - 1 + a)(3 + a + 1 - a) = 0
4(2a + 2) = 0
∴ a = -1.
B に代入して -8 + b = 17 ∴ b = 25.
各々 A に代入して y = -(x - 1)2 + 25.

よって軸の方程式は x = 1 (3 点) で, 頂点の座標は (1, 25) (y 座標のみ 3 点).

(3) C1 を x 軸方向に c, y 軸方向に -4c 平行移動すると
y = 4(x - c)2 - 8(x - c) + 5 - 4c.

ここで x = 0 と置くと
4c2 + 8c + 5 - 4c
= 4c2 + 4c + 5 = 4 となるようにすればよい。 即ち
4c2 + 4c + 1 = 0
(2c + 1)2 = 0.

c = -1/2 (=). (3 点)

-4c = -4×(-1/2) = 2 であるから, 最小値は 2 大きくなる。(3 点)


二次函数に関する基本的な問題である。 (3) に関しては 「平行移動」 に関して

函数 y = f(x) のグラフを x 軸方向に a, y 軸方向に b 平行移動するとその式は

y = f(x - a) + b

という公式を良く覚えておく必要があろう。


[2]

(1) (一回で終わる確率) + (二回で終わる確率)
= (一回目に赤球が出る確率) + (一回目は青か黄が出て二回目が赤の確率)
(5 点)

(2) 三回目をやる確率は 1 - 3/4 = 1/4. 従って
100×1/2 + 200×1/4 + 300×1/4 = (200 + 200 + 300)/4 = 700/4 = 175 [円]. (5 点)

(3) (一回目と二回目が青である確率) + (一回目又は二回目と三回目が青である確率)
(5 点)

(4) 余事象の一回も取り出されない確率を考えると
3/6 + (2/6)×(3/6) + (2/6)×(2/6)×(5/6)
= 1/2 + 1/6 + 5/54 = (27 + 9 + 5)/54 = 41/54.
∴ 1 - 41/54 = 13/54. (5 点)


これは基本的な問題であろう。


第二問 (必答 40 点)

[1] [数学 A]

A - B = 5x2 - 5x - 10 = 5(x + 1)(x - 2). (各 2 点計 4 点)

(1) P = x + 1 だから因数定理により x = -1 を A に代入して
A|x = -1 = -1 + 5 - a2 + a2 - 6a + 20
= -6a + 24 = 0.

∴ a = 4. (4 点)

∴ A = x3 + 5x2 + 16x + 16 - 24 + 20
= x3 + 5x2 + 16x + 12
= (x + 1)(x2 + 4x + 12)
= (x2 + 4x + 12)P. (4 点)

B = x3 + 21x + 22
= (x + 1)(x2 - x + 22)
= (x2 - x + 22)P. (4 点)

(2) Q = x - 2 だから剰余定理により x = 2 を B に代入すると
R = B|x = 2 = 8 + 2(a2 + 5) + a2 - 6a + 30
= 3a2 - 6a + 48
= 3(a2 - 2a) + 48
= 3((a - 1)2 - 1) + 48
= 3(a - 1)2 + 45. (4 点)


因数定理, 剰余定理を良く理解していれば簡単な問題である。


[2]

cos ∠ABD = cos(180° - ∠ABC)
= -cos ∠ABC (0 < ∠ABC < 90° より)

(4 点)

(第二) 余弦公式より
AD2 = AB2 + BD2 - 2AB・BD cos ∠ABD
= 9 + 5 -
= 14 + 6 = 20.

AD > 0 より, . (4 点)

正弦公式より

(4 点)

AB と OC の交点を E と置くと
BE = (1/2)AB = 3/2.

△BCE で, BE/BC = cos ∠ABC.

∴ BE = BC cos ∠ABC.


対称性から

正弦公式から

(4 点)

OO' = OE + EO'

(4 点)


三角比の問題というよりは初等幾何の問題である。

最後の OO' 等は三平方の定理の問題と気付かずに随分無駄に時間を過ごしてしまった (^_^;


第三問 (選択 20 点) [数学 A 数列]

(1) a3 = a1 + 4 = 6.
a4 = a2 + 4 = 7.
a5 = a3 + 4 = 10.
a6 = a4 + 4 = 11.
(各 1 点計 4 点)

a40 は偶数項でいうと第 20 項に当たるから,
a40 = a2 + 4×(20 - 1) = 3 + 4×19 = 79. (3 点)

奇数番目の項と偶数番目の項の和に分解して (上の規則から a39 = a40 - 1)

(4 点)

(2) bn - c = 2n-1 より
b3 - c = 7 - c = 4. ∴ c = 3. (3 点)
b1 = 1 + c = 4. (3 点)


(3 点)


見慣れないかもしれないが (1) も漸化式の基本的な問題。 (1 - (-1)n)/2 と (1 + (-1)n)/2 を調べてみることによって

an = ((1 - (-1)n)/2)(2n) + (1 + (-1)n)/2)(2n -1)
= 2n + (1 + (-1)n)/2).

Σk = 1n ak = n(2n + 3)/2 + (1 - (-1)n)/4

であることが分かる。

(2) を見ると, 210 = 1024 が常識として用いられていることが分かる。 やはり 1024 B = 1 KB は覚えておくべき数値となっているらしい。


第四問 (選択 20 点) [数学 A]

(1) 内心は各頂角の二等分線の交点であるから, ∠ACD = (1/2)∠ACB. (3 点)

ターレスに拠って ∠ACB = 90° なので
∠ABE = ∠ACE = ∠ACD = 45°. (3 点)
∠EDB = 45° + (1/2)∠ABC = ∠EBD. (3 点)

対称性によって, E は弧AB の中央にあるので
(3 点)

三平方の定理より l2 = 2 - r2. (3 点)

内接円の半径 r が最大になる ∠ABC = 45° のとき l は最小で (2 点), このとき

故に

(3 点)


第五問 (選択 20 点)

(1) X = 2, N = 5 とする。
Y = 1 → N は奇数だから Y = 1×2 = 2
→N = [5/2] = 2→ N は 0 ではないので X = 22 = 4
→N が 2 で割り切れるので N = 2/2 = 1
→N は 0 ではないので X = 42 = 16
→N は 2 で割り切れないので Y = 2×16 = 32
→N = [1/2] = 0
→N = 0 なので Y = 32 を表示→終了。 (4 点)

X = 1, N = 13 とする。
Y = 1→N は奇数だから Y = 1×1 = 1 (一度目)
→N = [13/2] = 6→N は 0 でないので X = 12 = 1 (一度目)
→N は偶数なので N = 6/2 = 3
→N は 0 でないので X = 12 = 1 (二度目)
→N は奇数なので Y = 1×1 = 1 (二度目)
→N = [3/2] = 1→N は 0 でないので X = 12 = 1 (三度目)
→N は奇数なので Y = 1×1 = 1 (三度目)
→N = [1/2] = 0→N = 0 なので Y = 1 を表示→終了。

というわけで Y = YX は 3 回, X = X23 回。(各 3 点計 6 点)

(2) X = 2, N = 5 を入力。
120 Y = 1
130 X = X*X = 4
140 N は奇数なので skip
150 Y = Y*X = 4*1 = 4
160 N = INT(5/2) = 2
170 N は 2 だから skip
180 無条件に 140 行に
140 N は偶数なので 160 行に
160 N = INT(2/2) = 1
170 N は 1 だから skip
180 無条件に 140 行に
140 N は奇数だから skip
150 Y = Y*X =4*4 = 16
160 N = INT(1/2) = 0
170 N = 0 なので 190 行に
190 Y = 16 を表示
200 終了。(5 点)

(3) フローチャートに拠れば N が 0 でなかったら X に X*X を代入するので 170 行と 180 行の間に入れなくてはいけない。というわけで選択肢の中でそれに該当するのは 175 行の 3. (5 点)


こういう問題は computer になったつもりで順に実行してみるしかない。


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