2004 年 数学 I ・ A 解答と解説


第一問 (必答 40 点)

[1]

y = -x2 + (2a - 5)x - 2a2 + 5a + 3
= -(x2 - (2a - 5)x) - 2a2 + 5a + 3
= -((x - (2a - 5)/2)2 - (4a2 - 20a + 25)/4) - 2a2 + 5a + 3
= -(x - (2a - 5)/2)2 + (4a2 - 20a + 25 - 8a2 + 20a + 12)/4
= -(x - (2a - 5)/2)2 + (-4a2 + 37)/4.

(1) 上記より頂点は ((2a - 5)/2, (-4a2 + 37)/4). (x 座標, y 座標各 3 点)

(2) 上に凸なので, 頂点の y 座標 > 0 であればよい。 従って
(-4a2 + 37)/4 > 0.
a2 - 37/4 < 0.

従って -(√37)/2 < a < (√37)/2. (4 点)

(3) 36 < 37 < 49 より 6 < √37 < 7. つまり 3 < (√37)/2 < 7/2 だから, (2) の条件を満たす整数 a は a = 0, ±1, ±2, ±3.

x 軸との交点の x 座標は x = (2a - 5)/2 ± √(37 - 4a2)/2 である。 これが整数になるためには √ の中が平方数でなければならないので a = ±3 以外あり得ない。

a = 3 の時 x = 1/2 ± 1/2 より x = 0, 1 (適).
a = -3 の時 x = -11/2 ± 1/2 より x = -5, -6 (適) (サシ, スセ, 各 2 点計 4 点).

従って a = 3 又は a = -3. (各 3 点)


標準的で平易。


[2]

(1) a = b の時だから 6/36 = 1/6. (5 点)

(2)  u = a/b > 1 つまり a > b である。
a = 1 の時 0 通り,
a = 2 の時 1 通り,
a = 3 の時 2 通り,
a = 4 の時 3 通り,
a = 5 の時 4 通り,
a = 6 の時 5 通り。
従って 15/36 = 5/12. (5点)

(3)
u = 1 の時 6 通り。
u = 2 (a = 2b) の時 (a, b) = (2, 1), (4, 2), (6, 3) の 3 通り。
u = 3 (a = 3b) の時 (a, b) = (3, 1), (6, 2) の 2 通り。
u = 4 (a = 4b) の時 (a, b) = (4, 1) の 1 通り。
u = 5 (a = 5b) の時 (a, b) = (5, 1) の 1 通り。
u = 6 (a = 6b) の時 (a, b) = (6, 1) の 1 通り。
だから 14/36 = 7/18. (5 点)

(4) (3) の表により,
2・3/36 + 4・1/36 + 6・1/36 + 1・9/36
= (6 + 4 + 6 + 9)/36 = 25/36. (5 点)


極めて標準的で平易。


第二問 (必答 40 点)

[1]

(1) x3 + mx2 + nx + 2m + n + 1
= (x2 - 2x - 1)(x + (m + 2)) + (2m + n + 5)x + 3m + n + 3.

より Q = x + (m + 2), R = (2m + n + 5)x + 3m + n + 3. (各 2 点, 計 6 点)

x = 1 + √2 とすると
x - 1 = √2
x2 - 2x + 1 = 2
x2 - 2x - 1 = 0 より B = 0. (3 点)

故に A = (2m + n + 5)(1 + √2) + 3m + n + 3
= (5m + 2n + 8) + (2m + n + 5)√2 = -1.
m, n ∈ Z より
5m + 2n + 8 = -1,
2m + n + 5 = 0.
つまり
5m + 2n = -9,
2m + n = -5.
従って m = 1, n = -7. (各 3 点)

(2) x ≡ 1 (mod 2) より
A ≡ 1 + m + n + n + 1 = 2n + 2 + m ≡ m (mod 2)
だから A ≡ 0 (mod 2) ⇔ m ≡ 0 (mod 2) ⇔ m が偶数。 即ち (3) (5 点)。


(2) は合同式を知らないと少し面倒かもしれない。 後は普通。


[2] △OAP で (第二) 余弦定理を用いて
4 = OA2 + 6 - 2(√6)OA cos 45°
 = OA2 + 6 - 2(√6)OA・1/√2
 = OA2 + 6 - 2(√3)OA.
OA2 - 2(√3)OA + 2 = 0.
OA = √3 ± √(3 - 2) = √3 ± 1. (5 点)

∠AOB = 90°であるから
AB = (√2)OA = √6 - √2. (5 点)

△OAB が OA = OB で ∠AOB = 90°の直角二等辺三角形だから,
∠BAC = 180°- ∠BAO = 180°- 45°= 135°(5 点).

正弦定理より BC/sin 135° = 4
BC = 4 sin 135°= 4・1/√2 = 22. (5 点)


図がちゃんと描けさえすれば難しくない。 図が描けないと困難。
因みにこの図は Microsoft Excel で描いた図を, Windows 付属のペイントにコピペして上書したもの。


第三問 (選択 20 点)

(1) 公比を r と置くと, a4 + a5 ≠ 0 より明らかに r ≠ 0. 同様に a1 ≠ 0 で an = a1rn-1 だから,
a1 + a2 = a1(1 + r) = 32,
a4 + a5 = a1r3(1 + r) = 864.
明らかに 1 + r ≠ 0 より
(a4 + a5)/(a1 + a2) = r3 = 864/32 = 27 = 33.
anZ より r = 3.
従って a1 + a2 = a1・4 = 32. つまり a1 = 8.
以上より an = 83n-1. (5 点)

Σk=1n (ak + 4k - 2)
= Σk=1n ak + 4Σk=1n k - Σk=1n 2
= 8(3n - 1)/(3 - 1) + 4・n(n + 1)/2 - 2n
= 8(3n - 1)/2 + 2n2 + 2n - 2n
= 43n + 2n2 - 4. (5 点)

(2) 7x ≡ 9 (mod 10) となる一桁の正の整数 x を考えると, それは 7 しか無い。
37・7 = 259 である。 下一桁だけ無視すると 25 で, 今度は 7x + 5 ≡ 9 (mod 10) となる一桁の正の整数 x を考えると, それは 2 しか無い。 37・27 = 999 で上手くいく。 そうすると
9/37 = (9・27)/(37・27) = 243/999 = 0.[243] (この [243] は循環節を表すこの site だけの記号)。 だから p = 3. (5 点)

100 = 3・33 + 1 より
Σk=1100 bk = (2 + 4 + 3)・33 + 2 = 297 + 2 = 299. (5 点)


(2) の議論は難しければ本当に 9/37 = 0.243243243...... というのを実験してみればよい。 基本的であって難しくはない。 が果して数学 I ・ A の問題として適当かどうか疑問が残る。 (2) は数学 III の範囲かもしれないからである。


第四問 (選択 20 点)

(1) EC = (3/4)BC = 3/4. (2 点)
ED = √((3/4)2 + 12) = √(9 + 16)・4 = (√25)/4 = 5/4. (3 点)
EF = ED - DF = 5/4 - 1 = 1/4. (2 点)
BE = 1/4 = EF = FE. 従って キ は 2. (2 点)
∠BGE = ∠FGE. 従って ク は F. (2 点)
∠GBI = 45°= ∠EBI. 従って ケ は C. (2 点)

(2) JI = JB = r. だから コ は 9. (2 点)
三角形の相似から GB : BE = GJ : JI. だから サ は 7. (2 点)
よって 1/2 : 1/4 = (1/2 - r) : r.
2 : 1 = (1/2 - r) : r.
1/2 - r = 2r.
3r = 1/2. 従って r = 1/6. (3 点)


キ と ケ は引っかけ問題だ。 センター試験でこういうのを出していいのだろうか。

それは別としてもやや難しい。

(2) では S = (a + b + c)r/2 を用いることも考えられる。


第五問 (選択 20 点)

この問題は, いつものように自分が computer になったつもりで一行一行実行しても良いが, 実は B > 0 に対し X ∈ Z,  0 ≦ Y < B が存在して A = B・X + Y となるその X と Y を計算していることが良く見ると分かるので, それを使うと簡単 (つまり X が商で, Y が (plus の) 余り)。

(1) A = 50, B = 11 の時 50 = 11・4 + 6 なのだから, 170 行は丁度 X の値の分だけ実行され, 210 行は A < 0 の時だけ実行されるのだから, 実は実行されない。 というわけで
4046. (各 2 点)

(2) 同様に A = -50, B = 6 とすると, -50 = 6・(-9) + 4 である。 170 行は A > 0 の時だけ実行されるのでこの場合は実行されない。 210 行は |X| の値の分だけ実行される。 というわけで
09 キク -94. (各 2 点)

(3) 14.9 = 2.5・5 + 2.4 であるから X = 5 (コ 2 点), Y = 2.4 = 12/5 (2 点).


上記の通りだが, (3) などはまるで算数の問題である (余りが小数でちゃんと出せるかという)。


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