2005 年数学 II ・ B 解答と解説


第一問 (必答 30 点)

[1]

(1) AC2 = (cos 2θ + 1)2 + sin22θ = 1 + 2cos 2θ + cos22θ +  sin2
 = 2 + 2cos 2θ (1 点)
 = 2 + 2(2cos2θ - 1)
 = 4cos2θ. (1 点)

BC2 = (cos θ - cos 2θ)2 + (sin θ - sin 2θ)2 = 2 - 2(cos θ cos 2θ + sin θ sin 2θ)
 = 2 - 2cos(2θ - θ)
 = 2 - 2cosθ. (1 点)
 = 4×(1 - cos θ)/2
 = 4sin2(θ/2) (半角の公式) (1 点).

故に d = 2|cos θ| + 2 sin(θ/2). (各 1 点)

(2) t = sin(θ/2) と置く。 0 ≦ θ ≦ 90°の時 0 ≦ t ≦ (√2)/2 (1 点) で
d = 2(1 - 2t2) + 2t = -4t2 + 2t + 2 (各 1 点).

90°≦ θ ≦ 180°の時 (√2)/2 ≦ t ≦ 1 であり
d = 2(2t2 - 1) + 2t = 4t2 + 2t - 2.

t ≦ (√2)/2 の時
d = -4(t2 - t/2) + 2 = -4(( t - 1/4)2 - 1/16) + 2 = -4(t - 1/4)2 + 1/4 + 2
 = 4( t - 1/4)2 + 9/4.

t ≧ (√2)/2 の時
d = 4(t2 + t/2) - 2 = 4((t + 1/4)2 - 1/16) - 2 = 4(t + 1/4)2 - 1/4 - 2
 = 4(t + 1/4)2 - 9/4.

Graph から t = (√2)/2 (2 点) の時最小値 √2 (1 点) を採り, この時 sin(θ/2) = (√2)/2, θ/2 = 45°, 即ち θ = 90° (1 点).

又 t = 1 (2 点) の時最大値 4 (1 点) を採り, この時 sin(θ/2) = 1, θ/2 = 90°, 即ち θ = 180°(1 点).


(1) は答えが見え見えである。

(2) では半角の公式を用いている。 Graph を書けば大したことはない。


[2]

(1) 2x = (5/2)y より x = log2 (5/2)y = y log2(5/2) = y(log25 - 1) (3 点).

b - a = (5/2)y - 2x
 = (5/2)y - 2y log25 + 2y
 = y(9/2 ー 2log25) (2 点)
 = (y/2)(9 - 4log25).

29 = 512, 54 = 625 で 512 < 625 より 9 < 4log25. 従って b - a < 0 だから a の方が大きい (2 点)。

(2) 2x = 3z より x = z log23 (1 点).

c - a = 3z - 2x = 3z - 2z log23 = z(3 - 2log23).

23 = 8 < 32 = 9 だから c - a < 0 なので a の方が大きい (2 点)。

(3) (5/2)y = 3z より z = y log3 (5/2).

b - c = (5/2)y - 3y log3 (5/2) = (y/2)(5 - 6log3 (5/2)). ここで 35 < (5/2)6 だから b - c < 0. 従って b < c だから
b < c < a (3 点)


誘導に従っていけばいいので難しくはない。


第二問 (必答 30 点)

(1) y = x2 + 2ax - a3 - 2a2 = (x + a)2 - a3 - 3a2.

従って x = -a, y = -a3 - 3a2 とすると a = -x より
y = -(-x)3 - 3(-x)2
y = x3 - 3x2 (2 点)

(2) y = -a3 - 3a2 と置く。 dy/da = -3a2 - 6a = -3a(a + 2).

a -3   -2   0   1
dy/da   - 0 + 0 -  
y 0 極小
-4
極大
0
(-4)

最大は a = 0 の時と a = -3 の時で, 最小となるのは a = -2 の時 (各 3 点)。

(3) C1: y = x2
C2: y = x2 - 6x + 9. (1 点)
C3: y = x2 - 4x (1 点).

C1 と C2 の交点の x 座標は 9/6 = 3/2 (2 点)。
C1 と C3 の交点の x 座標は 0 (2 点)
C2 と C3 の交点の x 座標は x2 - 6x + 9 = x2 - 4x より 2x = 9 即ち x = 9/2 (2 点).

(4) 先ず頂点に着目すると C1 と C2 は共に x 軸上にある。 C3 の頂点は x 軸よりも下にある。 これだけで 3 だと分かる。 (2 点)

以上から求める面積は
03/2 (x2 - (x2 - 4x))dx + ∫3/29/2(x2 - 6x + 9 - (x2 - 4x))dx
= ∫03/2 4xdx + ∫3/29/2(-2x + 9)dx
= [2x2]03/2 + [-x2 + 9x]3/29/2
= 9/2 - 81/4 + 81/2  - (-9/4 + 27/2)
= (90 - 27)/2 - 72/4 = 63/2 - 36/2 = 27/2 (6 点).


(4) の前半が一寸変わっているか。 Graph を正しく描けば大したことはない。


第三問 (選択 20 点)

本問では vectors はすべて太字斜体を用いる。

AB = (x, y), AC = (z, w).
A1 が B1C1 の中点より w = -y (2 点).
B2 が A2C2 の中点より z = 2x (2 点).

AB の中点を D とすると CDPA = 0. (2 点)

PQ = (-4, 3) (2 点)

CD = AD - AC
 = (1/2)AB - AC
 = (1/2)(AB - 2AC) (2 点)
 = (1/2)((x, y) - 2(2x, -y))
 = (1/2)(-3x, 3y)
 = (3/2)(-x, y).

(2/3)CDPQ = (-x, y)・(-4, 3) = 4x + 3y = 0 より y = (-4/3)x (3 点).

よって AB = (x, (-4/3)x) = x(1, -4/3),
AC = (2x, -y) = (2x, (4/3)x) =x(2, 4/3) (2 点).

AB = (x/3)(3, -4), AC = (x/3)(6, 4) = (x/3)・2(3, 2) より
AC/AB = 2(√(9 + 4))/5 = 2(√13)/5.
即ち AC = (2(√13)/5)AB. (2 点)

cos∠BAC = (3, -4)・(6, 4)/(5×2√13) = (18- 16)/(10√13) = 2/(10√13) = (√13)/65. (3 点)


最初図に驚かされるかもしれないが, 実は大したことはない。


第四問 (選択 20 点)

arg((γ - α)/(β - α)) = ±∠BAC = ±90°(2 点),
|(γ - α)/(β - α)| = AC/AB = 1 (2 点).

arg((γ - α)/(β - α)) = 90°とすると (γ - α)/(β - α) = 1・(cos 90° + i sin 90°) = i.
(1) より γ = -α - β だから
γ - α = i(β - α)
-2α - β = iβ - iα
-(1 + i)β = (2 - i)α
β = -((2 - i)/(1 + i))α = -((2-i)(1-i)/2)α = -((1 - 3i)/2)α = ((-1 + 3i)/2)α (2 点).

γ = -α - β = ((-2 + 1 - 3i)/2)α = ((-1 - 3i)/2)α (2 点).

(2) より
p = αβ + βγ + γα = ((-1 + 3i)/2 + ((-1 + 3i)/2)・((-1 - 3i)/2) + (-1 - 3i)/2)α2
 = ((-1 + 3i)/2 + 5/2 + (-1 - 3i)/2)α2 = (3/22. (3 点)

q = αβγ = ((-1 + 3i)/2)・((-1 - 3i)/2)α3 = (5/2)α3. (3 点)

従って
α6 = ((2/3)p)3 = ((2/5)q)2.
(8/27)p3 = (4/25)q2
50p3 = 27q2 (3 点)

D は vector で考えると
α + (β - α) + (γ - α) = β + γ- α = ((-1 + 3i)/2)α + ((-1 - 3i)/2)α - α = -2α (3 点)


計算が多くて計算間違いに気をつければ大丈夫だろう。 複素数の幾何はこれが最後である。


第五問 (選択 20 点)

(1) 五回の内一回だけ A が起るのだから

5C1×(1/3)×(2/3)4 = 80/243 (2 点)

(2) 丁度四回目で終わる確率は
3C1×(1/3)×(2/3)2×(1/3) = 4/27 (3 点)

二回目で終わる確率は (1/3)×(1/3) = 1/9.
三回目で終わる確率は 2×(1/3)×(2/3)×(1/3) = 4/27
従って四回目又は五回目で終わる確率は 1 - 1/9 - 4/27 = 20/27 (3 点)

[別解]
五回目で終了する確率は (a) 四回目までに一回当たり, 五回目は当たってもはずれてもやる。 (b) 四回目までに一度も当たらず五回目に当たる (c) 五回目まで全てはずれる。 の三つの場合を合計すればよい。 従って
4/27 +  4C1×(1/3)×(2/3)3 + (2/3)4(1/3) + (2/3)5 = 4/27 + 52/81 + 16/243 + 32/243
= (12 + 32)/81 + 48/243 = 44/81 + 16/81 = 60/81 = 20/27.

(3) 三回目までに一度も A が起らない確率は (2/3)3 = 8/27. (2 点)
三回目までに一度も a が起らないという条件下での X > a となる確率は (a) 4 又は 5 で一回当たる, (b) 4 と 5 と二回当たる の二通りを考えねばならないから
(2×(2/3)4×(1/3) + (2/3)3×(1/3)2)/(2/3)3 = 4/9 + 1/9 = 5/9. (4 点)

(4) E(X) = a + 1×80/243 + 3×(1 - 80/243 - 32/243) - m×(2/3)5
= a + 80/243 + 393/243 - 32m/243
= a + (473 - 32m)/243 (各 2 点).

E(X) > a とすると 473 - 32m > 0 つまり m < 473/32 = 14 + 25/32 より m = 14 が最大 (2 点)。


実は最初 [別解] の (b) を見落としていて正解が出ずに困った。 やっぱり確率の問題などやるものではない。


第六問 (選択 20 点)

(1) 計算を続けるので, counter N を変化させねばならにから 130. (2 点)

(2) B ≦ 0 になったときに計算を打ち切っているので B は一度逆算し直さなければならない。 従って 4. (3 点)

(3) c1 = 1.05(c0 - m)
c1 - c0 = 0.05c0 - 1.05m ≧ 0.
m ≦ (0.05/1.05)c0 = 2150/21 = 102 + 8/21.
従って m の最大値は 102. (3 点)

(4) 130 迄が初期設定で 140. (2 点)
160 行までで計算するのはぴったりの金額だから 1 を足さねばならない。 従って 3 (4 点)

I B
3 90/1.05 + 90 ≒ 175.71
2 175.71/1.05 + 90 ≒ 257.43

次の step で I = 1 となって roop を出るから, 最後に小数点以下を切り捨てて 1 を足すので出力は 258 (4 点)
実行回数は 2 回 (2 点)


(4) のサは引っかけじゃないだろうか。

これでは数学の問題じゃなくて programming の問題になっている。 あんまり良くない問題だと思う。


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