2005 年数学 II ・ B 問題

Sunday, 16th January, 2005.
13:50 -- 14:50 (1hr)
平均 52.47


第一問, 第二問は必答。
第三問から第六問までのうちから二問選択。
計四問を解答。


第一問 (必答 30 点)

[1] 座標平面上の三点 A(-1, 0), B(cos θ, sin θ), C(cos 2θ, sin 2θ) について, θ が 0°≦ θ ≦ 180°の範囲を動くとき d = AC + BC の最大値と最小値を求めよう。

(1) AC2 = [ ア ] + 2cos 2θ
     = [ イ ]cos2θ
  BC2 = [ ウ ] - 2cos θ
     = [ エ ]sin2(θ/2) であるから
    d = [ オ ]|cos θ| + [ カ ]sin(θ/2) である。

(2) t = sin(θ/2) と置く。 0°≦ θ ≦ 90°の時
0 ≦ t ≦ (√[ キ ])/[ ク ] であり, d = -[ ケ ]t2 + [ コ ]t + 2 である。
 90°≦ θ ≦ 180°の時, (√[ キ ])/[ ク ] ≦ t ≦ 1 であり, d = [ ケ ]t2 + [ コ ]t - 2 である。

従って, d は t = (√[ サ ])/[ シ ] の時最小値√[ ス ] を採り, この時の θ の値は [ セソ ]°である。 又 d は t = [ タ ] の時最大値 [ チ ] を採り, この時の θ  の値は [ ツテト ]°である。

[2] x, y, z は正の数で 2x = (5/2)y = 3z を満たしているとする。 この時 a = 2x, b = (5/2)y, c = 3z と置き, a, b, c の大小関係を調べよう。

(1) x = y(log2[ ナ ] - [ ニ ]) であるから
b - a = y([ ヌ ]/2 - 2log2[ ナ ]) である。 従って, a と b を比べると [ ネ ] の方が大きい。

(2) x = z log2[ ノ ] であるから c - a = z(3 - 2log2[ ノ ]) である。 従って, a と c を比べると [ ハ ] の方が大きい。

(3) 35 < (5/2)6 であることを用いると, a, b, c の間には大小関係
[ ヒ ] < [ フ ] < [ ヘ ] が成り立つことが分かる。


第二問 (必答 30 点)

a を定数とし, 放物線 y = x2 + 2ax - a3 - 2a2 を C, その頂点を P とする。

(1) 頂点 P の座標は ([ アイ ], -a[ ウ ] - [ エ ]a2) である。 従って, どのような定数 a についても, 頂点 P は y = x[ オ ] - [ カ ]x2 のグラフ上にある。

(2) a が -3 ≦ a < 1 の範囲を動くとする。 頂点 P のy 座標の値が最大となるのは a = [ キ ] と a = [ クケ ] の時であり, 最小となるのは a = [ コサ ] の時である。

(3) a の値を (2) で求めた [ キ ], [ クケ ], [ コサ ] とするときの放物線 C をそれぞれ, C1, C2, C3 とする。 放物線, C2, C3 の方程式は

C2: y = x2 - [ シ ]x + [ ス ]
C3: y = x2 - [ セ ]x

である。 この時 C1 と C2 の交点の x 座標は [ ソ ]/2,
C1 と C3 の交点の x 座標は [ タ ]
C2 と C3 の交点の x 座標は [ チ ]/2 である。

(4) C1, C2, C3 を座標平面上に図示したとき, それらの位置関係を著わす最も適当なものは, 下の図の 0 から 3 の内 [ ツ ] である。 但し, 座標軸や曲線名は省略してある。

三つの放物線 C1, C2, C3 で囲まれた図形の面積は [ テト ]/[ ナ ]である。


第三問 (選択 20 点)

本問では vectors はすべて太字斜体を用いる。

座標平面上の三点 O(0, 0), P(4, 0), Q(0, 3) を頂点とする三角形 OPQ の内部に三角形 ABC があるとする。 A, B, C から直線 OQ に引いた垂線と OQ との交点をそれぞれ, A1, B1, C1 とする。 A, B, C から直線 OP に引いた垂線と PQ との交点をそれぞれ, A2, B2, C2 とする。 A, B, C から直線 PQ に引いた垂線と OQ との交点をそれぞれ, A3, B3, C3 とする。

A1 が線分 B1C1 の中点であり, B2 が線分 A2C2 の中点であり, C3 が線分 A3B3 の中点であるとする。

AB = (x, y), AC = (z, w) と置く。 A1 が線分 B1C1 の中点であるから w = [ ア ]y である。 B2 が線分 A2C2 の中点であるから z = [ イ ]x である。 線分 AB の中点を D とすると, C3 が線分 A3B3 の中点であるから CDPA = [ ウ ] である。 又
PQ = ([ エオ ], [ カ ]), CD = ([ キ ]/[ ク ])(AB - [ ケ ]AC) であるから
y = ([ コサ ]/[ シ ])x である。 従って
AB = x(1, [ コサ ]/[ シ ]), AC = x([ イ ], [ ス ]/[ セ ]) である。 故に
AC = ([ ソ ]√[ タチ ])/[ ツ ])AB, cos∠BAC = (√[ テト ])/[ ナニ ] である。


第四問 (選択 20 点)

二つの複素数 p, q と三つの異なる複素数  は

α + β + γ = 0 …………… (1)
αβ + βγ + γα = p ……… (2)
αβγ = q ………………… (3)

を満たすとする。 複素数 α, β, γ が複素数平面上で著わす点をそれぞれ A, B, C とし, 三角形 ABC は, AB = AC の直角二等辺三角形であるとする。 この時
arg((γ - α)/(β - α)) = ±[ アイ ]°, |(γ - α)/(β - α)| = [ ウ ]
である。 ここで, 複素数 z の偏角 arg z は -180°≦ arg z < 180°を満たすとする。

以下 arg((γ - α)/(β - α)) = [ アイ ]°であるとする。 この時 (1) を用いると
β = (([ エオ ] + [ カ ]i)/[ キ ])α, γ = (([ クケ ] - [ コ ]i)/[ サ ])α である。
更に (2), (3) から p = ([ シ ]/[ ス ])α[ セ ], q = ([ ソ ]/[ タ ])α[ チ ] である。
従って, p と q は [ ツテ ]p[ ト ] = [ ナニ ]q[ ヌ ] を満たさなければならない。

更に, 複素数平面上に点 D があり, 四角形 ABDC が正方形であるとき, D を表す複素数は [ ネノ ]α である。


第五問 (選択 20 点)

骰子を最大五回まで投げ, 目の出方に応じてポイントを得る次のゲームを D さんが行う。 D さんは最初 a ポイント持っている。

D 骰子を投げて 5 又は 6 の目が出る事象を A とする。 事象 A が初めて起った時点では 1 ポイントを得て引き続きゲームを続行し, 二度目に事象 A が起れば 2 ポイントが加算されて合計 3 ポイントを得て, その時点でゲームを終了する。 尚骰子を五回投げても, 事象 A が一度しか起らない場合には, 一度目に得た 1 ポイントのままで終了する。 もし五回投げても事象 A が一度も起らない場合には, 予め定めた m ポイントが減点されて終了する。 但し, a と m は自然数で a ≧ m とする。

このゲームが終了した時点での D さんの持つポイント数を確率変数 X とする。

(1) X = a + 1 となる確率は [ アイ ]/243 である。

(2) 丁度四回目でゲームが終了する確率は [ ウ ]/[ エオ ] であり, 終了する時点が四回目又は五回目となる確率は [ カキ ]/[ クケ ] である。

(3) 三回目までに一度も事象 A が起らない確率は [ コ ]/[ サシ ] である。 又, 三回目までに一度も事象 A が起らないとき, X > a となる条件付き確率は [ ス ]/[ セ ] である。

(4) 確率変数 X の平均 (期待値) は E(X) = a + ([ ソタチ ] - [ ツテ ]m)/243 で, E(X) > a となるような最大の自然数 m は [ トナ ] である。


第六問 (選択 20 点)

ある銀行では毎期末に預金残高に対し 5% の利率で利息が付く。 この銀行に, 例えば a 万円を一期間預金すると, 期末には 1.05×a 万円の預金残高になることになる。

第一期の初めに, A さんはこの銀行に b 万円の預金を持っている。 A さんは, 先ず b 万円から第一期分 m 万円を引き出す。 残りの預金に対し第一期末に 5% の利息が付く。 ここで, b > m とする。 第二期目からも毎期初めにこの預金から m 万円ずつを引き出す予定である。 但し, 預金残高が m 万円に満たないときには, その金額を引き出すものとする。

以下の問題中, INT(X) は X を超えない最大の整数を表す函数である。

(1) 預金残高が 0 円になるのに何期間を要するかを調べるため, 次の [プログラム 1] を作った。 このプログラムでは, 自然数 b と m を与えるとき, 第 n 期初めに預金を引き出した直後に預金残高が 0 円になれば, その時の自然数 n を出力する。

[プログラム 1]

100 IUPUT "B = "; B
110 INPUT "M = "; M
120 N = 0
130 N = N + 1
140 B = 1.05*(B - M)
150 IF B > 0 THEN GOTO [ アイウ ]
160 PRINT N
170 END

このプログラムの空欄 [ アイウ ] を埋めて, プログラムを完成せよ。

(2) このプログラムの 160 行を変更して, 最終期の引出金額の一万円未満を切り捨てたものも出力するようにするには, 160 行を [ エ ] と変更すればよい。 但し, この金額の単位は万円とする。 又 [ エ ]  については, 当てはまるものを, 次の 0 から 5 の中から一つ選べ。

0 PRINT N, INT(B)        1 PRINT N, INT(B + M)
2 PRINT N, INT(B - M)     3 PRINT N, INT(1.05*B)
4 PRINT N, INT(B/1.05 + M)  5 PRINT N, INT(B/1.05 - M)

(3) 第一期初めの預金額を 2150 万円, 引き出し額を百万円とすると, 第一期末の預金残高は, 約 2152 万円となり, 第一期初めの 2150 万円より増える。
一般に, 毎期の初めに m 万円引き出すものとし, 第 n 期末の預金残高を cn 万円とする。 この時, cn+1 = 1.05(cn - m) であるので,
cn+1 - cn = 1.05(cn - cn-1), n = 1, 2, ......
が成り立つ。 但し c0 = 2150 とする。
よって, c1 - c0 ≧ 0 ならば, 預金残高は減少しないことが分かる。 ここで c1 は m と c0 によって決まり, c1 - c0 ≧ 0 を満たす最大の自然数 m は [ オカキ ] である。

(4) 次に, A さんの預金残高が n 期間に亙り 0 円にならないために必要な第一期初めの預金額 b 万円を計算するため, 次の [プログラム 2] を作った。 このプログラムでは, 自然数 n と m を与えるとき, 預金残高が n 期間に亙り 0 円にならないために必要な第一期初めの預金額 b 万円を計算する。 但し n ≧ 2 とする。

[プログラム 2]

100 INPUT "N = "; N
110 INPUT "M = "; M
120 I = N
130 B = M
140 B = B/1.05 + M
150 I = I -1
160 IF I > 1 THEN GOTO [ クケコ ]
170 PRINT [  ]
180 END

このプログラムの空欄 [ クケコ ] と [ サ ] を埋めて, このプログラムを完成せよ。 但し, [ サ ] については, 当てはまるものを次の 0 から 4 迄の中から一つ選べ。

0 INT(B)     1 INT(B/1.05)     2 INT(B/1.05 + 1)
3 INT(B + 1)  4 INT((B + 1)/1.05)

このプログラムを実行して N = ? に対し 3, M = ? に対し 90 を入力したとき, 170 行に於いて [ シスセ ] と出力される。 この時, 140 行は [ ソ ] 回実行される。


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