第一問 (20 点)
[1] 1/a = 1/(3 + 2√2) = (3 - 2√2)/((3 + 2√2)(3 - 2√2)) = (3 - 2√2). (2 点)
1/b = 1/(2 + √3) = (2 - √3)/((2 + √3)(2 - √3)) = (2 -√3). (2 点)
a/b - b/a = (3 + 2√2)(2 - √3) - (2 + √3)(3 - 2√2)
= 6 + 4√2 - 3√3 - 2√6 - (6 + 3√3 - 4√2 - 2√6)
= 6 + 4√2 - 3√3 - 2√6 - 6 - 3√3 + 4√2 + 2√6
= (8√2 - 6√3). (2 点)
|2abx - a2| < b2
-b2 < 2abx - a2 < b2
a2 - b2 < 2abx < a2 + b2
a > 0, b > 0 より
(a2 - b2)/(2ab) < x < (a2 + b2)/(2ab)
(1/2)(a/b - b/a) < x < (1/2)(b/a + a/b)
なので, 上の計算から
4√2 - 3√3 < x < 6 - 2√6. (左辺, 右辺各々 2 点)
最後の式変形を効率良くやる必要があるが, 難しくはない。
[2]
(1) 反例は q & `p で,
直ぐにどの場合も q を満たしているということが分かるから, p の式に代入してみて探す。
a = b = 0 では p の左辺 = 0 で真。
a = 1, b = 0 でも p の左辺 = 2 で真。
a = 0, b = 1 では p の左辺 = 5 なので偽。
a = b = 1 では p の左辺 = 1 で真。
以上より 3. (3 点)
「p ⇒ q」 の対偶は 「`q ⇒ `p」 であり,
`q は de Morgan の法則から |a + b| ≧ 1 & |a - 2b| ≧2 つまり 4. (2 点)
又, `p は (a + b)2 + (a - 2b)2 ≧ 5 だから 7 (2 点)
(3) (1) より 「q ⇒ p」 は偽だから, p は必要条件ではない。
問題は 「p ⇒ q」 であるが, (2) より, 対偶 「`q ⇒ `p」 は明らかに真である。 従って 「p ⇒ q」 も真。
従って p は q である為の十分条件ではあるが必要条件ではないので 2. (3 点)
反例を答えるのが新機軸。 わざわざ対偶を考えさせているのがヒントになっている。
落ち着いてやれば大丈夫。
第二問 (25 点)
y = -3x2 + 12bx
= -3(x2 - 4bx)
= -3((x - 2b)2 - 4b2)
= -3(x - 2b)2 + 12b2.
従って, 軸は x = 2b.
一方式 (1) では a ≠ 0 より
y = a(x2 + (b/a)x) + c
= a((x + b/2a)2 - b2/(4a2)) + c
= a(x + b/2a)2 - b2/(4a) + c
より軸は x = -b/(2a).
比較して 2b = -b/(2a).
b ≠ 0 より a = -1/4. (3 点)
式 (1) に代入して
y = (-1/4)x2 + bx + c.
これに (1, 2b - 1) を代入して
2b - 1 = -1/4 + b + c.
c = b - 3/4. (2 点)
式 (1) に代入して
G: y = (-1/4)x2 + bx + b - 3/4.
(1) (-1/4)x2 + bx + b - 3/4 = 0 と置く。
x2 - 4bx - 4b + 3 = 0
x 軸と異なる二点で交わるので, x に関する判別式を D とすると
D/4 = (2b)2 - (-4b + 3)
= 4b2 + 4b - 3
= (2b - 1)(2b + 3) > 0.
従って b < -2/3, 1/2 < b. (各 2 点, 計 4 点)
x 軸の正の部分と異なる二点で交わるとすると, 先ず y 切片について考えると x = 0 の時, b - 3/4 > 0 なので b > 3/4.
軸について考えると x = 2b > 0 即ち b > 0 だから, 前半部分と合わせて考えると
1/2 < b < 3/4. (各 2 点, 計 4 点)
(2) G は, 軸が x = 2b で上に凸である。 又 b > 0 より 0 < b ≦ 2b.
従って, x = 0 で最小値を採り, 題意より b - 3/4 = -1/4.
従って b = 1/2. (4 点)
x ≧ b での最大値は x = 2b の時なので
b2 + b - 3/4 = 3.
4b2 + 4b - 3 = 12.
4b2 + 4b - 15 = 0.
(2b - 3)(2b + 5) = 0
b = 3/2, -5/2.
b > 0 だったので, b = 3/2. (4 点)
b = 1/2 の時頂点は (1, 0).
b = 5/2 の時頂点は (3, 3).
従って, x 軸方向に 2, y 軸方向に 3. (両方で 2 点)
誘導の通りやれば良いので難しくない。
第三問 (30 点) 図を描きながらやること。
(1) △ABC に (第二) 余弦定理を適用して
x2 = (2√7)2 + (√7)2 - 2・(2√7)・(√7)cosθ
= 35 - 28cosθ. (2 点)
同様に △ACD で
x2 = (√3)2 + (2√3)2 - 2・(√3)・(2√3)cos(180°- θ)
= 15 + 12cosθ. (3 点).
従って 15 + 12cosθ = 35 - 28cosθ
40cosθ = 20.
cosθ = 1/2. (3 点).
代入して x2 = 15 + 12・1/2 = 15 + 6 = 21.
x = √21. (3 点)
面積 = △ABC + △ACD
= (1/2)・(2√7)・(√7)sinθ + (1/2)・(√3)・(2√3)sin(180°- θ)
= (7 + 3)sinθ
= 10・(√3)/2 = 5√3. (3 点)
(2) 接線と半径だから ∠OAE = 90° (2 点)
E から円に接線を引いた接点が A, D ということなのだから, AE = ED. 従って対称性により
(あるいは △OAE ≡ △ODE なので) F は AD の中点である。
従って, ∠AFE = ∠AFO = 90° (2 点)
正弦定理より
OA = x/(2sinθ) = (√21)/(2・(√3)/2) = √7.
∠AFE = ∠AFO = 90°なので, △OFA ∽ △OAE.
OF : OA = OA : OE.
OF・OE = OA2 = 7. (3 点)
∠GHC = ∠GFE = 90°なので, E, G, H, F が同一円周上にある。 即ち 2. (3 点)
方冪の定理より, OH・OG = OF・OE = 7. (3 点)
図を描きながらやらないと難しい。
(1) の一般化がブラーマグプタの定理として知られている。
第四問 (25 点)
p = 4/6 = 2/3. (2 点)
q = 1 - 2/3 = 1/3. (2点)
(1) 8C3 = (8・7・6)/(3・2・1) = 56 (2 点)
p・7C2p2q5 = (7・6)/(2・1)・p3q5 = 21p3q5. (3 点)
q・7C3p3q4 = (7・6・5)/(3・2・1)・p3q5 = 35p3q5. (3 点)
(2) 7C4・7C5 = 7C2・7C3 = ((7・6)/(2・1))・((7・6・5)/(3・2・1)) = 21・35 > 56
8C6・8C7 = 8C1・8C2 = 8・(8・7)/(2・1) = 8・4・7 = 56・4 > 56
7C4 + 7C5 = 7C2 + 7C3 = ((7・6)/(2・1)) + ((7・6・5)/(3・2・1)) = 21 + 35 = 56
8C6 + 8C7 = 8C1 + 8C2 = 8 + (8・7)/(2・1) = 8 + 4・7 = 8 + 28 = 36 < 56
というわけなので 2 と 6. (2 点×2)
(3) 6 点になる場合というの, 1 から 5 回目は 5 以上で, 6 から 8 回目は全て 4 以下ということなので,
q5・p3 = p3q5. (2 点)
3 点というのは 1 回目と 2 回目が 5 以下で, 3 回目は 4 以下。 しかも 4 から 8 回目に 4 以下が丁度二回出なければならないので,
q2・p・5C2p2q3
= ((5・4)/(2・1))p3q5
= 10p3q5. (3 点)
期待値は
(7C2 + 2・6C2 + 3・5C2 + 4・4C2 + 5・3C2 + 6・2C2)p3q5
= (21 + 30 + 30 + 24 + 15 + 6)・(23/38)
= (7 + 10 + 10 + 8 + 5 + 2)・(23/37)
= 42・23/37
= 14・23/36
= 112/729. (4 点)
面倒なようだがそれ程計算も大変でなく, ケアレスミスに気を付けて計算することが重要である。
今年の数学 I ・ A はかなり簡単になった。 ケアレスミスが致命的だったのではないかと思われる。
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