2012 年数学 II ・ B 解答と解説


第一問 (必答 30 点)

[1] 真数条件は
8 - x > 0,
x - 2 > 0
となることだから即ち 2 < x < 8. (各 1 点, 計 2 点)

loga(8 - x)2 > loga(x - 2)
で a < 1 の時は
x2 - 16x + 64 < x - 2
x2 - 17x + 66 < 0. (係数は全部で 2 点)
従って不等号の選択は 0. (3 点)
(x - 6)(x - 11) < 0.
より 6 < x < 11.
これと真数条件より 6 < x < 8. (各 2 点, 計 4 点))

a > 1 の時は不等号の向きが変わるだけなので x < 6, 11 < x.
これと真数条件より 2 < x < 6. (各 2 点, 計 4 点)


基本的で難しくないと思われる。


[2] α = π/6 とすると sin(π/6) = cos2β であるから cos2β = 1/2.
0 ≦ 2β ≦ 2π なので, 2β = π/3, 5π/3.
従って β = π/6, 5π/6. (各 1 点, 計 2 点)

0 ≦ α < π/2 の時は
cos(π/2 - α) = cos2β で 0 < π/2 - α ≦ π/2 なので
2β = π/2 - α, 2π- (π/2 - α) (=3π/2 + α)
従って β = π/4 - α/2 (2 点), 3π/4 + α/2 (1 点).

π/2 ≦ α ≦ π の時は 0 ≦ π - α ≦ π/2 なので
sin α = sin(π - α)
= cos(π/2 - (π - α))
= cos(α - π/2), (0 ≦ α - π/2 ≦ π/2).
従って
従って, 9 < x < 27.
2β = α - π/2, 2π - (α - π/2) (= 5π/2 - α).
即ち β = -π/4 + α/2 (2 点), 5π/4 - α/2 (1 点).

簡単の為に以下 γ = α + β1/2 + β2/3 と置く。 題意より β1 < β2 に注意しておく。
さて先ず 0 ≦ α < π.2 の時,
γ = α + π/8 - α/4 + π/4 + α/6 = 3π/8 + 11α/12
従って 3π/8 ≦ γ < 5π/6.
又, π/2 ≦ α ≦ π の時は
γ = α - π/8 + α/4 + 5π/12 - α/6 = 7π/24 + 13α/6.
だから π ≦ γ ≦ 11π/8.
以上より
3π/8 ≦ γ = α + β1/2 + β2/3 ≦ 11π/8. (左辺, 右辺各 2 点, 計 4 点)

y = sin(α + β1/2 + β2/) = sin γ で 3π/8 ≦ γ ≦ 11π/8 だったのだから, y は γ = π/2 の時, 即ち
γ = 3π/8 + 11α/12 = π/2.
11α/12 = π/8 即ち α = 3π/22 (2 点) の時に最大値 1 を取る。
従って フ は 1. (1 点)


[1] は基本通り。
[2] は基本通りだが, 角を絞り込んでいくのが一寸面倒。 僕は最初 β1 < β2 という条件を落としていた為, かなり計算がややこしくなってしまった。


第二問 (必答 30 点)

(1) C: y' = 3x2 なので y'x=a = 3a2.
従って P に於ける C の接線は
y - a3 = 3a2(x - a)
     = 3a2x - 3a3
故に y = 3a2x - 2a3 (3 点).

D が P を通るので, 代入して
a3 = a2 + ap + q.
一方, D の p に於ける接線の傾きは,
y' = 2x + p より y'x=a = 2a + p だから
2a + p = 3a2.
つまり p = 3a2x - 2a (2 点).
これを代入して
q = a3 - a2 - ap
 = a3 - a2 - 3a3x + 2a
 = -2a3 + a2 (3 点)

(2) D が Q(0, b) を通るので, q = b 即ち
b = -2a3 + a2 (1 点).
f(x) = -2x3 + x2 なので f '(x) = -2x(3x - 1).

x

0 1/3
f '(x) - 0 + 0 -
f(x) 極小
0
極大
1/27

従って x = 0 で極小値 0 (各 2 点, 計 4 点).
x = 1/3 で極大値 1/27 (各 2 点, 計 4 点).

(3) D: y = x2 + px + q = (x + p/2)2 + q - p2/4.
だから D の頂点が x 軸上にある為の必要且つ十分な条件は 4q = p2
従って (1) より
-8a3 + 4a2 = (3a2 -2a)2
-8a3 + 4a2 = 9a4 - 12a3 + 4a2.
9a4 - 4a3 = 0.
a3(9a - 4) = 0.
なので a = 0 (2 点), 4/9 (3 点).

a = 0 の時, p = q = 0 より D1: y = x2.
a = 4/9 の時, p = -8/27, q = 16/729 なので D2: y = x2 - (8/27)x + 16/729.
D2 の頂点の x 座標は 4/27 であることは直ぐに分かる。
従って, 対称性から, D1 と D2 の交点の x 座標は, それらの頂点の中点の x 座標で 2/27.

よって求める面積は (対称性より)
2∫02/27 x2dx = (2/3)[x3]02/27 = (2/3)(23/39) = 24/310. (5 点)


最後の積分は解答のように対称性を最大限に駆使してやらないと多分計算が大変だと思う。
それ以外は簡単。


第三問 (選択 20 点)

公差を d とすると
an = a1 + (n - 1)d と置くことが出来る。 従って
a2 = a1 + d = -7/3,
a5 = a1 + 4d = -25/3.
a5 - a2 = 3d = -18/3 = -6.
故に d = -2. (1 点)
故に a1 = -1/3. (1 点)

従って an = -1/3 - 2(n - 1) = -2n + 5/3. (2 点)

Sn = -2・n(n + 1)/2 + (5/3)n = -n2 - n + 5n/3 = -n2 + 2n/3. (2 点)

(1) に n = 1 を代入すると
b1 = (4/3)b1 - 1/3.
3b1 = 4b1 - 1
b1 = 1. (2 点).

Σk = 1n + 1bk = Σk = 1n bk + bn+1 に (1) を代入すると
(3/4)bn+1 + Sn+1 = (4/3)bn + Sn + bn+1.
4bn+1 + 3Sn+1 = 4bn + 3Sn + 3bn+1.
bn+1 + 3(Sn+1 - Sn) = 4bn.
bn+1 + 3an = 4bn
bn+1 = 4bn - 3an = 4bn - 3(-1/3 - 2n) = 4bn + 6n + 1.
(bn の係数が 2 点, 残りの二つは合わせて 2 点, 計 4 点)

ここで
bn+1 + α(n + 1) + β = 4(bn + αn + β)
と置く。 整理すると
bn+1 = 4bn + 3αn - α + 3β.
上記の式と比較して
3α = 6,
-α + 3β = 1.
解けば α = 2, β = 1. (各 2 点, 計 4 点)

ここで cn = bn + 2n + 1 と置くと, {cn} は
c1 = b1 + 2 + 1 = 4. (1 点)
で, 公比が 4 (1 点) の等比数列だから
cn = 4・4n-1 = 4n = bn + 2n + 1
bn = 4n - 2n - 1
(従って ニ は 2. この四つで 2 点)


最後の ニ だけが解を一通りにする為に不自然だが, それ以外は誘導通りにやれば良いので難しくない。


第四問 (選択 20 点)

本問では vectors はすべて太字斜体を用いる。

(1) OM = (1/2)(OC + OE) = (1/2)(c + b + c) = (1/2)b + c. (1 点)

ON = (OA + 3OD)/4 = (1/4)(a + 3(a + b)) = a + (3/4)b. (1 点)

(2) OP = (1- s)OF + sOL
= (1 - s)(a + c) - s((1/2)(OB + OD)
= (1 - s)a + (1 - s)c + (s/2)(b + a + b)
= (1 - s)a + (1 - s)c + (s/2)a + sb
= (1 - s/2)a - sb + (1 - s)c. (3 点)

MN = ON - OM
= a + (3/4)b - (1/2)b - c
= a + (1/4)b - c.
MP = OP - OM
= (1 - s/2)a + (s - 1/2)b - sc.
ここで MP = tMN と置くと
1 - s/2 = t,
s - 1/2 = t/4,
-s = -t.
解くと s = 2/3. (2 点)
t = 2/3 即ち MP = (2/3)MN. (2 点)

(3) OG = (1 - (1/2)・(2/3))a + (2/3)b + (1 - 2/3)c
= (2/3)a + (2/3)b + (1/3)c
= (1/3)(2a + 2b + c) (1 点).
GF = OF - OG
= a + c - (2/3)a - (2/3)b - (1/3)c
= (1/2)a - (2/3)b + (2/3)c
= (1/2)(a - 2b + 2c). (1 点)

a, b, c は互いに直交しているので
|GF| = (1/3)√((√5)2 + (2・4)2 +(2√3)2) = 3. (1 点)

同様にして
GFGH = (1/3)(a - 2b + 2c)・(tc - (1/3)(2a + 2b + c)))
= (1/9)(a - 2b + 2c)・(-2a - 2b + (3t - 1)c)
= (1/9)(-2|a|2 + 4|b|2 + 2(3t - 1)|c|2)
= (1/9)(-2・5 + 64 + 6(3t - 1))
= 2t + 16/3 (2 点)

一方 GFMN = |GF||GH|cos∠FGH = 3|GH|cos∠FGH.
又, GMGH = |GM||GH|cos∠MGH = 2|GH|cos∠MGH.
又 ∠FGH = ∠MGH なので
GFMN = (3/2)GMGH (3 点)

従って
2t + 16/3 = (3/2)(2t + 10/3)
2t + 16/3 = 3t + 5
よって t = 16/3 - 5 = 1/3. (2 点)


a, b, c が直交しているので非常に簡単。
図を描く必要もなし。


第五問 (選択 20 点)

(1) 1 + 4 = 5 (1 点)
1 + 1 + 2 + 1 + 2 + 1 = 8. (1 点)

(2) B = (3・2 + 4・5 * 5・8 + 6・2 + 7・2 + 8・1)/20 = 5.0. (1 点)
C = (1/20)((3 - 6)2 + 2・(4 - 6)2 + 2(5 - 6)2 + 8(6 - 6)2 + 5(7 - 6)2 + 2(8 - 6)2) = 1.60. ( 2 点)

(3) 5 人。
相関係数は, この五人についてのみ計算すれば良い。
(1/20)((8 - 6)(6 - 5) + (8 - 6)(8 - 5) + (4 - 6)(3 - 5) + (4 - 6)(4 - 5)+ (3 - 6)(3 - 5))/((√1.6)(√1.6))
= 30/(20・1.6) = 5/8 = 0.625 (3 点)

(4) 1 + 4 + 9 + 28 + 55 + 16・6 + 8・7 + 24 + 9 = 282. (1 点)
D + E + F = 60 - 52 = 8. (1 点)
(282 + 4D + 5E + 8F)/60 = 5.4 だから 4D + 5E + 8F = 42. (1 点)
解けば D = 4, E = 2, F = 2. (2 点)

(5) (5.4・60 - 6・20)/40 = 5.1 (2 点)
D, E, F の値を入れて, 最初の表の人数を引いてみると

7 2 1
6 7 3 2
5 3 3 5 1
4 2 1 3 2 2 2
3 1
英/国 1 2 3 4 5 6 7 8 9

これを見ると中央値は 5.0. (2 点)

(6) 国語に関して表を作ってみると次のようになる。

x

1 2 3 4 5 6 7 8 9
M(x) 3 2 3.6 5 5.692 5.5625  5.375 6.8 7
N(x) 3 2 4 5 5  6 6 7 7

従って M(x) ≠ N(x) となるのは 5 個 (1 点)
M(x) < x 且つ N(x) < x となる x は 7, 8, 9 の 3 個。 (1 点)


相変わらず何を狙っているのか良く分らない問題。
計算量はやたらある。


第六問 (選択 20 点)

(1) ア: X の初期条件設定なので 1 (2 点)
イ: は目的から 2 (2 点)
ウ: X が 8 で割り切れるということなので 4 (2 点)
エ: 200 行を飛ばすので 5 (1 点)

(2) オ: M = 1 とすると 1・2・3・4 だから N = 4 で M + N = 1 + 4 = 5
M = 2 とすると 2・3・4 だから N = 3 なので M + N = 2 + 3 = 5
M = 3 とすると 3・4・5・6 だから N = 4 なので M + N = 3 + 4 = 7
M = 4 とすると 4・5・6 だから N = 3 なので M + N = 4 + 3 = 7
M = 5 とすると 5・6・7・8 だから N = 4 なので M + N = 5 + 4 = 9
というように段々増加していくので M + N の最小値は 5 (1 点).

カ: 四つの連続した整数の内, 二つが 2 の倍数であり, その内の一方だけが 4 の倍数だから N = 4 の時必ず 8 の倍数になる。 それより少ないと 2 の倍数が一つしかない場合も生じる。 従って 4. (4 点)

(3) キ: C の初期条件を設定する。 C は個数のカウンターなので 0 (2 点)
ク: K (= 2^N) で X が割り切れるかどうかを調べるので 4. (1 点)
ケ: K (= 2^(N + 1)) では X が割り切れないということを調べている。 割り切れない時 X/K は整数ではない分数になるので INT(X/K) < X/K となる。 従って 5. (2 点)
コ: 割り切れない時にカウンター C を一つ増やすので 3. (2 点)

(4) サ: N = 1 to 5 なので, 各々計算してみる。
N = 1 では X = 4 は 2^1 でも 2^2 でも割り切れるので count しない (×)。
N = 2 では X = 4・5 = 20 で 2^2 で割り切れるが 2^3 では割り切れるので count する (○)。
N = 3 では X = 4・5・6 = 120 で 2^3 で割り切れるが, 2^4 で割り切れないから ○.
N = 4 では X = 4・5・6・7 = 2^3*15*7 で既に 2^4 で割り切れないから ×.
N = 5 では X = 4・5・6・7・8 = 2^6*m (m は奇数) だから 2^5 でも 2^6 でも割り切れるので ×..
ということだから, 2. (1 点)

(5) N が条件を満たす数であると判定された時に出力せねばならないので 2. (2 点)


(4) が一番面倒かもしれない。
それ以外は平易。 いつものように computer になったつもりで色々やってみれば良い。


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