第一問 (必答 20 点)
y = -x2 + 2x + 2
= -(x2 - 2x) + 2
= -((x - 1)2
- 1) + 2
= -(x - 1)2 + 3.
より頂点は (1,
3). (5 点)
従って f(x) = - (x - 1 - p)2 + 3 + q である。
(1) f(x) は 上に凸, 且つ 2 ≦ x ≦ 4 で頂点の x 座標が 1 + p である。
そこで最大値が f(2) であるとは, 頂点が 2 より左側にある (重なっている時を含む) なので
1 + p ≦ 2 即ち p ≦
1.
(つまり ウ は 3) (5 点).
又最小値が f(2) と言うのは頂点が 2 と 4 の中央より右 (重なっている時を含む) なので
1 + p ≧ (2 + 4)/2 = 1 +
2 即ち p ≧ 2. (つまり オ は 2) (5
点).
(2) f(x) > 0 が -2 < x < 3 である為の必要十分条件は (二次の係数を考えると)
f(x) = -(x + 2)(x -3) = -(x2 - x - 6) = - ((x - 1/2)2 -
1/4 - 6)
= -(x - 1/2)2 + 25/4.
従って 1 + p = 1/2 且つ 3 + q = 25/4.
前の方から p = -1/2. (2 点)
後ろの方から q =
13/4. (3 点)
とても簡単。 但し, 二次函数の最大最小の問題が, 頂点と, 両端点との位置で決まるということに帰着させないと難しいと思われる。
(2) も簡単だが, 解から逆に不等式を作るのに慣れていないと難しいかもしれない。
第二問 (必答 25 点)
以下では否定の記号として`p の代わりに ¬p と書くことにする。 (一応 Gentzen 以来, これが標準ということになっている。)
[1] (1) p1∧p2 ⇒ q1∧q2
の対偶は
¬(q1∧q2) ⇒ ¬(p1∧p2).
ここで
de Morgan's rule により
¬q1∨¬q2 ⇒ ¬p1∨¬p2
となるので ア は 1. (4 点)
(2) p1∧p2 ⇒ ¬q1∧q2 とは即ち
「n と n
+ 2 が (共に) 素数 ⇒ (n + 1 は 5 の倍数ではないが, 6 の倍数である)」 ということである。
そもそも一桁の素数は 2, 3, 5, 7 しかないが, n と n + 2 が同時に素数になるのは n = 3, 5 だけである。
しかし 3 +
1 = 4 で, 5 + 1 = 6 だから反例となるのは 3 だけ。 (3 点)
二桁の素数は沢山あるので, 小さい方から順に調べて行くことにする。
先ず 11 は 11 + 2 = 13 が素数であるが, 11 + 1 = 12
は 5 の倍数ではないが 6 の倍数であるので反例にならない。
次の 13 は 13 + 2 = 15 が既に素数ではない。
その次の 17 は
17 + 2 = 19 が素数であるが, 17 + 1 = 18 は後件 (A ⇒ B の B の事, 右辺) を満たすので反例にならない。
その次の
19 は 19 + 2 = 21 が既に素数ではない。
その次の 23 も 23 + 2 = 25 が素数ではない。
更に次の 29 は 29 +
2 = 31 が素数。 31 + 1 = 32 は 5 の倍数ではなく 6 の倍数でもないので反例となっている。 (三十以下の素数は全て調べたのでこれで終わり)
従って, ウエ
は 29 (3 点)
(1) は標準的な問題。
(2) については, 一般に素数でこの条件を満たすものが存在するのがどの位あるかは分からない。 もしあったとすれば (調べたくないが) それがどういう性質をもつのか一寸興味がある。
[2]
(第二) 余弦定理より
AC2 = 32 + 52 - 2・3・5cos120°
= 9 + 25 + 2・3・5・(-1/2)
= 9 + 25 + 15 = 49.
AC > 0 より AC = 7.
(3 点)
sin∠ABC = sin120°= sin60°= (√3)/2. (3 点)
正弦定理より
3/sin∠BCA = AC/sin∠ABC..
故に sin∠BCA = (3/AC)sin∠ABC = (3/7)・(√3)/2 = (3√3)/14. (3 点)
AD2 = 27 < 49 = AC2 なので,
∠ADC が鋭角である為には, 点 D は線分 CB
の延長上になければならない。
AC ⊥ AP である時 R = AC/2 = 7/2
が最小である。 (3 点)
R が最大になるのは AD = AP の時で, 正弦定理よりこの時は
R = Ad/(2sin∠BCD) = (3√3)/(2・(3√3)/14)
= 7. (3 点)
R の最大最小がやや難しいかもしれないが, 図をそれなりに描けば自然と分かると思う。
その他は基本。
第三問 (必答 15 点)
[1] (1) 第三四分位数は上位 10 及び 11 位 (の中間) なので, 25 cm 以上 30 cm 未満の所である。
つまり ア は 4. (3 点)
(2) 最大と最小が矛盾しているものはない。
Median (中央値) を見ると, これは 20 cm 以上 25 cm
未満の所になければならないが, これも矛盾するものはない。
既に (1) で調べた第三四分位数を見ると 0, 1, 2, 3 が矛盾している。
第一四分位数は 15 cm 以上 20 cm 未満の所にあるので, 5 も矛盾している。
従って, イ,
ウ, エ, オ は 0,
2, 3, 5. (4 点).
(3) A と矛盾しているものは a (第一四分位数), b, d (最大値)。
B は d と矛盾している (最小値)。
C は c
と矛盾している (最大値)。
D は (最大値や最小値で) a, b, c と矛盾している。
従って カ,
キ は 0 と 2. (6 点).
[2] 相関係数は
54.30/(8.21・6.98) = 0.947548066
なので ク は 7. (2 点)
[1], [2] と分けなくても良かったのではないかと思う。
統計の問題は (数学 I・A としては) 初出題だったが, 配点も低く,
それほど難しくもなくて安心した受験生も多かったのではなかろうか。
[2] の相関係数は多分 54.3/(8・7) = 0.969642857
で近似しろということだったのではないかと思われる。
第四問 (選択 20 点)
(1) 左端は何色でも良いので 3 通り, その右隣りは, 今塗った色以外の色で塗らねばならないので 2 通り, その隣も同様, ということなので,
3・24 = 6・8 = 48 通り (3 点)
(2) 左右対称なので, 左から三つを決めれば, 後は自動的に決まる (隣り合う色も同じにならない) ので
3・2・2 = 12 通り (2 点)
(3) □■□■□ で, どちらを青にするかだけなので 2 通り。 (3 点)
(4) 赤□赤□赤 で, □が各々 2 通りだから 4 通り。 (3 点)
(5) 赤が一枚だから, 左端又は右端が赤の場合は 赤□■□■ となるので 2・2 = 4 通り。 (2 点)
二番目の所にある場合は △赤□■□ となるので (左右を考えて) 2・2・2 = 8.
中央にある場合は □■赤△▲ となるので 2・2 = 4.
この場合は合計して 12 通り。 (2 点)
よって全て足すと 16 通り。 (2 点)
(6) 二個の場合は直接やると難しそうなので, 余事象で考える。
赤三枚が (4) より 4 通り。
赤 0 枚は (3) で 2 通り。
赤 1 枚は (5) より 16 通り。
全体は (1) より
48 通りだったから, 求めるものは
48 - (16 + 4 + 2) = 48 - 22 = 26 通り。 (3
点)
時間がないので焦るとは思うが, 落ち着いて考えれば難しくない。
(6) は良事象が point であろう。
第五問 (選択 20 点)
(1) a = 756 = 22・33・7. (3 点)
a の正の約数の個数は (2 + 1)・(3 + 1)・(1 + 1) = 3・4・2 = 24 個。 (3 点)
(2) m = 3・7 = 21. (3 点)
√(am) = √(22・34・72・k2) = 2・32・7k = 126k. (3 点).
(3) 126k - 11l = 1.
左辺 = 121k + 5k - 11l
= 11(11k -l) + 5k = 1.
容易に分かるように k = -2, 11k - l = 1 は題意を満たす。 これを解くと l = -23.
従って, 一般解は
k = -2 + 11n,
l = -23 + 126n. (n は整数)
ここで n = 1 とすると k = 9 (2 点), l = 103 (2 点).
(4) (3) によって 126k = 11l + 1 で, そのような最小のものが k = 9, l = 103 なのだから
√(am) = 126k = 126・9 = 2・32・7・32 = 2・34・7.
即ち am = 22・38・72.
22・33・7m
= 22・38・72.
つまり m = 35・7 = 81・3・7
= 1701. (4 点)
(1), (2) はまるで中学生の問題のような簡単な問題。
(3) は Euclid 互除法を用いても良いが, 上記の方にやった方がずっと簡単だと思う。
第六問 (選択 20 点)
方冪の定理から
CE・DB = CA・CD = 5・2 = 10. (3 点)
従って, CE = 10/√5 = 2√5.
故に BE = CE - CB = 2√5 - √5 = √5. (3 点)
BE = BC なので, G は AB 上にある。 よって
AG = 5・2/3 = 10/3.
(3 点)
Menelaus の定理により
(DP/EP)(1/1)(5/3) = 1 なので
DP/EP = 3/5.
(4 点)
△ABC ∽ △EDC なので
DE : AB = EC : AC
DE : 5 = (2√5) : 5
故に DE =
2√5. (4 点)
従って EP = (5/8)DE = (5√5)/4. (3 点)
最初の図を描けるかどうかが point なのだが, 先ず円を描いて, 三点 A, B, D が (E が取れるように) 描けないとそこではまってしまうだろう。
それ以外は多分難しくない。
今年から新課程の問題になり, 統計や, 整数問題も入ってきたが, 思ったほど難しくなかった。
難しそうな二, 三問で差がついたことと思う。
ケアレスミスが致命的なので気をつけよう。
来年辺り, そろそろ難しくなるかも。
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