指数法則と指数の拡張


a > 0 b > 0に関し, 次の指数法則 exponential law が成り立つ。

  1. anam = an+m.
  2. (an)m = anm.
  3. (ab)n = anbn.

割り算のときが複雑で n > m ならば an/am = an-m だが, n = m ならば an/am = 1, n < m ならば an/am = 1/am-n である。 これを統一的に表す為に, a0 = 1, a-n = 1/an と定める。

更に, a > 0, 自然数 n に関し, xn = a となる数 x > 0 が只一つ存在する。それを と書く。 そして と定める。 このように定めても, 上記の指数法則が成り立つことが証明される。

こうして, 指数が有理数であるときには全て定義できたが, 指数 p が無理数のときには, 有理数が稠密 (ちゅうみつ) であること, 即ち, p に幾らでも近い有理数が存在することから, p に近付いていく有理数 bn を採って を考えると bn が p に近付いていくときに, が近付いていく数を ap の定義とすれば問題ないことが知られている。 こうして全ての数で指数 ap が定義でき, 指数法則を満たすことが示される。

この最後の部分は, かなり難しい議論を要する。 解析学の専門書を参考とされたい。


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