以下底に関しては底に関する条件, 真数に関しては真数に関する条件が成立するとする。
これらの公式は, 対数法則と呼ばれている。 対数函数は指数函数の逆函数だから, 全て指数法則を対数の言葉に翻訳したものである。
[証明]
1. x = loga (MN) と置く。 定義より ax = MN. 一方 y = loga M, z = loga N と各々置くと, 定義から ay = M, az = N. 従って, ax = MN = ayaz = ay+z. 即ち x = y + z. x, y, z を元に戻せば対数法則になっている。
2. は 1. と同様。 (練習問題)
3. x = loga M と置くと定義から ax = M. 従って Mp = (ax)p = apx. この両辺の a を底とする対数を採って, x を元に戻せば対数法則になっている。
4. この公式を直接証明する代わりに
logb a loga M = logb M
の形で証明する。 x = logb a loga M = logb M と置くと,
であるから結局
を証明すればよい。 さてここで (lhs とは左辺 left hand side, rhs とは右辺 right hand side のこと)
--- 一寸底が見にくいが自分で考えれば分かる (笑)
別の証明を発見したので, そちらも紹介する。
先ず x = loga M と置こう。 定義から ax = M である。 3 ではここで a を底にして対数をとったが, その代わりに b を底として対数をとる。 すると
logb ax = logb M.
ここで対数法則の 3 から x logb a = logb M. ここで a は底だから 1 ではないので, logb a も 0 ではない。 よって両辺をこれで割ればよい。