定理 [Gauß]
a1 > b1 > 0; an = (an-1 + bn-1)/2, bn = √(an-1bn-1) とすると, 数列 {an}, {bn} は同一の極限値に収束する。
この極限値を a1, b1 の算術幾何平均 arithmetico-geometiric mean という (相加相乗平均とはいわない)。
a1 > b1 > 0 だから, 定義により帰納的に全ての n で an > 0, bn > 0.
さて, 相加平均と相乗平均の関係から一般に an ≧ bn だが, a1 > b1 (つまり a1 ≠ b1) だから a2 > b2, 以下帰納法で一般に an > bn.
ところで今 a1 > b1 だから 2a2 = a1 + b1 < a1 + a1 = 2a1 なので a2 < a1 である。 又 b22 = a1 + b1 > b12 で, 両辺とも正だから b2 > b1. よって以下同様に帰納法によって
a1 > a2 > a3 > … > an > … … > bn > … > b3 > b2 > b1.
従って {an}, {bn} は共に有界な単調数列なので収束して各々極限値 α, β を持つ。 ここで an = (an-1 + bn-1)/2, bn = √(an-1bn-1) から極限を取ると α = (α + β)/2, β = √(αβ) だから解くと, α = β. よって同一の極限値に収束する。