以下暫く成分 (即ち座標) を考える。
第一の場合を考えると a = (a1, a2) (即ち A(a1, a2)), d = (d1, d2) とすれば
p = (a1, a2) + t(d1,
d2)
= (a1 + d1t, a2 + d2t).
ここで p = (x, y) とすれば, vectors の成分に関する相当条件から
x = a1 + d1t,
y = a2 + d2t
を得る。 これを直線の方程式の媒介変数表示 parametric equation of a line という。
さて第二の場合については B(b1, b2) と置けば同様にできるが, 上記の形以外では用いられないので省略する。
次に媒介変数表示を良く知られた形に表してみよう。 方向ベクトル d については d ≠ 0 という条件が付いているので d1 と d2 が同時に 0 であるということはない。 先ず d1 ≠ 0 としよう。 この時上の方の式から t = (x - a1)/d1 であるから, これを下の方の式に代入して
y = a2 + (d2/d1)(x - a1)
∴y = (d2/d1)x - d2a1/d1 +
a2.
という良く見慣れた形に出来る。 d1 = 0 の時は最初に戻ると x = a1 という形になる。 又直ぐ上の式から
y - a2 = (d2/d1)(x - a1).
d1(y - a2) = d2(x - a1).
d2(x - a1) - d1(y - a2) = 0.
となる。 この最後の式は d1 = 0 の場合を含んでいる。 展開して係数を適当に変更すると
ax + by + c = 0, a2 + b2 ≠ 0
を得る (ここで a, b ∈ R の時は a2 + b2 = 0 ⇔ a = b = 0 に注意せよ)。 これを直線の方程式の一般形という。 式 d2(x - a1) - d1(y - a2) = 0 と比較してみれば分かるように, 直線 ax + by + c = 0 の方向ベクトル (の一つ) は (-b, a) (或いは (b, -a)) となることが分かる。 又, 式 y = a2 + (d2/d1)(x - a1) を見ると分かるように, 方向ベクトル (d1, d2) (d1 ≠ 0) の直線の傾きはd2/d1 となる。