二次式の零点同士の積分


ここは表現に困ったのだが要するに積分

を考えようということである。

先ず微分の補遺の 「スケール変換」 のところで述べたように

[定理]
a, b は定数で a ≠ 0 とするとき
y = f(ax + b) ならば, y' = af'(ax + b).

であることを思い出していただく。 これを用いると, a, b は定数で a ≠ 0 とするとき
∫af'(ax + b) dx = f(ax + b) + C, C は積分定数,
であるから, 両辺を a で割って

, C は積分定数,

という公式を得る。 (この場合も a がスケール変換をしているのである)

さて, これを用いて先程の定積分を計算しよう。

となる。

ここで, 二次方程式の解と係数の関係から

(β - α)2 = α2 - 2αβ + β2
= α2 + 2αβ + β2 - 4αβ
= (α + β)2 - 4αβ
= (-b/a)2 - 4c/a
=b2/a2 - 4ac/a2
= (b2 - 4ac)/a2.

この分子は二次方程式の解の公式の平方根の中の式である。 この式を通常, 二次方程式の判別式 discriminant といい, 記号 D で表す。 すると とりあえず D =  b2 - 4ac > 0 であるはずで, β > α の時は,

 

で, これより,

という, 公式を得る。

更に一般に ∫αβ (x - α)n(x -β)m dx の形の積分も考えられるのだが, それは現段階では具体的な n, m のときしか出来ないので, もっとあとで一般的に扱うことにする。


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