Proof of lemma.
f(x) = ex - 1 - x - x2/2 と置くと f(0) = 0 で
f'(x) = ex - 1 - x. f'(0) = 0 で
f''(x) = ex - 1.
x ≧ 0, e > 1 より, f''(x) ≧ 0. 従って f'(x) は x ≧ 0
で単調増加。
従って f'(0) = 0 より x ≧ 0 で f'(x) ≧ 0. 従って f(x) は x
≧ 0 で単調増加。
よって f(0) = 0 より x ≧ 0 で f(x) ≧ 0.
∴ x ≧ 0 ⇒ ex ≧ 1 + x + x2/2 で等号は x = 0 の時だけ。
注: 実は ex の Taylor 展開を, 二次の項で打ち切ったものだから, 当然成り立つ。
[12] y = xe-x.
ex > 0 より, y 軸に平行な漸近線は存在しない。
limx→±∞(y/x) = limx→±∞(1/ex).
x → +∞ の時:
limx→+∞(1/ex) = 0.
ここで lemma から x > 0 の時
0 < y = x/ex < x/(1 + x + x2/2) = 1/(1/x + 1 + x/2)
→ 0 as x → +∞.
∴
limx→+∞y = 0. よって y = 0
が漸近線。
x → -∞ の時:
t = -x と置けば t → +∞.
limx→-∞(1/ex) = limx→-∞(e-x)
= limt→+∞(et) = +∞.
従ってこちら方向には漸近線は存在しない。
y' = e-x - xe-x = (1 - x)e-x.
y'' = -e-x - (1 - x)e-x = (x - 2)e-x.
x | … | 1 | … | 2 | … |
y' | + | 0 | - | ||
y'' | - | -1/e | - | 0 | + |
y | 極大 e-1 |
変曲点 2/e2 |
[13] y = e-xsin x.
ex > 0, -1 ≦ sin x ≦ 1 より, y 軸に平行な漸近線は存在しない。
limx→±∞(y/x) = limx→±∞((sin x)/(xex).
x → +∞ の時:
|sin x| ≦ 1 より, (sin x)/x → 0, 1/ex → 0. ∴y/x → 0.
limx→+∞y = limx→+∞((sin x)/ex) = 0
(∵|sin x| ≦ 1, ex → + ∞).
従って y = 0 が漸近線。
x → -∞ の時: いつものように t = -x と置いて
limx→-∞(y/x) = limt→+∞((etsin(-t))/(-t))
= - limt→+∞((etsin t)/t).
et/t ≧ (1 + t + t2/2)/t = 1/t + 1 + t/2 → + ∞,
lim supt→+∞ sin t = 1, lim inft→+∞ sin t = -1
で不定符号だからこちら方向に漸近線はない。
y' = -e-xsin x + e-xcos x = -(√2)e-xsin(x
- π/4).
y'' = (√2)e-xsin(x - π/4) - (√2)e-xcos (x - π/4) = 2e-xsin(x
- π/2).
(増減表は全部は書ききれないので, 原点近くを書く。 又, 変曲点とそこでの傾きも省略した。)
x | … | -3π/4 | … | -π/2 | … | π/4 | … | π/2 | … | 5π/4 | … |
y' | - | 0 | + | 0 | - | 0 | + | ||||
y'' | + | 0 | - | 0 | + | ||||||
y | 極小 -e3π/4/√2 |
変曲点 | 極大 eπ/4/√2 |
変曲点 | 極小 -e-5π/4/√2 |
これの graph を Microsoft Excel で描かせてみてはみたものの, y = e-x の graph の減衰が激しく, 殆ど x 軸に張り付いているような図しか得られないため, 省略せざるを得ない。 これなどは, 手書きの方が気分が良く分かって良い (笑)。
どの位減衰が激しいかを示すために, sin x でいうと一周期分ほどを描いてみた。 上下の線は, 各々 y = ex, y = e-x である。
[14] y = ex/(1 - ex).
の時 y → ±∞ (複号同順) となるので, x = 0 (viz. y 軸) が漸近線。
limx→±∞(y/x) = limx→±∞(ex/(x(1 - ex)))
= limx→±∞((1/x) / ((/ex - 1)) = 0.
よって y = -1, y = 0 が漸近線。
注: 実は y = (-(1 - ex) + 1)/(1 - ex) = 1/(1 - ex) - 1 だから, y = -1 が漸近線であることは分かる。
y' = (d/dx)(ex(1 - ex)-1) =ex(1 - ex)-1
+ ex(1 - ex)-2ex = (ex(1 - ex)
+ e2x)(1 - ex)-2 = ex(1 - ex)-2
= ex/(1 - ex)2.
y'' = ex(1 - ex)-2
+ 2ex(1 - ex)-3ex = (ex(1 - ex)
+ 2e2x) (1 - ex)-3 = ex(1
+ ex)(1 - ex)-3 = ex(1 + ex)/(1 - ex)3.
x | … | -0 | +0 | … |
y' | + | × | + | |
y'' | + | × | - | |
y | +∞ | -∞ |
[15] y = x-1log x.
定義域は対数函数の真数条件から x > 0.
x → +0 の時 t = log x と置くと, x = et だから, t → -∞ で,
y = e-t・t → t/et → -∞.
従って x = 0 (viz. y 軸) は漸近線。
又, limx→+∞(y/x) = limx→+∞((log x)/x2) だが, 又 t = log x と置くと, x → +∞ の時, t → +∞ で [12] と同様に, limx→+∞(y/x) = limt→+∞(t/e2t) = 0. 従って y = 0 (viz. x 軸) は漸近線。
y' = -x-2 log x + x-1・x-1 = x-2(1
- log x).
y'' = -2x-3(1 - log x) + x-2・(-x-1) = x-3(2log
x - 3).
x | +0 | … | e | … | e3/2 | … |
y' | +∞ | + | 0 | - | -1/(2e3) | - |
y'' | -∞ | - | 0 | + | ||
y | -∞ | 極大 e-1 |
変曲点 3/(2e3/2) |
x 切片は x = 1 である。
感想: こうやって Microsoft Excel に graph を描かせてみると, 我々が手書きで描く graph というものは, 確かに分かり易いけれども, いかに欺瞞に満ちているかというのが良く分かって, 一寸悲しかったりもする。