図の直角三角形で角度 θ (theta, シータ) の対辺の長さを y, 隣辺の長さを x とし, 斜辺の長さを r とする。 このとき
tan θ = y/x
と定義する。 これは二辺の長さの比なので, 直角三角形を相似拡大・縮小しても値が変わらない。 従って角度 θ だけで決まる。 この値を角度 θ に対する正弦 (tangent, タンジェント) という。
これの覚え方は, 伝統的に頭文字 t の筆記体から次のように覚えるのだと説明されているが, これはいかにもひどい。 しかし伝統だから一応紹介しておく。
一般角に対する正接の値の決め方も, これまでの正弦, 余弦と同様である。
図の円の中の直角三角形で, tan θ = y/x と定めるのである。 但し, 正接函数の場合, θ = π/2 + nπ (n は整数) の場合が問題である (π/2 は直角である。 πは平角つまり 180 度)。 なぜかというに, この場合, どのように半径を取ろうとも, 動径が y 軸にぴったり一致してしまい, x = 0 とせねばならないからである。 従って, この場合は tan θ を定める式の分母が 0 となってしまうので, tan(π/2 + nπ) (n は整数) の場合は値がないものとする。 (つまり定義域の外)
正接函数の符号は x と y が同符号なら +, そうでなければ - なので, 次の図のようになる。 (所謂市松模様)
又 tan (-θ) も調べてみると
図から tan (-θ) = -y/x = -tan θ. 即ち奇函数としての性質を持っている。