環 (F, +, ・) が与えられており, F* = F\{0} = {x ∈ F| x ≠ 0} とするとき, (F*, ・) が群であるとする。 この時 (F, +, ・) は体 field であるという (体という訳語は, ドイツ語の Kölper から来ている)。 又, (F*, ・) を体 F に付随した乗法群, 又は F の乗法群という。 F* の単位元は普通 1 と書かれる。
体 F の乗法群が可換ではない体を斜体 skew field という。 これに対し乗法群が可換である体を可換体 commutative filed ということもある。
Q, R は (可換) 体であるが, Z, M2(R) は体ではない (乗法に関して群ではない)。 又 Q ⊂ R は部分環であると同時に, 加法と乗法の単位元を同じに持つ体である。 このような場合 Q は R の部分体 subfiled という。 逆に R は Q の拡大体 extension filed という。 (R は Q の超越拡大体と呼ばれるものであるが, 詳しいことは代数学の適当な教科書に譲る)