三次元の座標を前 page の様に入れておくと, 平面の標準基底と成分でやったことの類似を三次元で行うことが出来る。
即ち, 座標軸上に三つの単位点 Ex(1, 0, 0), Ey(0, 1, 0), Ez(0, 0, 1) を採り, ex = OEx, ey = OEy, ez = OEz と置く。 これらは全て単位ベクトル (即ち長さが 1) である。 記号で書けば |ex| = |ey| = |ez| = 1. 又全て直交しているから一次独立である。 従ってこの時 {ex, ey, ez} は三次元空間の一組の基底となるが, この ex, ey, ez を三次元空間の基本ベクトルといい, {ex, ey, ez} を三次元空間の標準基底と呼ぶ。
三次元空間に A(ax, ay, az) という点を採り, a = OA と置くと, a ∈ RexÅ ReyÅRez であるから ∃!x∃!y∃!z(a = xex + yey + zez) が平面の標準基底と成分の所と同様に分かる。 明らかに a = axex + ayey + azez となり, ax, ay, az を各々 a の x 成分, y 成分, z 成分といい, これら三つを合わせて a の成分という。 又普通に a = (ax, ay, az) と書き, a の (標準基底による成分表示という。
又 a = (ax, ay, az), b = (bx, by, bz) とするとき,
a = b ⇔ ax = bx& ay = by & az = bz
が成立する。 証明は平面の時と同様である。
和, 差, scalar 倍についても平面の時と同様で
a + b = (ax + bx,
ay + by,
az + bz),
a - b = (ax - bx, ay
- by, az
- bz),
ka = (kax, kay, kaz)
が成立する。
一般に三次元空間の vectors の世界は V3 と書かれることが 多い。 この章で扱われるのは V3 =~ R3 = (R×R)×R (記号 =~ は同型) である。