本章及び次章では三次元空間について, 平面でやったことと同様のことを行う。 我々の住んでいる世界が二次元即ち平面でないことは明らかである。 又時間の経過というものを考えない世界, 即ち静的な世界では, 我々の空間は三次元と考えて良い。 又三次元では二次元とは異なる困難もあり, いきなり一般次元に入る前にやはり三次元までは別に取り扱うことにした。
本章で基礎にしているのは Euclid 空間論である。 伝統的に三次元 Euclid 空間論は立体幾何 streometrica と呼ばれていることから, 本章の title 自体も 「立体のベクトル」 と以前の小児合わせるということも考えられるが, vectors に関しては伝統的にそうは表現しないので, 三次元空間というやや pedantic な名称を冠することになった。
構成の都合上, 先ず三次元の立体幾何の復習から行う。
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